「狂骨の夢」
京極 夏彦 / 講談社(2005/08/12)
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人を殺したことがあるという、他人の記憶が入り混じり、混乱した女。「骨」に魅入られてしまった人々から京極堂が憑き物を落とします。
京極堂シリーズ第三弾「狂骨の夢」です。
「匣」の次は「骨」です。不気味なことこの上ありませんが、「匣」のほうがグロかったとは思います。匣も映画と聞きましたが、映像化に耐えられるのでしょうか。
この作品も長いので、ざくっと説明いたしますと、関口や木場やその他の人々が方々でであった事件がつながったり、もしくはつながりがなさそうでも京極堂につながっているといわれ、なにがなにやら分からなくなったところで、京極堂がばっさりと糸をまとめて、ほぐして真相を説明する。「憑き物落とし」と称し、人の心を捕らえている何かを取り除いてくれるという話です。はい、これじゃぁ内容は分かりませんね。あらすじを書いてもなぁという感じがするので、後ろのほうで書いておきます。
今回の謎解きは下巻1冊分。京極堂の薀蓄満載でした。フロイト・ユングの精神分析や、南北朝が分かれたときからの因縁や神社や密教のことまで。事件の解決というより薀蓄は薀蓄でおもしろいのでそれでおなかがいっぱいになりそうでした。複雑怪奇なわりに、驚きは少なめでしたが、まさかこのせいではあるまいか。
この作品は、京極堂の次に好きな榎木さんが結構出てきてうれしかったです。発言が多かったんですよ。蘇ってくるという死人の話に対して「その死人は双子だったのだ」と言い切る榎さん。素敵過ぎる。新登場の人としては、旅館の息子で釣堀を営む、ぼさーとした伊佐間さん。榎さんや木場の戦友になるそうで、そのぼさっと加減がよかったです。
ところで、おもしろいHPを見つけたので、勝手にですがリンクをはってみます。
「狂骨の夢」のあらすじを「レゴ」で作ったジオラマで表現するというシュールかつ画期的なページです。
榎さん満載です。是非ご覧くださいませ。
http://na4-ymc.hp.infoseek.co.jp/kyo3.htm
「魍魎の匣」
京極 夏彦 / 講談社(2005/06)
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京極 夏彦 / 講談社(2005/06)
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京極 夏彦 / 講談社(2005/06)
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京極夏彦さん京極堂シリーズ第二弾、魍魎の匣(もうりょうのはこ)を読んでしまいました。文庫版は分厚すぎるため、高くつくけれど分冊版です。図書館で借りるつもりが読みたい誘惑に駆られて買ってしまいました。
木場が関わることにした美少女転落事件。その瀕死の少女が、入院した美馬坂研究所から忽然と姿を消した。一方では連続バラバラ殺人事件が発生。体の一部は箱に詰められていた。そして信者を増やす「御筥様信仰」。「はこ」にまつわるこれらの事件は関係しているのか?京極堂が重い腰をあげて解明していきます。
テーマは「ハコ」。
そして刑事・木場修太郎の恋に始まり、霊能者や超能力者らの違い、はたまた医学と倫理の問答まで、ものすごく濃い内容になっています。
いくつかの犯罪や出来事が重なり合い、誰が犯人なのか、何が真相なのか・・・。
バラバラ殺人に始まるグロテスクな事件や、近代の幻想小説のような雰囲気が醸し出されていて、涼しい話というよりも、じっとり不気味な雰囲気を持った作品です。
またもや暗い話を読んでしまいましたが、
すぐに全部読みきらないと気がすまないくらいおもしろかったです。
以下、無駄に長いです。
「後巷説百物語」
「巷説百物語」「続巷説百物語」に続くシリーズ第3弾です。
本屋さんで見つけて即購入してしまいました・・・。また怪しい小説ブーム再来のようです。
赤えいの魚
天火
手負蛇
山男
五位の光
風の神
「後巷説百物語」。「のちのこうせつひゃくものがたり」と読みます。続巷説の最後「老人火」で、又市とおぎんと別れ、旅をやめてしまった百介。読者にとっても寂しい結末でしたが、この後巷説百物語は、時代は明治、一白翁と称し隠匿生活を送る老人になった百介が若い人に自らの体験と見聞を語るという後日談的なものです。百介と又市のまだかかれていなかった事件や後日談、そして次の「京極堂シリーズ」につながる話というなんだかすごい本です。
ここでの百介は、小夜という若い娘と二人で九十九庵というところに住んでいます。小夜はおぎんの孫にあたる娘で、なぜ百介が小夜と暮らしているのかもこの本を読むうちに分かってきます。与次郎をはじめとする若者達が明治の世に起こった怪事についての知恵を借りにやってくるのを、百介おじいさんは楽しみにしています。
「後巷説」は少し寂しさを感じます。
又市のような影で暮らすものがいて、妖怪がたとえいないとはいえ、「機能」していた江戸時代。それが維新後急速に文化が変化し、妖怪という存在が必要ではない時代になってしまった。80を超えてしまった百介は、大好きな怪異譚が必要でなくなってきていることを実感し、若いころの又市との体験を何度も思い出しては寂しく思います。何十年たっても百介の耳には ーりんー という鈴の音が時折聞こえてくるのです。なんともその寂しさにホロリと来そうになります。
すこし怖くて、とても切なくて面白い一冊。
最後の「前巷説百物語(さきの)」が文庫化されるのを心待ちにしておきます。(又市と百介がであう前の話だそうです)
「姑獲鳥の夏」
分冊文庫版 姑獲鳥の夏 下
とうとう足を踏み入れてしまいました。京極夏彦さんの「京極堂シリーズ」。
去年の夏あたりに、「巷説百物語」に嵌っていたのですが、他作品紹介で、多分こちらのシリーズも嵌るだろうなぁと薄々感じていました。作品数もそこそこあって、レンガのように分厚いこのシリーズ。森博嗣さんのシリーズも嵌りこんで読み進めていることを考えると、こんなにダークなものばかり読んでいていいのか自分…という問いかけがあったので、とりあえず読まないでおいたのですが…。
終戦直後の昭和の東京。
物書きをしている関口は、とある病院でたっている噂について耳にし、友人で古本屋を営む京極堂(中尊寺)に話をします。その久遠寺という病院では、赤ちゃんが消える、主人である医者が失踪しているらしい。そして、最も奇怪な噂が、その妻が20ヶ月ものあいだ子どもを孕んだままの状態でいるともののでした。
失踪している医師が二人の旧友であることがわかり、どうしても調べたいという関口に、京極堂は探偵の榎木津に相談するように言います。
奇遇なことに、榎木津の元に、久遠寺の娘・涼子が相談に訪れます。妹・梗子の失踪した夫がどうしているのか知りたいというもの。梗子はショックからか寝たきりになり、噂どおり、20ヶ月も孕んだままだといいます。関口、榎木津、京極堂の妹・敦子の3人は病院を訪れることになります。
関口の頭から消えた過去の記憶と、久遠寺姉妹との関係、失踪した藤牧の生殖に関する研究、久遠寺の忌まわしい家系、赤子失踪…となにやら色々なものが錯綜し、わけの分からなくなったところ、陰陽師である京極堂が「憑き物落とし」をするに至るというのが話の流れです。
「姑獲鳥」(ウブメ)とは、出産で命を落とした女性の無念を形骸化したものであると作中では説明されています。赤ちゃんを抱いて、恐ろしいことをする妖怪かと思っていましたが、厳密には違うようです。表紙にも、栞にもおどろおどろしいウブメが描かれ、文の冒頭のウブメの古典からの説明がされていますが、作中に妖怪が出てきて、妖怪が事件を起こすような話ではありません。
子どもを産むということ、産んだ子どもと引き裂かれた女の無念が恐ろしい事件になった…とすれば、ここで姑獲鳥が引き出されたことはおかしくないと思います。
探偵役の京極堂が陰陽師とはいえ、本当に呪術を使って事件を解決するのではなく、そういう知識をもって巧みに語ることで真相を皆に知らしめるという感じです。
なぜかほとんどお見通しなのには、突っ込まない、突っ込まない。下巻になるまで事件の現場に京極堂は現れないので、早く出てきて解決してくれという一心で読むので、その辺は気になりません。
冒頭、心理学や宗教・科学、民俗学的な問答が70ページ近く続いたりして、苦手な人は苦手だと思います。私は、妖怪という存在が人間の心の処理の結果のひとつの形だったというようなくだりなどに、なるほどーと唸ってしまったのですが。事件の真相も予想外の展開でとても面白かったのですが、この思想的なところも面白かったです。これで初作品というところが、また驚き…。
嵌ってしまう人には、心をつかんで話さないような作品だと思うので、ぜひ読んでみてください。
「続巷説百物語」
巷説百物語に続く第2弾。第百三十回直木賞を受賞 。
御行の又市・おぎん・治平の一味と、考物の百介の暗躍。
個々は違う問題を追っているようでも、全てつながっているという、深い構造の話になっています。
前章に出てきた人が出てきたり、諸悪の根源に当たり者が現れたり。
おぎんの過去や、もっと深くかかわってくる小悪党も登場して、いろいろな裏話が出てきます。
仕掛けもダイナミック。
前作の事件のすぐあとに起こる事件などもあって、時系列をたどるのもおもしろそう。
最後のほうは、6年の空白を飛んで、その後の話、結末が書かれています。
百介が、日のあたる世界と、影の世界のどっちつかずの立場から、ようやく離れる決心をつけます。
6年間に何があったかは、詳しく書かれていないので、かなり気になります(^^;)
なんだか寂しくなる結末です。
(後巷説〜もあるらしいので、そこで少しはわかるかなぁ?百介が語る昔話らしい)
ただ、760ページ近くあるので、時間がある時に読みましょう!
新幹線の中で読み始め、気になって、鹿児島ついてからも読んでたくらい。
わくわくします。
気になって寝られないって・・・。はまります。
「嗤う伊右衛門」
どぅも。京極ワールドにどっぷりつかり始めている4040です。
まだ2作しか読んでいませんが、とりあえず、御行又市さんがでてくるシリーズは
この夏読破しようと目論んでおります。
この嗤う伊右衛門は四谷怪談の俗に言う「お岩さん」のお話。
四谷怪談読んだことないのでよく知りません。
お岩さんは、夫の伊右衛門をものすごく愛していたけれど、伊右衛門はお岩さんにひどい仕打ちばかり。
結局お岩さんは殺され、伊右衛門への恨みをもって祟るということだそうです。
しかし、この話の「岩」も「伊右衛門」も全く違った視点で書かれています。
「岩」は、美しかった顔が疱瘡でただれ、醜い容姿。
しかし、見かけを気にしたりせず、いつも凛としている正しい女性として描かれています。
「伊右衛門」は、寡黙で、真面目な浪人。
小股潜りの又市の計らいで、伊右衛門は岩のいる民谷家に婿入りしますが・・・。
伊藤喜兵衛の極悪非道さ、妹を自殺でなくした直助の復讐、喜兵衛に人生をめちゃくちゃにされたお梅。
いろいろな人の思惑や憎しみ、企みのなかに巻き込まれて、岩と伊右衛門はすれ違っていきます。
どこでよじれてしまったか分からないくらい、心と関係はめちゃくちゃに。
最後まで読んで、そういうことだったのか・・・と。
伊右衛門の幸せを願って潔く身を引いたお岩さん。全然伊右衛門を愛しているそぶりを出さない不器用な人です。
しかし、伊右衛門の現状と、自分の行動が無駄だったことを知り、
「伊右衛門様は何故幸せにならぬ」と狂乱して走り出すところはとても悲しいものがありました。
(鬼女と化した岩と伊右衛門が再会したとき、何があったのかが気になります。)
恐ろしいシーンもありますが、これは「怪談」じゃないですね。
悲恋というか、純愛(!?)というか・・・。
なんでうまくいかないんだろうと、悲しくなりました。
切なくて、ものすごく奥深い話でした。
映画にもなっていますね。
岩が小雪で、伊右衛門が唐沢寿明。
しばらくして「伊右衛門茶」が出て、混乱した覚えがあります(笑)
ちなみに、私が買った本の表紙は、写真のものではありません。女の人が達磨抱いているやつです。
時間をちょっとづつ埋めるために買ったのに、読書のために時間を使う感じになってしまいました。(夜中3時まで一気に読んでいました)。
続巷説と後巷説はバカみたいに分厚いので、(睡眠時間)覚悟しなくてはいけません。
姑獲鳥の夏の「京極堂シリーズ」も読みたいー・・・。
脱ミステリーはまだまだ先のようで。
♪BGM♪ L'Arc〜en〜Ciel 抒情詩
「巷説百物語」
ミステリー大好きなのに、実は読んだことなかった京極作品。
夏の100冊にもあるということで読んでみました。
500ページもあって読み応え抜群!(といっても一日で読了・・・。)
小豆洗いに柳女・・・・。
「百物語」ということで、妖怪の話かと思いきや違いました。
(そいや、私は小学校のとき妖怪大辞典という怪しい本をよんでおりました;;;)
妖怪の仕業に見せかけて、人間の問題を、裏で公にせずに解決していくという、まさに「必殺仕事人」のような小説でした。
御行乞食・小股潜りの又市、山猫廻しのおぎん、事触れの治平という小悪党一味と、考物(作家)の百助が、悪事を闇に葬っていきます。
妖怪が最初から存在のではなく、人がそう思うから存在する。
どの話も人間の悲しい一面、ゆがんだ一面が描かれていました。
だから、すべてが丸く、ハッピーエンドに終わるわけではありませんでした。
なんだか、夢枕獏の「陰陽師」に書かれてることと、本質は一緒かなと感じました。
時代物のミステリーっていいですね。
平安時代の「陰陽師」、江戸時代の京極夏彦と宮部みゆきの作品。
どれもツボにはまっています。
現代のミステリーもおもしろいけど、時代モノのほうが人間のいいところ・わるいところがストレートに伝わってくる感じがします。
今度は又市が出てくるシリーズの「続巷説百物語」「嗤う伊右衛門」をよみたいですね。
後巷説のほうが有名でおもしろそうだし。
あと、「姑獲鳥の夏」!こちらは映画で公開されるそうですが、京極堂という人が事件を解決していく話ということですごく気になります。
・・・・。でもこんなのばっかりで、本棚がなんだかダークになっていきそうです・・・。
なにかもっと別のジャンルのよい話教えてください。
♪BGM♪ 矢井田瞳 孤独なカウボーイ












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