* bookmarker's bookshelf *

☆4040の本棚☆ 文庫とミステリに偏っている私的な読んだ本のおぼえ書きです。

「もえない―Incombustibles」


森 博嗣
Amazonランキング:60698位
Amazonおすすめ度:



 森博嗣さんのミステリ小説。
 ちなみに表紙は鈴木成一デザイン室のもの。

 高校生の淵田は、亡くなった同級生の杉山の父から、彼が持っていたという金属プレートを渡される。プレートには、なぜか淵田の名前が刻まれていた。さほど仲がよかったわけでもない杉山からの謎の遺品に戸惑う淵田は、以前、杉山から手紙を渡されたことを思い出す。
 手紙には「友人の姫野に、山岸小夜子という女に関わらないように伝えて欲しい」と書かれている。姫野は山岸とつきあっていたがすぐに別れており、二人は首をかしげる。そして、調べると山岸も亡くなってしまっているらしい。
 そんな中、姫野のガールフレンドの飛山と会うが、彼女は淵田と小学校で同じクラスだったという。しかし淵田はそれを覚えていなかった。なにか自分には欠落している記憶があるのではないかと彼は疑い始める。
 何故か気になって手繰り始めた杉山の交友関係と、淵田の過去の記憶とがクロスしたときに分かった真相は・・・という話だ。

 1行1行を改行して描かれる、記憶を極限まで辿ったり、犯人と攻防するシーンがこの作品にも登場する。登場するのが普通の高校生なので若々しいけれど(大金持ちや天才などは出てこない)、「カクレカラクリ」よりはかなり静かで落ち着いている作品だったと思う。

 森博嗣さんの小説では、記号論のようなテーマが語られることがある。
名前は人間が認識するためにつけるものだ。認識だけではなくて、時にその名前のために働いたり、人を傷つけたりもする、結構重い存在。人が死んでしまった場合、肉体は消えてしまうけれど、残るのは名前である。もちろん名前すら消えてしまうこともあるけれど。

 「もえない」は、間違っても「萌えない」ではないことがわかってほっとしている。

「クレィドゥ・ザ・スカイ 」

「森先生、やっぱりわかりませんでした」


「スカイ・クロラ」シリーズ、第5巻「クレィドゥ・ザ・スカイ」です。

〜Cradle the Sky〜

クレイドルの意味はゆりかご。

 スカイ・クロラシリーズは全5巻+番外1巻。「スカイ・クロラ」から読み始め、「クレィドゥ・ザ・スカイ」が最終巻。しかし、時系列で並べると4番目で、最終巻が「スカイ・クロラ」になる。
 この作品の素晴らしさは、その詩的で静謐な空気と、大人とは、こどもとは、自由とは何かを問いかける深いテーマと、そしてすべて読んでも解けない謎である。

 本巻の最大の特徴は、最大の難問でもある。主人公(視点)である「僕」が誰か分からないのである。これは草薙ともとれるし、クリタともとれるし、カンナミともとれるのである。

 この「僕」は何らかの事件か事故で入院しており、自分が誰なのか、記憶が曖昧になっている。病院を抜け出し、娼婦のフーコとしばらく過ごした後、研究者の相良のもとに向かう。相良のところでかくまってもらうのであるが、彼女自身も警察に監視される立場だった。相良はキルドレを使った戦争に反対し、キルドレから普通の人間へ「僕」を戻したがっていると見られる。「僕」は自分の記憶や、空を飛ぶ空想の間をゆらりゆらりとした状態で、目的もなく逃げている。

 詩的で美しい飛行シーンは2回のみ。どちらも本来の戦闘の場ではない。「僕」は自分がどのような歴史を持った何者なのかという記号を持ち合わせていない状態だ。ただ、自分は空を飛び、踊り、誰かを打ち落とすか、自分が落ちるか、その役割としての自分しか持っていない。自分がもう飛べないかもしれないという状態の中、飛んだこの2つのシーンはまさに体が覚えているという感じで空を飛んでいる。

□キルドレ〜「大人への自己成長を拒み、子供としての自己実現を目指して破綻していく」(押井守)

 キルドレとはどんな存在か。ただ器が子どもで精神が大人というわけではない。薬によって生み出され、戦闘のために「利用」されている、そして寿命がない。作中の世界では、キルドレによる戦争をおこすことで、一般の人々に戦争の醜さを知らしめるという機能があるらしい。そう考えると、キルドレは大人の都合で利用される犠牲者である。ソマナカの科白で「ずっとずっと誇り高い勝利者なんです。犠牲者は我々大人のほうだ」とある。普通の人間の生活や幸せと格別し、一定の狭い組織の中で、死と隣りあわせで生きるというと、不自由のきわみのようであるが、彼らにとっては、普通の社会で縛られ、かといって反抗もせずねちねちと生きる大人たちのほうがよっぽど不自由なのである。空を飛ぶという役目のなかにこそ、自分達の確固たる生きる道を見つけたという点で、キルドレは大人とも、大人に左右されるか、どこにも飛び立てない子供よりも自由な存在なのかもしれない。
 映画を撮る押井守監督のあとがきを是非読んで欲しい。ぼやけていたキルドレ像がすこし浮かび上がってきた。
 
□謎
 シリーズをずっと読んできて、この作品で何かがクリアになるかと思っていたけれど甘かった。新たな謎が浮かび、そしてすべての謎を解く鍵がこの巻に集まっていると思う。でも、明確な答えがでない、そして出なくてもいいと思わせるのが森さんの作品の魅力でもある。ただ自分に読解力がないだけなのかもしれない。とても気になるけれど・・・。

 私が持った印象は、草薙とクリタ、そしてカンナミは同一人物なのではないかということ。「四季」みたいな多重人格というか、長く生きるキルドレであるため昔の記憶は処理されるか、組織の力で新たな人格を植えつけられるかしたんじゃないかと思ったのだ。この本の「僕」にも、エピローグのカンナミの心にも、草薙のコードネームを呼ぶ、「ブーメラン飛んでいるか?」の声が聞こえてくるし、「スカイ・クロラ」の三ツ矢の「クリタが死んでカンナミになった」という発言も気になる。
 しかし、草薙とクリタ、草薙とカンナミはそれぞれ別の人物として出会っているのである。矛盾だらけである。どこかで人格を統合されてしまったとか都合のよい話でもあるまい。文章のどこかで「僕」の視点が変わっているんだろうけれど、何処で変わっていても、3人のうちの誰かに思えてはっきりしない。

 謎を挙げれば枚挙にいとまがない。
普通のミステリなら、詳細まで判明するところだけど、他の「森ミステリ」ですら同期など謎が明かされないまま終わるくらいだから、この神秘的な作品は謎をふくんだままでも仕方がないのかもしれない。
4040の頭ではもう追いつかないので、謎解きは他のサイトさんを見せてもらって楽しませてもらおう。

 魂から空を舞うことを愛し、飛び続けたいと願っていた草薙。しかし、「スカイ・クロラ」では、人生を見失い、疲れ果てた姿に見える。代わりに登場したカンナミは、他の3巻で草薙がそうだったように空に恋焦がれ、美しく飛んでいる。どんな形かはわからないけれど、この2人の精神はどこかで繋がっているのだと思いたい。

「ゾラ・一撃・さようなら」


森 博嗣
Amazonランキング:81630位
Amazonおすすめ度:



 森博嗣さん2007年発刊の1冊。シリーズモノではなく書き下ろし作品。

探偵の頸城悦夫は、友人の法輪洋樹から、クライアントを紹介される。クライアントは志木真智子というフランス在住の女性で、母親と共に日本に来ていた。洋樹の叔父であるタレントで元知事である清治郎が持つ宝石を取り戻して欲しいというものだった。それは、母親が昔持っていたもので「天使の演習」と呼ばれる宝石という。本当に取り戻せるのか見当もつかない仕事だったが、真智子に少なからず興味を抱いた頚城は仕事を請ける。
 頚城は清治郎の自叙伝の出版という名目で清治郎の屋敷に潜入することに成功する。清治郎は、今、命を狙われているといい、実際に頚城の目の前で何者かが仕込んだ爆弾が爆発する事故も起こった。命を狙っているのは「ゾラ」と呼ばれる殺し屋らしい。「ゾラ」は噂を流した後、銃で一撃で暗殺するという。
 頚城はゾラの問題と、宝石を取り戻そうとする志木母娘の計画の両方を調査することになった。

 帯に「新感覚ハードボイルド」とあるけれど、結構ソフト。ハードボイルドというと、バーボンがにあい、銃や苦境にめっぽう強い、渋い無口な男や、国家・世界をまたにかける組織VSマフィアというような臭いイメージがある。分かりやすく言えばゴルゴ31!定義が分からないのでなんともいえないけれど、ハードボイルドではなかったと思う。スリリングでロマンスがあるあたりがハードボイルドだったのかもしれない。

 タイトルがいい。一見意味は分からないけれど、ぴったりではある。森さんの小説のタイトルはリズムがあるから好きだ。 

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「フラッタ・リンツ・ライフ」



「スカイ・クロラ」シリーズ第4巻「フラッタ・リンツ・ライフ」です。

"Flutter into Life"

いつも英語はちょっと違った音のカタカナで表現されていて面白いですね。

人生の中に飛ぶ・・・うーん、語彙も表現力もない自分がふがいない。


 この作品は、「栗田仁朗」の視点で描かれている。

 栗田はダレかは「スカイ・クロラ」を読めばチラリと出てくるので分かる。非常に気になる人物だ。栗田も、もちろん戦闘機乗りで、草薙水素大尉のチームの一員である。
 草薙水素とキルドレの真相にぐっと迫る、一作。(裏表紙の本の紹介とはちょっと印象が違う内容。草薙の元で飛び、恋人と風俗嬢フーコに会う空虚な日々・・みたいな印象を受けたので)少し真相が分かると、その分謎が増えていく。それがあと1作で本当にわかるんだろうか?あと1作で「スカイクロラ」にどう繋がるのかもとても気になる。

 いまは、真相が知りたくて読み進めている感じだけど、全巻読んだら、最初からゆっくり読んでみたい。多分、感想は表現できないと思う。難しい・・。

フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life

鈴木成一デザイン室 デザインの上製本版。
透明フィルムで巻いてありますが、これは「帯」らしいです。

「λに歯がない」

「Gシリーズ」第5弾。研究所の一室で、関係のない4人組が殺害されていた。「λに歯がない」と書かれたメモがおかれていた。


森 博嗣
Amazonランキング:60505位
Amazonおすすめ度:



 Gシリーズ第5弾の「λに歯がない」(ラムダに歯がない)です。今回は研究所・密室です。

 建築関連の研究所の一室で、4人が銃殺体で発見された。ポケットには「λに歯がない」の謎のメモが残されており、遺体はすべて歯が抜かれていた。最新の建物の一室から、犯人はどうやって脱出したのか、被害者は誰なのか、謎は深まるばかり。そして、一連のギリシャ文字の事件と何か関係はあるのか?

 だんだん話が、事件自体の難しさや、ダイナミックさというおもしろさから離れてきたように感じる。Gシリーズは、小さい事件の連続で、一連のシリーズの結末への伏線のために存在しているようだ。
 西之園萌絵は、この一連の事件で集団で自殺をする人々がいると知った。両親が飛行機事故で亡くなったとき、どうして自分が死ななかったのか。それについて考えるようになり、封じ込めてきた当時の記憶に向き合う―そんな場面が登場する。
 また、探偵の赤柳初朗は、どうやら保呂草やその周辺と想われる人物と連絡をとりあっている。一体彼らが何を目指して行動しているのかも気になるところ。

 引退宣言をしている森博嗣さんの話によると、Gシリーズは全部で12作になる見通し。それに、Xシリーズが5作ほど加わる形で、どんな結末を描こうとしているのか楽しみ。

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「ダウン・ツ・ヘヴン」


森 博嗣 / 中央公論新社(2006/11)
Amazonランキング:3285位
Amazonおすすめ度:



「スカイ・クロラ」シリーズ第3巻「ダウン・ツ・ヘヴン」です。

「Down to Heaven」―天に墜ちる?

 この間は、「ナ・バテア」の続きで草薙の視点です。
戦闘中に怪我をして入院させられた草薙。一刻も早く、再び空を飛びたいと願う彼女だったが、彼女を取り巻く状況がそうさせてくれない。レベルの高い戦闘機乗りである彼女は、上官になることを望まれ、また、「会社」の広告塔として動くことを余儀なくされる。初級パイロットへの研修や、記者会見、パフォーマンスとしての戦闘―。

 キルドレとして生まれ、永遠に続く生を、空を飛び、死と日々向き合って暮らす草薙。その一番愛する空を飛ぶという自由な世界を、大人や社会というものから奪われようとする危機が訪れる。 いつも観念的な世界だったこの本に、少し周囲の世界が入り込んでくる。
この世界の「地上」では、戦闘は一般人に向けての、なんらかのパフォーマンスらしい。会社と会社や、政府が絡んで大人たちが利害で争っているようだ。印象としては、平和の大切さを知らしめるための戦争なのかもしれない。大人たちは戦闘で人が死ぬことを非難する傍らで、戦争を推し進めている。その真っ只中で、ただ空を愛し、死んでいくのがキルドレなのかもしれない。

 この間でもちょこちょこつながりがみれます。前号に出てきた人との再会や、おそらく重要になってくる「彼」がココで登場します。あと2巻が気になります。

ダウン・ツ・ヘヴン―Down to Heaven

ハードカバー(鈴木成一デザイン室)

「ナ・バ・テア」


森 博嗣 / 中央公論新社(2005/11)
Amazonランキング:2753位
Amazonおすすめ度:



「スカイ・クロラ」シリーズの2巻目の「ナ・バ・テア」です。

 「none but air」、つまり「空気しかない」ということでしょうか。

 このシリーズは、1作目「スカイ・クロラ」がシリーズの中で一番最後になるもので、2作目からは過去に何があったのか探っていく形になる。それでなくとも、設定が現代社会ではないにもかかわらず、余計な説明が一切ないため、設定やことの真相をより知りたくなってしまう。秘密めいた作品だ。結末を最初に与えられしまうと、その結末に向けて、主人公がどういう道を辿っていくのかとても気になる。最初に読んだラストに繋がる内容を拾っていきながら読むのはとても楽しい。でも、森博嗣さんの作品だから詳しい真相なんて結局分からないまま終わってしまうんだろうなと思う。もちろん、時系列に順番にこの2作目の「ナ・バテア」から読むのも悪くないと思うけれど、どっちがよかったかはもう試すことはできない。
 また、そういう内容もいいけれど、シンプルで研ぎ澄まされた世界観がこの作品の好きなところ。

 あらすじはみなまで書いてもおもしろくないので、適当に。

 主人公の「僕」は、永遠を生きる子ども“キルドレ”で、飛行機に乗り飛ぶためにだけ生きていると思っている。新しいチームに配属された僕。そのチームには尊敬されている「ティーチャ」と呼ばれる飛行士がいた。僕は彼と一緒に飛べることになった。
 この主人公の「僕」は徐々に女性であること、そして、1巻目で登場した草薙水素であることが分かってくる。この「ナ・バテア」は草薙が飛行士として飛んでいたころ、それも若くて頭角を現し始めるころの話だ。


↑鈴木成一デザイン室による装丁<ハードカバー>

 

「スカイ・クロラ」

僕は永遠に大人にならない「キルドレ」。戦闘機に乗り、たまに人を殺す。それをただただ繰り返す毎日―


森 博嗣 / 中央公論新社(2004/10)
Amazonランキング:3858位
Amazonおすすめ度:



「僕はまだ子供で、ときどき、右手が人を殺す。

 その代わり、誰かの右手が、僕を殺してくれるだろう。」


 この話は感想を書くのが難しいので、まずどんな本かだけ紹介します。
森博嗣さんの「スカイクロラ」シリーズの第一巻であり、完結編です。
後の4巻のほうが話の順番では先に来るらしいです。
 どこかそう遠くない未来の戦争で、淡々と空を飛び、人を殺している僕。僕はずっと大人になることがない「キルドレ」という特別な存在だという。なぜ生きるのか、キルドレとは何か、そしてもう一人のキルドレ・草薙水素との関係を描いた作品です。
 ミステリで有名な森博嗣さんですが、SFというより、哲学的な雰囲気を持つこの本。表紙のデザインのように研ぎ澄まされています。飛行機の知識もさることながら、森さんの思考が他作品より色濃く出ていてその辺も面白い本です。

 どこか、そう遠くない未来の日本のような国。そこでは戦争が行われている。
 「僕」カンナミ・ユーヒチは戦闘機のパイロット。もちろん人を殺すこともある。同じパイロットがトキノを含めあと3人、整備士の笹倉、そして上官の草薙水素が同じ職場だ。出撃し、ソロを飛び、偵察し、時には人を殺す。ただただ淡々とそれが繰り返される日常。
 

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「εに誓って」

「Gシリーズ」第4弾。山吹と加部谷が乗ったバスがバスジャックされた。バスには「ε(イプシロン)」というネットを介して集まった団体が乗っていて・・・。


森 博嗣 / 講談社(2006/05/10)
Amazonランキング:47839位
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 Gシリーズ第四弾は「バスジャック」です。ミステリという感じではありませんが、文章に騙されることができておもしろかったです。

 山吹と加部谷は東京発中部国際空港行きの夜行バスに乗り込んだ。二人とも遅れそうだったが、バスの遅延でなんとか乗り込めたのだ。(ちなみに加部谷は一人で?TDLへ、山吹はアキバまで姉のために同人誌を買いにきたという設定(笑))。
 バスが走り出してしばらくして、男が立ち上がった。「どうか冷静なご判断をよろしくおねがいいたします。実はこのバスは、私が乗っ取らせていただきました。」
 妙に丁寧な口調で話す犯人は、バスと都内に爆弾を設置した、むやみに危害は加えないが、不審な動きがあれば射殺すると告げる。バスの発車前に、バスの運転手が殺されており、第一発見者の同僚が無断でバスを代行運転しているということも判明。山吹と加部谷は、携帯で西之園萌絵や赤柳、海月と連絡をとりあいながら、バスの様子を見守るしかなかった。
 萌絵は二人を非常に心配するが、警察に少し詳しい状況を聞く以外、何もすることができない。警察は事前にこのテロ行為を察知していたのか、爆弾の処理を始めているという。そして、バスには「ε(イプシロン)」という団体が乗っていることが分かる。彼らは「θ」のときのようにネットでの関係で集まったものたちらしい。
 ほかにバスの乗客として、柴田久美、矢野繁良、榛沢通雄、倉持晴香、大泉芳郎という人々が登場するが、誰もが一様にこのバスに乗ったら最後、という気持ちを抱いている。イプシロンは集団自殺のサイトなのかもしれないことが読み取れる。
 警察は、イプシロンが真賀田四季と関わっていると見ており、四季のことをよく知る犀川のもとに公安の刑事が話を聴きに来る。特に突っ込んだ話はなかったが、犀川は四季が指示してこんな馬鹿なことはやらせることはなく、もし関連しているのならただ放任しているだけだろうと述べる。
 この爆弾テロとイプシロンにはどのような関係が・・・と思わせるのがこの作品の罠である。


  
 途中バスが爆発してしまったり、逃げ出した二人の男女が山吹たちではなかったり、ハラハラさせる場面もあり。最後は文章の構成に騙されてしまった・・・ということになる。
 そして、またもやギリシャ文字の登場。(イプシロンと読むのか・・・。)
「四季と関係があるらしい」ということ以上は分からない。集団自殺のサイト?と四季に一体どのような関係があるのかは謎のまま。
 次にも期待しましょう。

「τになるまで待って 」

「Gシリーズ」第3弾。森林の中にある「伽羅離館」で超能力者が殺される殺人事件が起こった・・・。

森 博嗣 / 講談社(2005/09/06)
Amazonランキング:74109位
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 Gシリーズ第3弾、「τ(タウ)になるまで待って」です。

 この作品は館モノの密室殺人。

 山吹早月と加部谷恵美、海月及介の3人は、探偵赤柳初朗によるバイトで、愛知県の山奥にある「伽羅離館」を訪れる。そこにある文献の調査を手伝うのだ。
 館には館の主である神居静哉を訪れていた新聞記者らがいた。神居は超能力者なのだという。窓が極端に少ない、その変わった館で、赤柳と3人は仕事に取り掛かる。
 晩餐の場で、加部谷は神居の「超能力」で、同じ部屋に居るのに他人には見えない「異世界」に行くということを体験する。これはマジックなのか、それとも本当に超能力なのか?
 その晩、神居が自室で殺害されているのが発見される。部屋のドアは中から閂で閉ざされ、窓も小さな鉄格子しかなかった。つまり密室殺人だったのである。そのうえ、館の入り口2箇所は何者かによって閉ざされ、中に居る7人は外に出られなくなってしまっていた。そして、被害者と、その使用人二人が直前までに聞いていたのは、「τになるまで待って」というラジオドラマだった。なんとかつないだ携帯で、加部谷達は西之園萌絵を通して警察に通報する。
 
 前までのシリーズに近いテイストの話です。主な話を書くとこのような普通のミステリーですが、普通に読んでしまうとおもしろくないと思います。

 まず、前までの20冊+4冊の続きである人物・話が多くて、ここから・これだけ読むのはオススメではないですね。
あと、はっきり書いてしまいますが、犯人が誰だったか分かりません(^^;)
森博嗣さんの作品では犯人が不明なまま終わることが多いのでご注意です。

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プロフィール

4040

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4040です*
最近のお気に入りは、梨木香歩さん、森博嗣さん、伊坂幸太朗さんです。
私も読んだぞという方は、これもいいぞという方は是非教えてください♪

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