「真夜中の五分前five minutes to tomorrow 」
本多 孝好 / 新潮社(2004/10/29)
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本多 孝好 / 新潮社(2004/10/29)
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これは恋愛小説です。「冷静と情熱のあいだ」のように二つの視点からの作品かと思ったけれど、A→Bという続編でした。
主人公は小さな広告代理店に勤める26歳の男性。19歳で恋人・水穂を亡くし、それ以来、きちんとした恋愛ができない。
とても冷静に物事を見つめ、淡々としている。先を読んでいるというか、諦めているというか。同僚からも、上司からも、恋人からも、あなたはどこか狂っている、どこか好きではないという印象を持たれる。
そんな僕が出会ったかすみという女性。彼女にはゆかりという一卵性双生児の姉妹がいる。入れ替わったりして騙しているうちにどちらが自分なのか区別がつかなくなってしまったという、自分というものが誰なのか迷いを持っている女性だ。
双子であるゆえに、考え方も、行動も似てくる。それは恋する人も…。自分の気持ちに迷うかすみと僕が惹かれあっていく。
これがSide−A。
Side−Bはその続きで、衝撃的な事件が起こっている。
仕事環境も変わり、「僕」は、過去の自分、過去の恋愛と向き合い、愛が何なのか、自分の気持ちを素直に受け入れていく。
仕事とか、上司その他との人間関係とか、細かいところも丁寧に書かれていて、2冊とも飽きずに読めました。
本多さんの作品は、どこがと言われたら難しいけれど、日本語が綺麗な印象があります。
読んでいるうちにとても吸い込まれて、すぐ読めてしまう不思議さがあります。
すごく静かな気持ちになれます。
あと、「僕」のような感じで、とても論理的に思考する男性がよく出てくる気がします。
気持ちよいくらいの考えの進め方で、本多さんの作品の好きなところでもあります。
命や愛といったことは、私にもさっぱり分からない問題ですが、独自の視点でとても面白かったです。
「MISSING」
「このミステリーがすごい!2000年版」第10位!第16回小説推理新人賞受賞作「眠りの海」を含む処女短編集です。
眠りの海
祈灯
蝉の証
瑠璃
彼の棲む場所
という5つの短編があります。とても言葉が綺麗で、淡々としていてよみやすいです。
全体的に希望を持てるものより、人間の心や人生の悲しい一面を映したものが多いような感じがします。
このなかでは「瑠璃」がオススメ。自由奔放でしっかりした親戚の女の子ルコにあこがれる少年。でも数年ぶりに会ったときには、ルコは少女の頃の自分とは変わってしまって、元にはには戻れないということで深い葛藤を持っていた。少年とルコのやりとりや情景が悲しいけどとても綺麗でした。
ミステリーだけどどろどろしてたり恐怖なものではない。とても心に何か残る本です。もっと本田さんの作品を読んでみたいと思います。
♪BGM♪ L'Arc-en-Ciel TIME SLIP
ALONE TOGETHER
本多 孝好 / 双葉社(2000/09)
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主人公の男の子は、他人と自分の波長を同調させることで、相手の深層心理をつむぎだしていく能力を持っており、関わった人々は、自分が本当はどんな考えを持っているのか、その意味のなさや矛盾などを暴かれていく。1つの事件の解決を導くまでに、たくさんの人の心に触れ、葛藤しつつも彼自身最後には希望を持てるようになるというお話。読まない限り説明つけにくいけど。
ミステリーらしいけど、能力もそんな過激なものではないし、事件も裏も複雑ではないからミステリーという感じはしない。ただ、人間の心について考えさせられる。主人公には、自分の持っている、信じている役割は、誰かのためではなく、結局は自分に都合のいい解釈をしているだけだ、そんなことを暴かれてしまう。でも、その事実にどこかで諦めをつけて、考えないようにしておかないと壊れてしまうんだろうな、きっと。目をそむけているから、うまく生活していけている面もあるんじゃないかと思う。逆に他人を傷つけている場合もあるけど・・。うまくいえない(´`)
彼の能力は一種の「呪い」といわれていた。呪いといっても、カルト的な呪い殺すーみたいなものではなくて、「言葉」で相手の心を暴き出していく。それが、相手を救うことではなく、虚無感、絶望などを与えてしまう結果になってしまうから「呪い」と彼は呼んだんだろう。陰陽師で名や形容、ことばは「呪」である、という清明の言葉を思い出した。
なんか内容に引き込まれるしとても読みやすい本でした。
♪BGM♪ ZIGZO 何から何まで






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