☆4040の本棚☆ 文庫とミステリに偏っている私的な読んだ本のおぼえ書きです。
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2009.09
20
(Sun)

「赤い指」 


東野 圭吾
Amazonランキング:51位
Amazonおすすめ度:



 東野圭吾さんの作品にも「刑事もの」があったんですね。この「赤い指」で7作目になるようです。機能していない家族から生み出された事件という、最近よく起こっているように見える犯罪を反映した作品になっています。
 
 サラリーマンの前原昭夫は、妻と中学生の息子と、アルツハイマーの母親と暮らしている。妻は姑を昔から敬遠しており、介護は一切せず、昭夫の妹に任せている。息子はいじめに会っており、家ではゲームばかりをし、臆病なのに不都合なことがあると暴れて手を焼き、昭夫はかかわらないようになっていた。
 ある日、その息子が小学生の女の子を殺してしまったのである。警察に届けたら昭夫を刺すとまで言って息子をかばおうとする妻におされ、家族は遺体を公園に捨て、殺人を隠すことを決意する。警察に万が一疑われた場合にと、非常に姑息な決断をする。

 刑事の松宮は、少女の殺人事件で、旧知の加賀恭一郎と組んで捜査に当たることになった。松宮は、上司から「加賀の捜査をしっかり見ておくように」といわれていた。加賀は松宮が気にしないところを気にかけており、前原という何の変哲もない一家に目をつける。

 警察の捜査を欺こうと画策し、嘘を塗り重ねていく前原家。その家族の不完全さもあわせて非常にふがいなさを感じる。加賀は、事件を隠そうとしている嘘の過ちに、犯人自身から気がついてほしいと、手をうつ。典型的な、冷え切った普通の家庭に隠された重大な悲しい事実に非常に驚かされる。

 一方で加賀と家族についても描かれている。松宮はおじであり、癌で入院している加賀の父親を見舞っている。一度も見舞いに訪れない加賀に反発を覚えている。この加賀の行動にも秘密が隠されている。

 そんなに長くない話なのですが、しっかりとした内容になっています。アリバイ崩しとはまたちがう、面白さがありました。

 
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2009.04
29
(Wed)

「名探偵の掟」 

 「本格推理小説」を推理小説家自ら一刀両断、皮肉にも笑い飛ばす、痛快な1冊。

東野 圭吾
Amazonランキング:336位
Amazonおすすめ度:



 自称・頭脳明晰・博学多才・行動力抜群の名探偵、天下一大五郎と、某県警捜査一課警部の大河原番三の二人が次々に起こる「難事件」を解決していくミステリー。・・・という形で「本格推理小説」とは何かを追求していく短編集。非常に楽しい1冊です。

 アガサクリスティやクイーン、日本では松本清張に江戸川乱歩に始まり、西村京太郎・・・さまざまな「本格推理小説」が無数に存在します。
 本格推理小説「天下一シリーズ」の大河原も、天下一も本格推理小説「天下一シリーズ」の登場人物であることを自覚しており、時に触れては、こういう小説の定説にぼやきをいれてきます。話の冒頭から、大河原が自分は天下一の引き立て役であり、事件の真相はわかっているが知らない振りをして、わざと的外れな捜査をし、探偵を持ち上げるのは大変だなどと嘯いたりします。そして、「あなた、本当に密室事件なんて面白いんですかい」などと、本格推理小説のへんてこなパターンや設定を嘆きます。 それは下の目次を見てもらえば分かるように、事件の舞台や登場人物の関係が不自然さや、殺害方法・解決方法のまわりくどさへの疑問ばかり。どれも「確かに」とうなずいてしまうものばかりです。そして、探偵小説が用意できる意外性には何があるのかとことん突き詰めていくラストが用意されています。

  一つ一つの短編で、お決まりの事件が起こるわけですが、事件の解決よりも、その変な世界に突っ込みを入れることがメインなので登場人物の名前や、途中の細かい部分が面白いほど投げやりです。ただ、事件の真相は通常想定するような結果ではなく、ものすごく変な点をついてくるから驚きがあります。

 
プロローグ
第一章 密室宣言-トリックの王様
第二章 意外な犯人-フーダニット
第三章 屋敷を孤立させる理由(わけ)-閉ざされた空間 
第四章 最後の一言-ダイイングメッセージ
第五章 アリバイ宣言-時刻表トリック
第六章 『花のOL湯けむり温泉殺人事件』論-二時間ドラマ
第七章 切断の理由-バラバラ死体
第八章 トリックの正体-???
第九章 殺すなら今-童謡殺人
第十章 アンフェアの見本-ミステリのルール
第十一章 禁句-首なし死体
第十二章 凶器の話-殺人手段
エピローグ
最後の選択--名探偵のその後

 
 
 「毒笑小説」のシリーズに似た、東野さんの笑いの部分と、ミステリー作家としての思いが詰まった1冊。ミステリー好きの方は読んでみてはいかがでしょうか?

 ちなみに、ドラマ化されていると帯に書かれていたので、見てみました。やっぱり映像化はきついみたいですね。推理小説のセオリーにつっこみを入れる場面への流れが不自然だし、小説を読みながらこそ実感できる掟が多いのでドラマとしては少し微妙でした。
2009.02
01
(Sun)

「ダイイング・アイ」 


東野 圭吾
Amazonランキング:7065位
Amazonおすすめ度:



 バーテンの雨村は、何者かに頭を殴られてしまう。犯人は、雨村が1年前に起こした交通事故で死亡した女性の夫で、警察が発見したときにはすでに自殺していた。ここで、雨村は交通事故の記憶が飛んでいることに気がつく。裁判のことは覚えていても、事故の瞬間の記憶が曖昧なのだ。恋人や、元雇い主に事故のことを聞いても、誰もが忘れろと諭すばかりで、何か隠された真実があるらしい。
 しかし、事件は単に雨村が事故の記憶をなくしたところに、被害者の遺族が復讐にきたとか、周囲が雨村を落としいれようと何らかの細工をしていたという内容ではなかった。
 客として謎めいた女性が現れる。彼女は、雨村としきりに性的関係を結ぶようになるが、雨村の記憶の靄が一つぬぐわれたとき、彼女が交通事故の被害女性と同じ顔であることが判明するのである。
 冒頭では、女性が交通事故にあい、死に行く瞬間の、思考、身体がつぶされていく様子、そして、最後の視覚情報が克明に描かれており、非常に気味が悪い。のちに、この女性と考えられる女性が現れるという設定になっており、当初予想したよりも複雑な構造になっていることに驚く作品である。

 交通事故や殺人などによる突然の死について、悲しみ、怒り、起こりうる不利益、欺き、後悔云々は、被害者遺族、加害者といった、死んでしまった被害者の外で起こる問題である。この作品は、死んでしまった当人の最期の情念を描こうとしている。少々ホラーテイストになっているのはそのためかもしれない。
2008.09
05
(Fri)

「容疑者Xの献身」 

愛する女性のために容疑者になった男の純愛!



 直木賞受賞作の「容疑者xの献身」が文庫になったので早速購入しました。受賞字は知らなかったけれど、「ガリレオ」シリーズの3冊目にあたり、初の長編となっているもの。

  高校で数学を教えている石神は、密かに好意を抱いている隣人の花岡靖子が、母娘で前夫である富樫を自宅で殺害してしまったことを知る。自首しようとしていた靖子に、石神は自分に任せれば大丈夫と、犯行を隠す手立てを考えるのだ。
 石神は、花岡にはなにも伝えず、秘密裏に死体を処理。花岡母娘には、アリバイを作る行動を実行させ、警察に聞かれた場合の受け答えや、周囲への根回しを巧妙に指示していく。
 警察は、花岡を疑うが、確実に立証もできないが、否定もできないアリバイを潰すことができない。
 しかし、石神に強敵が現れる。物理学者の湯川学である。湯川と石神は、大学の同級生で、数学者として天才であった石神とはよきライバルであり友人だった。嬉しい再会を果たした二人であるが、しだいに湯川は悲しい事実に気がついてしまうのである。罪を犯した友人。その友人の思いは分かるが、みすみす真実を誰も知らずに終わるのが悔しい。その葛藤の末に湯川はどうするのか。

 石神の花岡を思うあまりにとる、あまりにも巧妙で壮絶な行動が目を見張る。崩せないアリバイを作り上げたところもすごいが、花岡を逮捕させないために究極の切り札を用意していた石神。そこまでして、片思いの相手につくせるものなのか。まさに容疑者の献身!という作品だった。

 
 短編のガリレオシリーズは、トリック重視だったけれど、こっちは心理的なものも、犯罪を犯罪で隠していくトリックも文句なしで面白い。犯行の日付に全く着目せず読んでいただけに、最後の仕掛けが分かったときはなんと!!と驚きました。
 シリーズだけど、コレだけ読んでも充分楽しめる1冊。ぜひ読んでみてください。
2008.08
23
(Sat)

「夜明けの街で」 

 不倫はやっても、離婚しちゃぁいけないよ。痛い目にあうよという警鐘をあなたに・・。

東野 圭吾
Amazonランキング:2421位
Amazonおすすめ度:



 実家に帰ると、棚に東野圭吾さんの本が溢れていた。読書が苦手な人ものめりこめる凄い人だ。未読の本がたくさんあったが、「幻夜」など時間がかかりそうなものが多かったため、すぐに読めそうな「夜明けの街で」を手にとった。
 この本は不倫の話である。不倫の話はいろんな作家が書いており、特に女性作家の書く恋愛小説といえば不倫なんじゃないかってくらい不倫の話が出てくるのは気のせいだろうか?
 東野圭吾さんが書くと不倫はどう描かれるのか、興味は引かれる。

 サラリーマンの渡辺は妻と幼稚園の娘を持つ男で、不倫などをやる奴は馬鹿だと思っていた。が、派遣で入ってきた、少し気の強い秋葉に惹かれてしまい、気づいたときには「不倫の関係」になっていた。渡辺は、毎週木曜日の逢瀬や、土日・クリスマスなどの記念日に会うための口実を友人の手をかりながら苦心して作っていく。「
 友人の新谷が不倫はしても離婚はやめろと諭していたが、渡辺の心は、女ではなく「娘の母親」でしかない妻より、秋葉と一緒にいたいと強く思うようになる。
 ところが、秋葉にとある疑惑があることが分かる。秋葉が学生の頃に母親が自殺しており、そのあとに秋葉の家で父親の秘書で不倫相手だったといわれる女が刺殺されたという。しかも、時効を迎える今年、秋葉が容疑者とまだ疑ってかかる者もいることがわかる。時効の日を迎えればすべて真実が分かるという秋葉。結婚を迫ってきている秋葉であるが、殺人犯かもしれない秋葉を渡辺は選ぶことができるのか、ゆれまくる。そんな話だ。

 このように、不倫相手が殺人犯かもしれないという、あっさりしたミステリの要素を入れて、男性の視点で不倫を描いている。
 不倫をする。最初は体の関係だけで、お互いに割り切ればいい。妻にばれなければいい。それが、気がつけば不倫相手のほうに傾いている。なぜなら妻は、恋人ではなく、娘を持った母親であり、ときめく部分がないのだ。「家庭を大切にして、私は大丈夫・・・」という女性も、気を許すと、結婚を迫ってくる。不倫を続けても、やめても地獄である。特に男性に関しては、慰謝料などの経済的な打撃も避けられない。いつまでも恋愛する気持ちを忘れないのは、なかなかロマンがあるかもしれないが、現実的にはなんとも恐ろしい行為なのだよ、と「番外編 新谷君の話」も含めて伝わってくる。それにしても女というのは恐ろしい。

 この前に読んだ「イニシエーション・ラブ」も、女が強かで、最後にミステリ的などんでん返しがあるという話だったな・・・。
2008.05
25
(Sun)

この作品は、「ラブストーリー」というライトなタイトルがついているけれど、非常に不可解で、そして怖くて、悲しい話だ。主人公達は「脳」「記憶」を研究している。フィクションとはいえ、専門的な理系用語が並ぶが、根底には恋情、嫉妬、友情などの人間臭い感情がある。そしてミステリーは「殺人事件だけじゃない」と改めて感じさせられる作品だ。


序章、主人公の敦賀崇史は、親友の三輪智彦からはじめて恋人を紹介される。二人は中学からの親友で、今はコンピューター大手のバイテック社に入社し、二人とも2年間MACという専門学校で研究をしている優秀な若者である。親友にようやく恋人ができたことを素直に祝福する崇史であったが、その女性が、電車で気になっていた女性だったことが分かり、驚くほどの嫉妬の念に襲われてしまう。

本章に入ると、読者はとまどうことになる。三輪と交際しているはずの麻由子と崇史が同棲しているのである。MACを出て、バイテックで正式に働き出したところを見ると1年後のようだ。これだけならば、1年の間に何らかの事件で三輪から麻由子を奪ったのだと予想されるけれど、そうではない雰囲気が漂う。崇史は「三輪」という存在をなぜか忘れていたのである。それに気がついた崇史は、次々と記憶に違和感を感じ始める。

一方「SCENE」で始まる項は、MACに通い、三輪と麻由子が交際する序章の続きのようである。二人の仲に崇史は、日に日に高まる嫉妬に悶絶する。ダメだと思いながらも、三輪に嫉妬し、麻由子に近づきたいという気持ちは抑えきれない。この、3人の日々や、脳に関する研究をする場面が描かれている。脳の研究では三輪は「記憶を差し替える」研究を進めているようだ。

 そしてもう片方の、「1年後」の崇史は、この読者が直前に読んだ3人のエピソードの断片を思い出して困惑する。それは麻由子と自分が交際していたのではなく三輪と麻由子が交際していたような情景なのだ。
 本当は麻由子と三輪が交際していたのか?それならなぜ今麻由子と自分が?三輪はどうなったんだ・・・?

 この二つのシーンが、SFのような並行した世界なのか、どちらかが夢なのか、1年の間に何かが起こった過去と未来の話なのか。読者にはどういう展開が起こるのか、どんな真相があるのか大きな謎として襲ってきて引き込まれるのだ。

 当然、この真相には「脳の研究」が関わってくる。真相にだんだん近づく崇史と、それを拒もうとする見えない何か。それがなんだか分からないから、うっすら恐怖を感じる。
 そして、最後は3人の恋愛感情のすれちがいの果てに起こった、悲劇的な真相が分かるのである。

 東野圭吾さんはすごいと思う。「ガリレオ」シリーズなどの推理小説もあれば、「白夜行」などの本格長編ミステリもあり、「手紙」のような感動作品もあり、「怪笑小説」のようなお笑い小説もあり・・・。『THE推理小説』もかけるし、人間のエゴやぐちゃぐちゃしたところまで表現したミステリや、そうでない作品まで書いてしまう。
 まだまだ読んでいない作品ばかりだけれど、すでに色々なテイストの作品を読んだような気がする。ここまでライトに読めるのに面白い作品ばかり書く人もすごい。

2008.04
29
(Tue)

「黒笑小説」 

 エゴ丸出しの人間の滑稽さが満載!


東野 圭吾
Amazonランキング:817位
Amazonおすすめ度:



「もうひとつの助走」★
「線香花火」★
「過去の人」★
「選考会」★
「巨乳妄想症候群」
「インポグラ」
「みえすぎ」
「モテモテ・スプレー」
「シンデレラ白夜行」
「ストーカー入門」
「臨界家族」
「笑わない男」
「奇跡の一枚」
 ★は「文壇」にまつわる作品


「毒笑小説」「怪笑小説」に続く第三弾「黒笑小説」。
 ミステリで有名な東野さんのまったく違った風合いの作品。それはギャグであったり、シニカルなものであったりする。直木賞までとって、クールな作品を出し続けているような、第一線の作家が書きそうにないような内容ばかり。「世界のいろんなものが巨乳に見える」とか、ものが見えすぎてホコリや花粉まで見えてしまうとか、考えても誰も文章化する人はいなかったんじゃなかろうか。
 帯には「ヤケクソで描いた」と書かれているけれど、ギャグは楽しそうに、シニカルなものにはストレートな怒りや憤懣が溢れているような気がする。 

 この本は、文壇事情を描いた4作から始まる。クールで華やかそうな文壇の世界。でもそこは、作家のエゴと、出版社の思惑が錯綜し、どろどろした、ヤナところ、と東野氏は見ているのだろう。
 4作を通して2人のキーパーソンが現れる。売れなくなったが「大物」と思い込んでいる古株の寒川氏。新人賞を受賞し、冴えなかった仕事をやめて、大物作家になったと勘違いしている熱海氏。この二人のそれぞれのエゴ。裏で痛快に出版社の面々がこき下ろしてくれる。

 ほかの短編は、日常生活にありえないシチュエーションを描いたギャグ。どれもアホ臭くて面白い。

 ミステリより、まっさきにこっちを買ってしまうのもなんですが、おもしろいですよ。
2007.10
28
(Sun)

「予知夢」 


東野 圭吾 / 文藝春秋(2003/08)
Amazonランキング:18位
Amazonおすすめ度:



 物理学者・湯川学が事件を解明する、ガリレオシリーズ第2弾。

 「ガリレオ」に引き続き、物理学者の湯川氏が事件を解決する短編の第二弾です。

□夢想る(ゆめみる)
 少女をストーカーし、部屋に侵入した男が逮捕された。彼は、被害者の少女が生まれる前から、彼女の氏名と全く同じ女性と結ばれる運命だと言い続けていた。この変質者的な発言から意外な事件の真相が明らかに。

□霊視る(みえる)
 女性が殺害され、恋人の友人の男が逮捕された。衝動殺人ということで片付けられそうだったこの事件。しかし、女性が殺害されていた時間に、犯人の家で女性の恋人が女性の姿を見たという。このオカルトみたいな話は事実なのか??

□騒霊ぐ(さわぐ)
 草薙は姉の友人の夫が失踪したと相談をうける。女性とともに夫が立ち寄ったと思われる老女の家を訪れた草薙。老女は亡くなり、代わりに柄の悪い4人組が暮らしていた。4人がいない間、家が揺れ、ポルターガイストのようなことが起こっていた。果たして夫は中にいるのか?

□絞殺る(しめる)
 ある小工場の社長がホテルで首を絞められて殺されていた。多額の生命保険をかけ、アリバイがすくなく、不審な動きをしていた妻が疑われていたが、決定的な証拠がない。湯川男性の首の絞められた跡に注目する。

□予知る(しる)
 男の向かいのマンションで不倫相手の女性が首をつって自殺した。男やその妻、訪ねてきていた友人がその瞬間を目撃。痴情のもつれの自殺と思えた事件だったが、隣の部屋の少女が、2日前に女性が首をつるのを見たと証言する。これは予知夢なのか?
 
 「霊視る」「騒霊ぐ」「絞殺る」は湯川の、研究またはちょっとマニアックな科学知識による事件の解決。工学部出身の著者ならではのトリックだ。「夢想る」「予知る」は、非科学的に見える予知夢などの現象を、人間関係や行動を考えることで解決している。科学知識だけではなくて解決する目を湯川が持っているという話だ。

 おもしろかったのですが、短編は若干淡白な感じがするので、長編である第3弾「容疑者xの献身」を読んでみたいです。しかし、ドラマ化の次に映画化されるそうなので、文庫になるのはまだまだ先のようで非常に残念。
2007.10
03
(Wed)

「探偵ガリレオ」 


東野 圭吾 / 文藝春秋(2002/02)
Amazonランキング:46位
Amazonおすすめ度:

 
 警視庁捜査一課の草薙俊平のもとに舞い込んでくる難事件の数々。彼が相談したのは帝都大学理工学部物理学科助教授・湯川学。物理学者がスマートに事件を解決するミステリー小説!


 東野圭吾「探偵ガリレオ」です。続編として「予知夢」、直木賞受賞作「容疑者xの献身」があります。
 刑事の草薙が、解決が困難な事件たちを、物理学者である友人の湯川に相談して解決していく短編集です。謎をよんでいるのは「いかにして殺したか」であり、ナゼ殺したかは痴情の果てなど結構単純なものです。
 突然頭が燃えて死亡した若者の事件、アルミでできたデスマスクの謎、心臓だけが腐っている遺体や、爆弾もないのに海中で爆破がおこった殺人事件。はたまた、事件を左右する証言は幽体離脱により見られたものだった…など、草薙の元には不可解な事件が舞い込んで来る。それが起こりえるものなのか、草薙は友人の湯川の研究室を訪れる。湯川は知っている知識から、または実際に現地に足を運び、実験をして確実であることまで突き止めて事件を解決していきます。
 事件を見抜く「天才」=湯川がいて、相談する「助手」=草薙がいる実にシンプルというか古典的?なパターンでとてもスマートな作品です。つい複雑な人間関係に、奇怪な設定のダイナミックな推理小説を読んでしまいがちですが、こういうシンプルなのもいいですね。

□第一章 燃える もえる 
 たむろしていた若者の頭が突然炎上し死亡した!

□第二章 転写る うつる
 池からアルミでできた行方不明者のデスマスクが発見される。

□第三章 壊死る くさる
 一見心臓麻痺で死んだ男。しかしその心臓部分だけが腐っていた。

□第四章 爆ぜる はぜる
 女性が生みの中で起こった謎の爆発で死亡。

□第五章 離脱る ぬける
 容疑者のアリバイの証言は幽体離脱による目撃証言!?
続きを読む »
2006.09
14
(Thu)

「怪笑小説」 


東野 圭吾 / 集英社(1998/08)
Amazonランキング:32,672位
Amazonおすすめ度:




鬱積電車
おっかけバアさん
一徹おやじ
逆転同窓会
超たぬき理論
無人島大相撲中継
しかばね台分譲住宅
あるジーサンに線香を
動物家族


 「毒笑小説」と同じようなミステリーではない東野圭吾さんの作品です。
こういう作品大好きですねー。おもしろくて毒がある。馬鹿みたいだけど、人の馬鹿な部分とか、かっこ悪いところが良く出ていておもしろいんです。

 たとえば「鬱積電車」。「あぁ隣のオッサンいやだなぁ」「あの女子高生声でかいー」などなど電車に乗るときイライラしてしまうもの。
それをわざわざ小説にしてしまった。隣の人から隣の人へ、次々にイライラしている頭の中を覗き込める作品です。
イライラしているのは自分だけじゃない。自分もイライラの対象になっているかもしれない・・・と電車の中で読むとちょっとゾクリといたします。

 笑えるのは、「おっかけバアさん」と「一徹おやじ」でしょうか。
「おっかけバアさん」は世の中に興味を持たずせこせこ生きていたばあさんが、演歌歌手「杉さま」にのめりこんでいく話。
ヨン様、松健様、キヨシ様・・・。世の中のめりこんでしまうおば様方が多々いらっしゃいます。
彼女達の「ファン」というコミュニティのなかでは、勘違いが上塗りされた見栄が起こっていて、このばあさんみたいに生活に破綻をもたらしてしまう人もいるんだろうなぁ。
みなさん寂しいのかなぁ。
 「一徹おやじ」の場合は、夫にはない若さと異性を求めるおばさんと違い、今度は自分の夢を子供に託す、これもありがち(かどうかは知らないが)な親父の話です。
プロ野球の夢を押し付けられた一人娘。弟が生まれた途端、野球地獄からは抜け出せたが、こんどは知らん振り。
馬鹿な親父は独自の(そして少し間違った)教育方針で息子に野球をしこむ。そして最期には、馬鹿馬鹿しい理由で裏切られちゃうのです。
 亀田、横峯、浜口・・・とスポーツ馬鹿親父はテレビでよく見ますが、見るたびに、こんな父親から生まれなくてよかった・・・と思ってしまいます。
自分が成長過程でスポーツ嫌いになっているせいもあるでしょうが、こんな小さな頃からスポーツしか道がないなんて悲惨だ!!!

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Author:4040
4040です*
最近のお気に入りは、梨木香歩さん、森博嗣さん、伊坂幸太朗さんです。
私も読んだぞという方は、これもいいぞという方は是非教えてください♪

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