☆4040の本棚☆ 文庫とミステリに偏っている私的な読んだ本のおぼえ書きです。
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2008.10
01
(Wed)

「陰陽師 瀧夜叉姫」 

陰陽師シリーズ8弾!平安の世を揺るがした「あの武将」が蘇る!?

陰陽師瀧夜叉姫 下 (3) (文春文庫 ゆ 2-18)


 夢枕獏さん「陰陽師」シリーズの第8巻の「瀧夜叉姫」。
 安倍晴明と源博雅の二人のやりとりがたまらなく好きで、ずっと読んできたが8巻も出ているのかと驚きだ。飄々とした晴明と、優しいいい漢である博雅の同性愛かと見まがうほどの(笑)友情。ふたりが「ほろほろと」酒を飲み、自然や人の世を考える場面。巧みな方術で事件を解決していくおもしろさ。平安時代という雅なのに闇を持ち合わせているという時代の描き方。すべてがいい!

 「瀧夜叉姫」は、シリーズに珍しく長編である。
 都では不穏な事件が相次いでいる。ものを盗らずに去っていった妖しい女の盗賊が、昔活躍した貴族や、豪腕で名の知られた俵藤太という男の屋敷に現れた。また、あいついで孕み女が腹をひきさかれて惨殺される事件も起こっていた。
 そんな中、晴明は賀茂保憲に、平貞盛という男に会うように頼まれる。晴明は例のごとく博雅と向かうのであるが、貞盛の顔には不気味な瘡が広がり、挙句に、顔が現れて別の人格がしゃべるという異様な状態であった。晴明は、この病の原因を探っていくのであるが、都に起こる様々な事件とあわせて、「ある人物」が関係していることに気がつく。そして、死んだ「ある人物」を蘇らせ、都をひっくりかえす事態を引き起こそうとする陰謀にたどり着くのである。

 冒頭で、幼い晴明や、道萬が出会った、人間の体の一部を集めている妖しい百鬼夜行や、詳しく説明される様々な人物がやがて、物語の重要なシーンであることが分かってくる。
 歴史上の有名な武将たちの史実を上手い具合に絡ませて作られたストーリーが、スリリングで面白い。今回の晴明は、大技を繰り出すわけではなく、地味な方術や機転を組み合わせ事態を好転させていく。ただ事態がおもしろくなればと茶々を入れる道萬が、ちょっとピンチになったりする。たくさんの人が出てきて、色々な役割を果たしていくのもまた面白い。
 下巻では、復活した「武将」が己を取り戻していく最後のくだりや、真の黒幕が分かってくる。なかなか壮絶で切ない話だった。


 平安に現れる鬼たちや、晴明たち陰陽師が繰り出す術もおもしろいけれど、酒を飲みながら人や世界について、知らず知らずに「呪」に触れてしまう博雅と晴明の会話もおもしろい。
わざとらしいといえばそうかもしれないけれど、世の中も神も鬼も人の心が作っているのだという考え方が、当たり前だけど気づかないから新鮮でおもしろいと思う。こういう話は哲学になるのか、宗教になるのか・・・。気になるなぁ。すごいぞ博雅。

「桜が桜であるがごとくに、博雅は博雅のごとくにありたいと、そういったではないか」
「言ったか」
「言った」
「しかし、何故、それがおもしろいことなのだ晴明」
「人は、なかなか、今おまえが言うたごとくには生きられぬ」
「うむ」
「誰ぞを手本とし、その誰ぞのように生きようとすることはあっても、
 己のごとくに生きようとは、人は思うたりはせぬものだ」  (58頁)

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2008.09
13
(Sat)

「鬼譚草紙」 


夢枕 獏,天野 喜孝
Amazonランキング:414550位
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 あとで書きますが、「陰陽師」を読んだ勢いで図書館で借りた本。平安時代を舞台として、男女の関係を通して人間に現れる鬼を描いた、妖艶な作品です。天野喜孝さんの挿絵をいくつも挟んでいるところが特徴。この絵もまた、非常に妖しい絵です。
 それと、装丁は、鈴木成一デザイン室。

□染殿の后 鬼のため 嬈乱せらるる物語
 徳の高い法師が、美しき后に魅入られてしまい、修行を捨て、鬼と化して再び后の前に思いを遂げようと現れる。后の持っていた、本当の気持ちが、独白によって明らかに。

□紀長谷雄 朱雀門にて女を争い 鬼と双六をする語
 平安の世の鬼には、芸術・音楽・詩文などを愛する者もいたようである。博雅や琵琶の「玄象」の噺も例に挙がっている。
 紀長谷雄は歌に長けているが、道真やその他の人物といつも比較されることに違和感を感じ、宮中の人間関係は苦手であった。彼の歌を好む鬼が、女をかけて双六をしようと誘いをかけてくる。

□篁物語
 小野篁(たかむら)は眉目秀麗で稀代の文人である。冥界とつながりがあるような噂もある。
その真相は、彼と、母親違いの美しい妹との秘密の恋愛であった。妹と結ばれてしまったが、周囲にばれ、妹は命を落としてしまう。どうしても妹と離れたくなかった彼が相談したのは葦屋道満であった。
2008.01
06
(Sun)

「シナン」 

 神を空間に描き出した、オスマン帝国の最高建築家・シナンのロマンの物語

夢枕 獏 / 中央公論新社(2007/11)
Amazonランキング:15062位
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 (私の中では)「陰陽師」の夢枕獏さんが書いた「イスラム」の歴史小説。面白いのだろうかととりあえず買ってみたけれど、2007年最後にしていい話に出会えたと思った。
 「シナン」は(「スィナン」ともカタカナ表記される)オスマン・トルコの建築家だ。イスタンブールには「聖ソフィア寺院」という非常に有名なモスクがある。しかし、このモスクはオスマンではなく、前のビザンツ(東ローマ帝国)時代に作られた正キリスト教会の聖堂である。イスラム文化に入って1,000年もの間、この聖ソフィアを超える大きさのモスクが作られることはなかった。
 シナンはオスマン帝国が最大に反映したスレイマン1世の時代に現れた建築家で、50歳を過ぎてから100歳で死ぬまでの間に、477もの建造物を建てたらしい。スレイマンのスレイマニエ・ジャーミーは最高傑作と呼ばれ、セリミエ・ジャーミーは、オスマンで初めて聖ソフィア寺院を超える大きさのジャーミー(モスク)となった。そのような素晴らしい人物と建物があったとは知らなかった。早速グーグルアースで旅に出てしまった。
 

 夢枕獏が書くシナンは、偉大なる聖ソフィアには「不完全で神がいない」と感じている。ヴェネチアで見た、素晴らしいサンマルコ寺院にも聖ソフィアも、偶像で満ち溢れ、人間の祈りばかりが強調されている、と。聖ソフィアを超える神が存在するジャーミーを作ることがシナンの目標であり夢だった。
 1.5巻分は若い兵士時代のシナンと、スレイマン1世の時勢が描かれる。スレイマンと宰相のイブラハム、シナンの同士ハサン、詩人のザーティなどの人物が現れる。オスマンのヨーロッパ侵略や、スレイマンの妻のロクセラーヌの陰謀など、政治の舞台が大いに描かれる。建築と関係がなさそうに見えるこの歴史背景たちだが、最後に必要なものだったと気づかされる。
 戦争中に砦や橋、船を驚く手際で完成させたシナンは50を超えてから主席建築家になる。彼の建築物は「複合建築(コンプレックス)」であり、モスクを中心に街の主要な要素をその周りに作るという、現代みたいな素晴らしい都市計画でもあったという。彼の夢である、聖ソフィアを超える完全なジャーミー造りは、オスマンの繁栄を示し、いつしか、そこに祀られることになるだろうスレイマン大帝の夢でもあった。しかしいくら金を積まれてもシナンは造れないと言った。それほど聖ソフィアは偉大で完璧な建造物だったのだ。そんな中で完成させたスレイマニエジャーミーは、大きさ以外は聖ソフィアに勝る、神の存在するジャーミーだった。
 ジャーミーをめぐってスレイマンとシナンの間に交わされるやりとりは、まさに男のロマン。死を覚悟した、弱り、疲れ果てた大帝に、聖ソフィアを超える大きさのジャーミーを作ると約束するくだりは感動ものである。最後は夢を追い、働き、手を動かし生きてきたシナン。その間に、ハサンやイブラハム、スレイマン…と多くの人が去っていった。その時間の重みと寂しさが、前半の描写があったからこそ際立っていた。心に響くいい作品だった。

 
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2006.03
24
(Fri)

「陰陽師 太極ノ巻」 


夢枕 獏 / 文藝春秋(2006/03/10)
Amazonランキング:位
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 夢枕獏氏、陰陽師シリーズ第7(6?)弾。
もうそんなにもなるんですね。絶対買う本のリストに入っているシリーズです。

 今回は、いや、今回も、陰陽師の典型。
晴明の屋敷の濡れ縁。庭の草花と四季。
酒を飲む晴明と博雅。
自然に感嘆の声を上げ、知らぬうちに確信に触れる博雅に、それは「呪」ぞと話をややこしくする晴明。
そこからよい漢たちのお話が始まる。
 典型なのに飽きが来ない。

>>>内容
二百六十二匹の黄金虫
 意志を持った経文の文字の話。こうかいたらすべてが分かりますが・・。前作に登場した虫愛ずる姫・露子さんも登場します。
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2006.02
15
(Wed)

「ものいふ髑髏」 


夢枕 獏 / 集英社(2001/08)
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<収録作品>
夜の訪問者
二本肢の猫
抱きあい心中
闇の中の小指
びくいしとい
もののけ街
真言士
ミサちゃんの生霊の話
ものいふ髑髏
安義橋の鬼、人を喰らふ語

 
 夢枕獏さんの短編小説集です。
 まだブログでは紹介していませんが、私は「陰陽師」シリーズが大好きです。短編は8割方現代が舞台の面妖な話がメインでした。
 最後の「ものいふ髑髏」と「安義橋の鬼、人を喰らふ語」は、昔の日本が舞台なので、陰陽師とおなじ雰囲気を楽しめます。そういえば、安義橋の鬼~は、オムニバス短編集の「7つの怖い扉」に収録されていました。
 幽霊の出るような怪しい話もあれば、不思議な人間関係のめぐり合わせを感じる作品、狂気の話、なんだかエッセイのような話といろいろ入っていておもしろかったです。
 べたといえば、べたなのですが、「夜の訪問者」が好きです。桜の季節にやってきた「お迎え」の話です。

 表紙の髑髏の絵は「MAYA MAXX」さんの絵です。
彼女の絵、最近好きです。クレパスのような筆使いで塗りつぶされた髑髏さんは、怖いけれど、かわいさがあるようなきがしませんか?
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