☆4040の本棚☆ 文庫とミステリに偏っている私的な読んだ本のおぼえ書きです。
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2008.10
11
(Sat)

「トウキョウソナタ」 

とある家族の破壊と再生を描いた映画の小説版。



 朝の情報番組で、「トウキョウソナタ」の番組宣伝を見た。香川照之と小泉京子が出ていて、家族が崩壊と再生する話のようだった。地味な部類の映画である。その日、仕事中に立ち寄った書店で「トウキョウソナタ」の小説本を発見した。小説から映画化されたわけではなく、映画の脚本を元に作られた小説だった。劇中写真が掲載されているため価格が高い。映画は見たいと思っても、DVDレンタル化される間に見たい気持ちと記憶をなくしてしまうので、本でよんでしまうことにした。

 舞台は佐々木家。竜平はタニタの総務部で真面目に働いてきた。しかし突然リストラを言い渡される。家族にいえぬまま、職安ではプライドを捨てきれず、公園をぶらつき、浮浪者の炊き出しに並んだりしている。
恵美は、趣味がお菓子作りの主婦である。家族のことを思っているが、なかなかみんなそっけなくて、本音が見えない。
貴は大学生で、つまらない毎日を過ごす中、突然舞い込んだ米軍入隊の応募。それが現状打開の術と思い、家族に内緒で申し込み、合格する。
健二は周囲に敏感な小学生。飄々としたものいいから担任と思わぬところで対立関係に。父に頑として習わせてもらえなかったピアノを、給食費を使い密かにレッスンに通う。実は天才的な素質を持つことが後に分かる。

 みんなそれぞれナイショの秘密がある。それがテーマの話しであるが、仰々しい秘密を隠し持っているわけではない。それは打ち明けられないこと、反発と嘘、気づいていなかった不満や寂しさ。そのようなものである。
 それがぽろぽろと表面化し、お互いが自分の思いのたけをぶつけ、一度壊れる。家族として一緒に住んでいても所詮他人なのだ。分かり合えない。 そんな破滅の危機が佐々木家に訪れるが、皆、戻る場所はやはり家しかないのである。お互い照れくさそうに戻り、歩み寄ってもう一度やり直す。そんな優しい話だった。
 
 ありがちの筋といえばおしまいだけど・・・、きっと映画で見たらいい俳優さんが出ているので、かなりいい雰囲気がしそう。本は小説としてだけ読むと、視点がころころ変わって流れがぶつ切りなのでちょっと変かもしれない。だいいち、本では、健二が弾くピアノを聴くことができない。映画を覚えていたら、一度見てみたいと思う。
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2008.08
17
(Sun)

「イニシエーション・ラブ」 

気を抜いて読んだら気がつかない、トリックがしこまれた恋愛小説。



 なんてことのない青春恋愛小説・・・。しかし、帯に書かれているとおり、最後の行で単純な話ではなかったことが分かる仕掛けになっている、面白い形式の本である。
 また、時代が90年代初頭であり、時代を髣髴させるキーワードが満載である。そのころは子供だったので懐かしくはないけれど、携帯がない時代の固定電話での恋愛は大変そうだ。

 SideAでは、静岡の大学生鈴木は、偶々誘われた合コンで成岡繭子という女の子に好意を持つ。鈴木は数学科に通う、優秀だが無口で地味なタイプ。もちろん彼女がいたことはない。グループでテニスや海水浴に行く中で、成岡さんとだんだん距離が近づいていき・・・とうとう電話やデートにこぎつける。マユはおくてな鈴木をさりげなくサポート。鈴木夕樹の「夕」をカタカナ読みして「たっくん」と呼ぶことに。女性と付き合うのがはじめての鈴木くんの甘く、ドキドキの恋愛が進んでいく。
 
 SideBでは、静岡の大学を卒業し、ギフト会社に就職した鈴木。東京に数年配属されることになり、恋人のマユと離れることになる。はじめは毎週のように静岡に帰っていた鈴木だったが、慣れない社会人生活にストレスを感じる。そんな中、同じ課の石丸さんという美女に好意を抱かれ、ダメだと分かりながらも、だんだん惹かれていく鈴木・・・。そんな中、マユが妊娠していることが分かる。

 一見、ごくごく普通でありがちな恋愛小説。しかし、普通の恋愛うぶな鈴木が、数年たってから、甘い恋愛を終える・・・という単純な話ではないのである。その仕掛けは、最後の1行に隠されていると帯には書かれている。確かに、最後の1行を読めば、なるほど!となるはずだ。ただ、中身を少し慎重に読んでいけば、最後にたどり着く前に、この本のトリックとやらに気がつくことはできる。(SideBのはじめのほうで私は気がついた。推理小説じゃいつも見破れないけれど、今回は楽勝。。)

 このトリックに気がついたら、この単純な恋愛小説に「女の強かさ」を感じずにはいられない、男性にはちょっとホラーなお話に変わることだろう・・・。

 
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2008.07
13
(Sun)

「きいろいゾウ」 


西 加奈子
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 夫婦は東京から田舎に引っ越してきた。お互いのことを「ツマ」「ムコ」と呼び合う。夫は武辜歩、妻は妻利愛子という冗談のような名前だからである。
 二人の毎日は非常にゆったりしている。風呂で茹で上がったカニ。ふらりとやってくる野良犬のカンユさん。チャックが開けっ放しのおじいさん・アレチさんと、その妻の認知症のセイカさん。登校拒否の小学生大地くんと、大地君に恋する洋子ちゃん。道端にある、誰のものかわからないお墓。
 ユニークな隣人や動物達がゆったりとした毎日を、ささやかに彩っていて優しい気持ちにさせる。

  「きいろいゾウ」は途中途中で織り込まれる絵本(絵はない)。病気で入院している女の子のところに、月と仲のよい空を飛べる不思議なゾウが現れ、世界を見せてあげるという内容だ。
 ツマは、小学生の頃、心臓を患い入院していた時に、この絵本に出会った。この黄色いゾウの存在が彼女を救っていた。その過去のせいか、不思議な感覚の持ち主で、自然のもの達と「会話」ができたり、みなの見えないモノが見えたりする。そして、満月を見ると心が張り裂けそうになる。
 言いたいことが言えない。遠慮しているのではなく、伝える言葉がない。それで葛藤し、不安定になるツマ。小説家であるムコは毎晩日記を書いている。書斎に入っている間何を考えているのか、日記には何を書いているのかツマは知らない。
 一方、ムコはツマが小学生の頃、心臓を患い、入院していたことを知らなかった。何を抱え込んでいるのか分からないツマを支えきれず、ツマが遠くに行ってしまうのではと不安になるムコ。
 お互いに知らないことがある、でもそっとしておこう・・・。そうしている間にどんどんしっくりいかなくなってしまい、二人の平穏だった毎日に変化が訪れる。
 ムコがツマの「きいろいゾウ」のような存在になる。そうなるまでに互いの精神的な壁を乗り越えていく。夫婦の倦怠でも、不倫による関係の崩壊でもなく、絆を書いた作品だった。

 実際の夫婦が、このようなふわふわとした精神世界で暮らしているのか、倦怠感にまみれて不満の中で暮らしているのか、恋だの快楽だのを外に求める人が多いのかどうか、夫婦になったことがないから分からない。多くの人は、ツマとムコのように互いの絆というものを深く見出すことはなさそうだ。離婚という行動を起こす人もそこら中にいるわけではないだろう。少しの不満と、普段は気づかない安心のなかで、死ぬまで一緒にいることが多いんじゃぁないだろうか。

 最初のほうの田舎の書き方がよかったと思う。静かな田舎は、この本のゆうとおり、都会とは違うにぎやかさがある。確かにそうだ。夏の夜などは、何種類もの虫や蛙の声で溢れている。にぎやかでもあるけれど、夜は少々怖いような気がする。たとえば大雨の雨音や、雷や、濁流の音など、外の闇を想像してしまうといっそう恐ろしい。
 都会の夜で怖いのは人間だ。自然で恐ろしいのは地震くらいなもので、家の中にいても外の喧騒が聞こえてくるし、安心できないこともあるだろう。誰もが関係ないようで油断ならない存在だ。まったく嫌なところに来てしまったもんだとよく思う。
 
2008.05
08
(Thu)

「車掌さんの恋」 


有吉 玉青
Amazonランキング:180234位
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  地下鉄や電車を舞台にした、短編。
 昔の彼女に思いを馳せる車掌、初めて女性=アイドルに夢中になり中吊りを泥棒に走ってしまった思春期の男子、不倫旅行に向かう男女、きせるを辞められなくなった優等生の女子高生、仕事一筋で家族とギクシャクしている初老の男。
 電車は生活の中では手段であり、通過点であり、目的であることは少ない。この5人も、それぞれの人生の一場面の通過点が、たまたま電車にまつわっていたということだ。
 ものすごくうまい文というわけではないんだけれど、ほっとした気分になれる本だ。 
 
 電車にまつわる小説と聞くとすこしおもしろそうだと思うのはなぜだろうか。(マニアックなものではなく)。 同じ電車を舞台にした本では有川浩の「阪急電車」が気になっている。まだハードカバーが出たばかりで読んでいないけれど、たまに乗る電車だけに気になる。
 前に東野圭吾の短編で読んだ、満員電車にうずまく憎悪の話も滑稽でよかった。
 身近なものが舞台だからきになるのだろうか?
 読んだ直後に電車に乗ると色々と考えてしまうのも楽しい。
 そういえば初めて読んだミステリのひとつは「西村京太郎」の電車を舞台にしたものだったかもしれない。「つばめ殺人事件」みたいなやつ。(時刻表を駆使してアリバイを崩すのは、考えは凄いけれど、今は話としては惹かれないかも)
 
 この本は、新幹線に乗る前に買った。結局新幹線では読まず、新快速の中で読んだけれど、新幹線より、在来線や地下鉄が舞台なので、そっちのほうが合っていたと思う。
 それにしても、手段である新快速は人が多いし、疲れる。
 それよりも、地元の特急列車のほうがやっぱり好きだ。 
 郷愁たっぷりのひとときをすごすことができる。
2008.03
16
(Sun)

森 絵都
Amazonランキング:31213位
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 「大切な何かのために懸命に生きる人たちの6つの物語」と表題にあるとおり、仕事や学問に打ち込むような人々を描いた短編集。図書館で見つけて借りた。よく名前は拝見するけれど、初めて読む作家さんだ。

 6つに共通して思ったのが「詳しい」ということ。「備前焼」であるとか、仏像修理師の仕事、「徒然草」の文学的視点、保健所で殺される犬について、UNHCRの活動と葛藤、など、出てくる人々の職業や活動についての描写がとても詳しいのだ。もしかしたら過剰なのではと思えてくるくらいだったけれど、なんだか勉強になるなと思った。背景があってこそ分かるような気もする。森さんは児童文学も書かれているので、雰囲気をつかむ大人の小説というより、しっかり書き表していく児童向けの要素が出てきているのかなぁと深読みをしてみたり。違うか。
 
 おもしろかったなと思ったのは、のは胸のうちにはかなりの勉学意識を滾らせている青年を描いた「守護神」、ちょっと泣きそうになったのはUNHCRで働く女性を描いた「風に舞い上がるビニールシート」。
 いろいろな職業・立場の人を描いた短編が最近は好きです。あんまり惰性で生きている人になると苦手ですが、がんばろうが、怠けようが、凹もうが、深入りせずに読めるところがいいですね。
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2008.02
23
(Sat)

「猫舌男爵」 

 幻惑の短編5編。

皆川 博子
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 ちょっと怪しげなる本を借りてみた。新聞の新刊広告で皆川さんの何かの本が気になってメモしていたのですが、結局何の本だったのか分からなかった。棚を見ていると幻想小説を書かれているようだった。
 この本は5編の短編集。表題作意外は、幻惑的な世界で少しグロテスク。独白系の精緻な文章は、ゆっくり読んでいると、わけが分からなくなりそうだったので、ざっと流しながら読むことにした。小川洋子さんの小説をより濃く、そして不気味にしたかんじだった。

『水葬楽』
 不気味な世界の死を待つ人々の話だろうか。
 おそらくは未来の世界その一族は、「容器」に入り、培養液のようなものに浸りながら、苦痛のない死を迎える実験を行っている。そこには、隔離されて暮らしてきたとみえる兄と妹がいる。彼女達は、両親やその他の人間から「無視」されているようだ。彼らは結合双生児だということが分かる。君の悪い死を迎えた両親と、外の世界と、彼女のこれから。

『猫舌男爵』
 これは、笑えるおもしろさ。ジェロムスキという欧州の学生が、日本人女性の短編集を翻訳する。その翻訳の「あとがき」をめぐる人々の書簡である。
 最初はジェロムスキの「あとがき」が書かれている。あとがきは「猫舌男爵」についてはそこそこに、非常に支離滅裂なことを書いている。彼は山田風太郎の甲賀忍法帖に感銘を受けており、また、非常に翻訳に苦労している。かなりの熟語を訳し間違えていることもあり、とても面白い。
 このあとがきを中心に色々な人の模様が手紙やメールで描かれる。あとがきの中で、知識を貶められ、若い頃に芸者を買ったことを妻に知られることになった大学教授の怒りの書簡や、山田風太郎ファンの日本人からの手紙(ジェロムスキは、堅い日本語で書かれたこれを読めない)、大学の同級生カップルの勘違いや、猫舌男爵の著者を知る人物のメール…。「猫舌男爵」の内容と、姿を消しているその著者については置いてけぼりである。
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2008.01
15
(Tue)
動物たちが織り成すおとなの絵本。


安東 みきえ, 下和田 サチヨ / 理論社(2007/04/02)
Amazonランキング:5169位
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*頭のうちどころが悪かった熊の話
*いただきます
*ヘビの恩返し
*ないものねだりのカラス
*池の中の王様
*りっぱな牡鹿
*お客様はお月さま

 新聞広告で見かけて気になっていたこの本。
「頭のうちどころが悪い」というなんとも絶望的な表題に、
「頭のうちどころが悪かったんだろうな」と思わせる、くまさんの絵が印象的な本だ。
中の挿絵も、手書きの字も崩した感じが暖かい。この気の抜けた絵がなんともツボで、思わず買ってしまった。本棚を買ったら是非飾っておこうと思う。

 子どもより大人向けだと思われるこの本。
たとえば「いただきます」では、トラがキツネを食べたことを後悔している。腹の中のキツネはニワトリを食べたことを、ニワトリは…という風に、それぞれ他生物を食べてきたことを後悔している。食物連鎖のなかで命の尊さを訴えかけているように見えるが、最後に悩みを聞いてくれた旅人をトラが美味しそうに見つめるあたりがブラックだ。
 他にも、欲しいものが手に入ると次のものが欲しくなってしまうことをあらわしたカラスや、姿かたちが変化しても続く友情を手に入れたおたまじゃくしとヤゴなど、ちょっと子どもにしては難しい内容。
 ユニークな動物で、軽く人生を一考させてしまう、なんだか不思議な本だった。
2007.12
05
(Wed)

「泣かない女はいない 」 


長嶋 有 / 河出書房新社(2007/10)
Amazonランキング:5400位
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 表題作「泣かない女はいない」と、「センスなし」の2編を収録した、長嶋有さんの本。河出書房新社から出る女性作家の作品は、素朴な女性の淡々とした話が多くて好きだ。

 「泣かない女はいない」

 主人公睦美は、大宮の郊外にある下請け物流会社に就職したばかりである。おそらく年齢は30歳くらいで、リストラされたばかりの恋人と暮らしている。伝票処理の仕事を毎日して、昼休みは一人、公園まで散歩に出る。自分より若い先輩社員の女の子達とはいまいちなじめないけれど、変わってはいると思われてはいるが嫌われることはない。「牧歌的な」ゆるりとした職場に毎日通い、真面目に目立たないように働いている。
 そんなさえない職場で、代わり映えのない日々を送っている睦美はある男性が気になりだす。倉庫で働く樋川さんという男性で、しばらくは「声」しか聞いたことがなかった。初めて会って、話してみると非常に飄々とした男だった。彼はカラオケでKISSの「NO WOMAN NO CRY」・・・・「泣かない女はいない」をうたった。泣くという行為をしない睦美はそれがとても心に残った。
 
 明確に好きだとかいう言葉や行動はなくても、睦美が樋川さんを意識しているというのがじんわり分かる。会社での日々や、人の描写がとても細かく、その中で微妙な睦美の心を書いていてとてもうまいなぁと思いました。哀しいけれどやさしい話です。

 
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2007.11
10
(Sat)

「沖で待つ」 

亡くなった同期と交わしていた約束を果たすために彼の部屋に侵入する・・・。会社の同期との友情を描く一作。


絲山 秋子 / 文藝春秋(2006/02/23)
Amazonランキング:39226位
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 2006年の芥川賞受賞作「沖で待つ」です。
角田光代さんのような感じかなと思って借りてみました。なんでそう思ったんでしょう。お二人の年齢が近いせいかも知れないし、芥川・直木賞を受賞されているからかもしれません。近からず遠からずで似た雰囲気があるんじゃないかなぁと思うのですがどうでしょうか。

 表題作「沖で待つ」は住宅機器メーカーに勤める主人公の及川という女性と、牧原太という同期入社の二人の話。二人は恋愛関係にあるわけではないが、入社直後から二人で福岡配属になり、苦楽をともにしてきた仲である。太は上司と結婚をするが、及川に互いが死んだ場合、恥ずかしい痕跡を消すために、残ったほうが部屋に忍び込み、パソコンのデータを消そうという約束をする。
 冒頭で分かることであるが、太は何らかの理由で(後に分かる)なくなっており、久しぶりに彼のアパートが会った付近に立ち寄った及川が、彼との思い出を述懐するという内容。
 業務内容の書き方が、働いた人じゃないと分からないような描き方だと思ったら、糸山さんは住宅機器メーカーIに勤められていたそう。おそらく、実体験もこめられているんでしょう。
 
 もう一作「勤労感謝の日」は、勤労感謝の日嫌々見合いをさせられる36歳・失業中の女性の話。女性は36歳という年がネックでなかなか再就職にありつけていない。それまではバリバリ働いていた女性のようである。上司と喧嘩し、また交通事故に会い、人生ストップしてしまった状態だ。そんな彼女が見合いしたのは、不細工で自称会社大好き・できる男という興ざめな男だった。見合いを投げ出し、昔の後輩や行きつけの古い居酒屋の親父に愚痴る、そんなとある「勤労感謝の日」を描いた一作。なんだかうまくいかないし、ついてないけど、ここまできたんだし、まぁなんとかなるでしょうというなんとなく前向きな話でした。
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2007.04
27
(Fri)

「檸檬のころ」 


豊島 ミホ / 幻冬舎(2007/02)
Amazonランキング:12091位
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 表紙に惹かれて購入しました。そしたら、やはり私の好きな「鈴木成一デザイン室」のカバーデザインでした。

 田舎の「普通の高校生」の日常と恋愛を描いた連作小説です。
7人の高校生や卒業生の7つの短編が収められています。(微妙にどこかでつながっている)。
まっすぐで気持ちのいい話ばかりでした。

 高校生の青春小説と聞くだけではあまり読む気がしません。
都会の所謂「女子高生」。バイトに遊びに馬鹿騒ぎ。金と性に溺れボロボロになり・・・病気になったり・・・家族に見捨てられたり・・・自傷したり・・・って何が面白いんだ!!!
 テレビや人目を惹く小説で見る女子高生像はなんともやるせない存在。もっと健全な高校生もいるだろう、い、いるよね??と思ってしまいます。私が高校生のときは、このような都会の(都会都会と連発するだけで田舎ものとバレバレですが)派手な女子高生がコギャルなんて呼ばれている時期でした。「コギャルみたいなのばっかりじゃないよー」と田舎の普通の高校生はよく思ったものでした・・・。

 この小説の舞台は東北の進学校。周囲に何もない田舎の、大学を目指して勉強するだけの乾いた高校です。少し派手なグループ、勉強一筋の人、地味に目立たない人、周りと外れて行動する1匹狼・・・。目を潜めてしまうような行動をしたり、マスコミが作り上げた高校生はそこにはいなくて、衝撃的なドラマや日常はないけれど、彼らの恋愛や友情や悩みをとてもリアルに表現しています。

 私自身、まさにこの本のような学校で過ごしていたため、ものすごくしっくりきました。最も、恋愛というものにはまったく関与していないほど地味に暮らしていましたので、彼氏がいてちょっと派手だった子や、保健室登校をしていた子など、当時は理解できなかった人たちのことを想いうかべて当てはめながら読みました。(そして、高校の生き方ちょっと間違ったなと思いました。)
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