「私が語りはじめた彼は」
三浦 しをん / 新潮社(2007/07)
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大学教授の村川融。不倫を経て、家族を捨て、新たな家庭を持った奔放な男である。彼を取り巻く女や男、息子や娘たちは、彼を通してどのような愛を求めていたのだろうか・・・?
三浦しをんさんの作品で読んだのはこれが2作目です。前に読んだむかしのはなしが幻想的な感じだったので、リアルな社会が舞台で淡々とした文体で書かれた本作は意表をつかれた感じがしました。すべての短編の中心人物、村川融は幾人もの女性と不倫をし、とうとう妻や家族を捨て、別の女性と家庭を持ってしまう男です。不倫をテーマにした話はあまり好きではないのですが、この作品のいいところは、単に妻と愛人が男を取り合う話ではないところ。村川の不倫・離婚という一連の行動により、人生になんらかの影響を与えられてしまった人々の視点の短編で構成されています。
彼女を村川に奪われた大学の助手、村川と怪しい関係にあるらしい妻を持つ資産家の夫、村川の息子、村川の義理の娘を監視する男、村川の実の娘と交際する男。彼らが村川と、または村川にかかわる誰かとかかわる中で、それぞれの人間関係や恋愛に悩み答えを探していくような内容です。村川や、その妻、愛人の視点がでてこないのに、女たちや彼らに振り回されてきた人々の感情が伝わってきて、おもしろい作品でした。
「むかしのはなし」
三浦 しをん / 幻冬舎(2005/02/25)
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<収録作品>
ラブレス
ロケットの思い出
ディスタンス
入江は緑
たどりつくまで
花
懐かしき川べりの町の物語せよ
三浦しをんさんの本ははじめて読みました。
表紙がいい感じだったので借りたのですが、それもそのはず。
私の好きな装丁家鈴木誠一デザイン室のものでした。
この短編集は、日本の昔話にヒントを得て、いま、昔話が生まれるとしたら、こうなるだろうなと考えて作られた作品だそうです。
昔話たちになんとなくヒントを得ているなと感じ取れるものもあれば、どのあたりがそうなのか、あまりよく分からないものもありました。
全てばらばらの作品かと思えば、最初のほうは、ある男性、後半は、地球があと3ヶ月でなくなるという設定で繋がっていました。
地球がなくなるというなさそうで誰もが考えたことがある瞬間。そのときの人々の思いや寂しい雰囲気が感じられる本でした。
まだコレしか呼んでいなくて、ほかにどんな作品があるのか知らないのですが、この現実とギリギリのところで離れている感じの文章はいいなと思いました。




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