☆4040の本棚☆ 文庫とミステリに偏っている私的な読んだ本のおぼえ書きです。
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2009.09
27
(Sun)

「中庭の出来事」 


恩田 陸
Amazonランキング:46869位
Amazonおすすめ度:



 これは難しい話でした。小説を読むときは、いくら謎があったとしても、出てくる登場人物なり話の筋などをしっかり追いながら読めるものですが、ふわふわと何が起こっているのか、誰なのか、どこに行き着く話なのかがつかめないまま読まなくてはいけない不思議さがありました。入れ子の箱をどんどん重ねたり、また開けて散らかして・・・を繰り返しているような印象です。

 話は「中庭にて」という章と、「旅人たち」という章と、『中庭の出来事』という台本の3つのが入れ替わりに現れます。簡単に説明すると、この「中庭の出来事」という小説の中の「現実」の中に『中庭の出来事』という劇中劇があり、その中に『告白』という劇中劇中劇があるという形になっています。
 女優が脚本家を殺す事件、女優の目の前で女優がなくなる事件、脚本家が自宅で死亡していた事件、オフィスビルの中庭で若い女性が心臓麻痺で亡くなった事件・・・。たくさんの事件が、「現実」「中庭の出来事」「告白」のなかに現れ、どれがどの事件なのか、こんがらがってしまいます。
 
 これが、なんの説明もなく始まるためなにが起こっているのかわからない。何度も繰り返し現れるキーワードや話(とれたボタン、紅茶のスプーン、ビルの間で突然死した若い女性など)に惑わされ、次第にでてくる登場人物の「名前」にしがみついて・・・。その上で、劇中劇中劇・・・という構造が分かってくるのです。しかし、分かったとたん、手からするっと逃げて、わからなくなるような難しさがあります。だから詳しいことはかけないです。

ラストに、あぁ、これらは劇だったのだ、こちらの人々が「現実」だったのだと納得しそうになるのに、彼らもまた劇の中に閉じ込められてしまう。劇というもの、「見られる」ということをつきつめた結果できた、非常に難しく、凄い作品です。時間を置いて、もう一度読んでみたいと思います。
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2008.06
01
(Sun)

「蒲公英草紙―常野物語」 



  以前読んだ「光の帝国」とおなじ「常野」という不思議な一族が登場する長編小説。
穏やかな田舎の情景と真摯な人々がでてくる話だけれど、そこに、戦前の厳しい自然と戦争の影がゆっくりと近づいてくる切ない作品。

 『蒲公英草紙』は、主人公である峰子が書いている日記。おっとりとした峰子が美しく、もうもどることができない少女時代を回想している。
 時は日露戦争前か、日本が世界に立ち向かい、血気と不安が広がる時勢。東北の小さな農村で、その村を支える槙村家には、一人娘・聡子がいた。体が弱く、外出もできない彼女の相手を峰子はすることになった。旧家のお嬢様で、体が弱い聡子であるが、ひがんだところはいっさいなく、聡明で優しく、そして美しい。峰子は、聡子や、その兄の廣隆、画家の椎名や永慶などと美しい田舎でゆっくりとした時間を過ごしている。
 そこに「春田一家」が槙村家の客人として現れる。穏やかだけど、どこか常人とはなにか違う秘密を隠しているような不思議な一家。『光の帝国』を読んでいれば分かるが、彼らこそ『常野一族』である。春田一家は人の記憶・歴史を「しまう」特殊な能力を持っている。どうやらサイコメトリー的な能力も持っているようだ。
 最初はその能力を隠している彼ら。しかし、不思議な出来事が起こるなか、槙村家と「常野」、そして聡子と常野には大きな関係がわかってくる。

 「常野」という超能力的な力を持つ人々が出てくる話だけれど、おもしろおかしく力を発揮して活躍するはなしではない。人の悲しみを和らげる力でもあるけれど、世間の風当たりが強かったり、厳しい役目を負っていたり、切ない場面が多い。
 幸福なときは続かない。戦争はそれを奪う。悲しみのふちにいる主人公はその後力を取り戻せただろうか?
2007.09
01
(Sat)

「光の帝国」 


恩田 陸 / 集英社(2000/09)
Amazonランキング:20567位
Amazonおすすめ度:



 不思議な力を持つ一族、「常野」。目立たずひっそりと暮らしている彼らの、様々な人生。常人がうらやむような力の裏に、葛藤や恐怖、寂しさもあふれている。どこか物悲しいけれどやさしい、常野一族の短編集
です。

 恩田陸さんの作品を初めて読みました。ミステリーが好きなのになぜか読もうとしていなかったのですが、人に薦められて読んでみる事にしました。なぜか代表作ではないものを手に取りましたね。

 「常野一族」は、不思議な力を持つ人々の集団。名字が常野というわけでも、常野という土地に住んでいるわけでもない。昔は共同生活していたようだけれど、今は散り散りになってしまっている。常野とは、「権力を持たず、群れず、常に在野にあれ」という意味。人がうらやむような力や、それこそ権力をもてたり、悪用されたりする力を持つ人々がたくさんいるけれど、彼らはひっそりと暮らしてきた。そういう設定である。
 その力はなかなかおもしろい。膨大な書物を片っ端から記憶する-「しまう」-能力、将来のことを予知できる力、遠くの物事を聞き取ることができる「遠耳」、早く移動ができる「つむじ足」や、音楽に長けた者もいる。常人にはないうらやましくなる力ばかり。ただ、力があることが単にうらやましく、楽しい内容ではない。
 彼らの後ろには、その能力を自分のみが持つことを自覚し始めた若者、同じ力を持つことで、娘も同じ苦しみを味わうことを痛感している母親の葛藤など多大なる葛藤があるのだ。葛藤だけではない。「光の帝国」のように、迫害されるような悲劇も起こりうる。また、常人には見えない増殖していく謎の草をとる「草取り」の人々や、「裏返され」この世から消されないように、謎のものと対峙し続けている人々もいる。彼らは孤独に何らかの敵と戦い続けている。
 こういった悲しみや孤独に加えて、謎めいた常野の雰囲気が、この本全体に溢れていて、すこしぞっとする感じもありました。
 しかし、常野の人々が優しい人々であり、また、散り散りになったとこのの人々が徐々に出会いだす場面もあり、哀しいけれど暖かい不思議な本でした。
 
 やられた!!という大きな衝撃はなかったのですが、いいですね、恩田陸さん。まだまだ文体に浸れていないので(?)他にも読んでみようと思います。
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