☆4040の本棚☆ 文庫とミステリに偏っている私的な読んだ本のおぼえ書きです。
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2009.08
29
(Sat)


 小説は視覚情報がないので、書いてあることから登場人物や風景を思い描きながら読んでいく。そして、往々にしてだまされるのだ。「え、そんなの書いてなかった!」。書いていないけれど嘘はついていない。だからだまされているわけではない。勝手に読者が思い込んでいただけ。
そういう性質があると分かった上で、この本は読みました。
 「葉桜の季節に君を想うということ」というしおらしいタイトルですが、なかなかファンキーな主人公が、老人に対する詐欺集団に立ち向かう話であろ、恋愛も混じっている話です。主人公成瀬将虎は知人から、家族が詐欺にあったあげく、疑惑の事故死をしたということで相談を受ける。郊外の集会所に人を集めてモノを売りつける「霊感商法」をするその集団は、目をつけた老人に巧妙に取り入り、保険金殺人を犯す最悪の集団なのである。
 線路に飛び込もうとしていた麻宮さくらと「運命的な出会い」を果たした将虎は、さくらとの逢瀬と事件の調査を並行しながら、だんだん悪の組織の真髄に迫ってく。

 ここまできたらだまされないほうがおかしい。
ラストは圧巻です。とある登場人物が組織の人間であるということが分かってきますが、この本の「だまされた」はそこではないのです。そこから先はいえません。注意して呼んでも無駄です。フェアじゃないかもしれませんが、最後まで読んで、驚いてもう一度読む。それがこういう本の楽しさだと想います。
 
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2008.09
20
(Sat)

「女王様と私」 

女王様と「オタク」の私


歌野 晶午
Amazonランキング:231908位
Amazonおすすめ度:



 先日、1作買って読んだ歌野さんの本で、表紙の絵が好みのテイストだったので、借りてみた。
  主人公の男は、引きこもりで少女を趣味としているオタクである。もちろん働いておらず、親は腫れ物を扱うように接し、本人も親に暴力で当たったりする、よく例に挙げられる典型的なダメな感じの男である。
 この前読んだのが王道のThe推理小説だったのに、今回はオタクの妄想だったので、非常に驚いた。
 (この間に発刊された数多の作品を呼んでいないけれど、おそらく、コレだけがこんなテイストなんだろうと推測する。)

 引きこもりのオタクである彼は、ある日、妙に大人びた小学生の女の子に絡まれ、召使のように扱われることになる。彼女は、オタクを矯正することで、世の中から犯罪者を出すのを抑制するのだと豪語。彼女に罵倒されながらも、かいがいしく貢いでいく。
 そんな中、彼女の友人だった女の子が次々に殺されていき、男は事件を解決することになるが・・・。

 男は、美少女の人形といつも会話をしているため、文章が非常に気持ち悪い。2作目でこのテイストを読んでしまうと、多分この作品だけだろうが面食らってしまった。
 事件の様相は、とんでもない現代の小学生とその親の歪んだ関係を浮き彫りにした、苦々しい内容のように思える。モデルとしてもてはやされ、親も子供に金をかけ、自分の欲望をかけている。美容整形もまったく気にせず行ってしまう。そんな小学生が起こした、世も末といった犯罪。

 そう、見せかけておいて、やっぱりオマエ、ダメなヤツじゃん!!  となるのである。

 驚嘆、驚嘆。
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