☆4040の本棚☆ 文庫とミステリに偏っている私的な読んだ本のおぼえ書きです。
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2005.09
30
(Fri)

「工学部・水柿助教授の日常」 


森 博嗣 / 幻冬舎(2004/12)
Amazonランキング:34,805位
Amazonおすすめ度:



 水柿教授は某国立大学・工学部建築学科の助教授。
妻の須磨子さんはミステリィ小説が大好きで、その手の話題には手厳しい人です。
 「ミステリィとは何ぞや」を水柿君が、妻・須磨子さんを見ながら考える・・・という話かと思えばそうでもないのです。
 
 そう、果たしてこれは、小説なのでしょうか?エッセイなのでしょうか?
明らかに「水柿君」は著者なのですが、著者が水柿君について語っている感じになっています。
(著者の森博嗣さんは、本当にどこかの国立大学の工学部の助教授なのです。この作品はおそらく異色で、ほかの作品は本格ミステリーの長編ばかり。工学部教授で小説家というのもすごいものです。)
 
 とにかく脱線が多いです。
小説に脱線ってどういうこと?
でも脱線するんです。
 叙述レトリックも満載です。うちの教授が好きそうな言語ゲーム満載です。
( )書きの説明が多く、そのほとんどが常套句に対するどうでもいい突っ込み、あるいは、注意書きです。
あと、やたら読者に話しかけてきます。
正当な小説好きの方は気をつけてください。

 また、この、タイトルの長さ。
第一話 ブルマもハンバーガも居酒屋の梅干で消えた鞄と博士たち
第二話 ミステリィ・サークルもコンクリート試験体も海の藻屑と消えた笑えない津市の史的指摘
第三話 試験にまつわる封印その他もろもろを今さら蒸し返す行為の意義に関する事例報告および考察(「これでも小説か」の疑問を抱えつつ)
第四話 若き水柿君の悩みとかよりも客観的なノスタルジィあるいは今さら理解するビニル袋の望遠だよ
第五話 世界食べ歩きとか世界不思議発見とかボルトと机と上履きでゴー(タイトル短くしてくれって言われちゃった) 

 ・・・・。読んだら、あぁ確かに出てきたなぁ、と思います。
私は第3話が好きです。大学入試を大学教授から見た視点や、カンニングに関するテクニックなど、大学生が見れば面白いテーマがたくさん詰まっております。

 ちなみに、装丁は、私が好きな鈴木成一さんのデザイン事務所でした。
笑えるミステリィ?小説?エッセイなのでお暇なときに読んだらいいかと思います。
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2005.09
27
(Tue)

「怪談集 花月夜綺譚」 


岩井 志麻子, 山崎 洋子, 花衣 沙久羅, 藤 水名子, 加門 七海, 藤木 稟, 島村 洋子, 森 奈津子, 恩田 陸, 霜島 ケイ / ホーム社(2004/08)
Amazonランキング:106,236位
Amazonおすすめ度:


 女流作家の書き下ろしの怪談集。白く透けた紙の装丁に、月と蝙蝠。
私の好きな雰囲気の表紙だったので借りてみました。

 江戸時代あたりを舞台にした浪人や町人の話。明治、大正のノスタルジックというか、今にも椎名林檎か東京事変の曲かけたくなるような雰囲気で、おしとやか口調のお嬢様やメイドの話。戦中の村の話……。
 どれも現代が舞台ではなく、どこか闇がある時代が舞台のお話ばかりでした。
あんまり怖くはないです。不気味だなという、よくある話です。
 
 女性の作品ばかりのアンソロジーはよくあるけれど、「怪談集」はあまり見かけないので、おもしろかったです。作品の温度も全体的に似ていて落ち着いていたのでよかったです。
東京事変が聞きたくなりましたが、友人に貸したままなので久しく聞けません。

☆文章を書く力がほしい。
 読んでいる本があると、結構その本の文体に影響されてしまいます。そういうことないですか?(誰に聞いているのか)
私のブログの文章も、落ち着いたり、常体だったり、若者ネット調(?)だったりころころ変わります。
今は森博嗣の「工学部・水柿教授の日常」をよんでいるのですが(紹介した日にその本を読んだとは限らないのです)、これは言葉のレトリック満載で、これいいかも、とまた影響されそうになってしまいます。(括弧書き突っ込みが多いのです)
 理想は「常体なのにやわらかい文章」なのですが、私が書くと固い報告書になってしまいます。あとは単語の選び方でしょうか。
あくまでも日記なら、書き散らかせばよいけれど、人に読まれているのでそれなりに読みやすく、おもしろい文章が書きたいですね。
2005.09
26
(Mon)

「しゃばけ」 

  

畠中 恵 / 新潮社(2004/03)
Amazonランキング:5,133位
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 主人公は江戸有数の廻船問屋の一人息子一太郎。
 彼の周りで起こる殺人事件と、彼自身の生い立ちのなぞ、そして妖怪たちのファンタジーです。
 一太郎は幼少のころから体が弱い「箱入り息子」。そんな自分に葛藤を抱いている。
彼を幼いころから見守る使用人の佐助と仁吉は、実は「犬神」「白沢」と呼ばれる妖怪。
その他、屏風除きや、鳴家などの数々の妖怪が一太郎の周りにいて、悪戯をしたり、彼を助けたりしている。
ストーリーは、一太郎の家業である薬問屋を狙った謎の連続殺人事件と、それとともに徐々にわかる一太郎のと妖怪のつながり。
なかなか面白く読めました。
 そうなんだけど、読んだ"時期”が悪かったのです。丁度「京極夏彦」の怪談ミステリーにはまっていたので、すごく物足りなく感じてしまいました。
宮部みゆきの時代小説もしかりですが、こう、言葉の使い方、台詞、雰囲気、時代背景にふたつとも「重み」があって、深刻さや暗さも持ち合わせた上で「妖」がでてくる。
それに対して、「しゃばけ」は、台詞とかもう少し踏み込みがほしい感じです。
まぁ、この大御所と比べるほうが間違ってるんですが!
 ファンタジーとして読むには、明るくて楽しい本でした。
続編も何冊か出ているそうなので、機会があったら読みます。

 私は、あんまり読んだ本を酷評したりするのは嫌いです。読んだ本の感想を見たときに、ほかの人が批判していたらがっかりします。だから、よっぽど稚拙で退屈な本じゃない限り批評は控えたいなと思う今日この頃です。
2005.09
23
(Fri)

本多 孝好 / 新潮社(2004/10/29)
Amazonランキング:106,182位
Amazonおすすめ度:

 


本多 孝好 / 新潮社(2004/10/29)
Amazonランキング:106,181位
Amazonおすすめ度:



 これは恋愛小説です。「冷静と情熱のあいだ」のように二つの視点からの作品かと思ったけれど、A→Bという続編でした。

 主人公は小さな広告代理店に勤める26歳の男性。19歳で恋人・水穂を亡くし、それ以来、きちんとした恋愛ができない。
とても冷静に物事を見つめ、淡々としている。先を読んでいるというか、諦めているというか。同僚からも、上司からも、恋人からも、あなたはどこか狂っている、どこか好きではないという印象を持たれる。

 そんな僕が出会ったかすみという女性。彼女にはゆかりという一卵性双生児の姉妹がいる。入れ替わったりして騙しているうちにどちらが自分なのか区別がつかなくなってしまったという、自分というものが誰なのか迷いを持っている女性だ。
双子であるゆえに、考え方も、行動も似てくる。それは恋する人も…。自分の気持ちに迷うかすみと僕が惹かれあっていく。
これがSide-A。

 Side-Bはその続きで、衝撃的な事件が起こっている。
仕事環境も変わり、「僕」は、過去の自分、過去の恋愛と向き合い、愛が何なのか、自分の気持ちを素直に受け入れていく。
 仕事とか、上司その他との人間関係とか、細かいところも丁寧に書かれていて、2冊とも飽きずに読めました。

 本多さんの作品は、どこがと言われたら難しいけれど、日本語が綺麗な印象があります。
読んでいるうちにとても吸い込まれて、すぐ読めてしまう不思議さがあります。
すごく静かな気持ちになれます。
 あと、「僕」のような感じで、とても論理的に思考する男性がよく出てくる気がします。
気持ちよいくらいの考えの進め方で、本多さんの作品の好きなところでもあります。
命や愛といったことは、私にもさっぱり分からない問題ですが、独自の視点でとても面白かったです。
2005.09
22
(Thu)

「空港にて」  


村上 龍 / 文芸春秋(2005/05)
Amazonランキング:1,495位
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コンビニにて
居酒屋にて
公園にて
カラオケルームにて
披露宴会場にて
クリスマス
駅前にて    
空港にて

 村上龍の作品は高校のときに何作か読みました。
ほとんどが風俗というかアンダーグラウンドで、初心な(笑)私にはかなり衝撃的な内容のものでした。
あとは「69」を読んだことがあるくらいです。
この短編は、最近何人かの短編を読んだ中で一番よかったと思います。

「空港にては僕にとって最高の短編小説です。」
 解説でも語られていました。
この短編集は、ひとつは「海外に出て行く人」の小説です。
以前は未知の世界を知る行為だった海外旅行。
現代の出発は閉塞して充実感を得られない日本社会からの脱却を意味しているといいます。
 もうひとつは、「希望のようなもの」を書いた小説です。
今の文学に必要なのは、退廃、絶望を描くことではなく、希望だと。
普通の希望ではなく、個人特有の、小さくても多くてもいい、希望。
社会の有様をよく見ている人なんだと思いました。

「コンビニにて」は目眩がしそうなほど、本当に些細な一瞬の情景描写が細かくておどろきました。
「公園にて」の主婦たちの交錯する思考と行動。あまりにもリアルで、おそろしい場だ、と感じました。
一番よかったのは「空港にて」です。
すべてをあきらめてきた女性と、背中を押してくれる男性。
最後の4行にものすごく大きな「希望」を感じて私は、すごく、ほっとしました。

2005.09
20
(Tue)

「目下の恋人」  

 

辻 仁成 / 光文社(2005/07/12)
Amazonランキング:17,758位
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夜中にたまたまみたテレビドラマか映画が目下の恋人だった。
たしか萩原聖人と井川はるかが出ていた。
そのときのストーリーは忘れたけど、なぜか見たこの番組を覚えていた。
美人じゃないし、賢くない。ちょっと自信なさげだけど前向きな女の子ネネちゃん。
プレイボーイな彼氏のヒムロはネネのことを「目下の恋人」と呼ぶ。
つまり、今のところの恋人、ということだ。
そんなこといわれたらさびしいし、不安になる。冷たくて、ほかの女の子と仲良くするヒムロにやきもちをやく。
でもその呼び方の謎はヒムロの先祖、おじいさんとおばあさんにあった。
なんだかきれいな話だと思った。ヒムロはヒムロなりの愛情表現をしていたのだ。

 映画の「目下の恋人」は、調べたら同時収録の「優しい目尻」と「目下の恋人」がドッキングしたものだったようだ。優しい~の主人公アカリが妊娠して、彼氏と愛人どちらの子供かわからない。しかも彼らはアカリを「目下の恋人」と呼んでいるという設定のようだ。

 ほかの短編は、不倫する中年男や、男を渡り歩き遊びほうける若い女などの話で、きれいだともうらやましいともかんじなかった。同時多発テロととある男の話が2編。
2005.09
14
(Wed)

「ピンク・バス」 


角田 光代 / 角川書店(2004/06)
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 短編2作収録。
 妊娠して浮かれているサエコの家に、突然夫の姉がやってくる。真夜中にハムを食べたり化粧をしたり、怪しい行動・言動をとる姉の実夏子。
ミカコの行動一つ一つにいらだつサエコ。
サエコは、人生の節目節目で、自分の生きる「型」のようなものを演じて生きてきた。
今度は幸せな家庭を持つ完璧な主婦を演じるのだ。
そこに現れた義姉や夫にいらいらする自分。
大学生のとき、浮浪者とつきあい、浮浪者のように生活したことなどを思い出したりする。

 なんか、こういうだらだらした生き方見てると、こんななりたくないなと感じてしまいますねぇ。
こういうかんじの人が題材の小説はたくさんあるし、面白くないとは思わないんだけど、どう解釈していいのかイマイチつかめません(^^;)
表紙がかわいかったという、ジャケ買いです。
2005.09
13
(Tue)

空中ブランコ 


奥田 英朗 / 文藝春秋(2004/04/24)
Amazonランキング:1,774位
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これは面白かった~。
「イン・ザ・プール」と同じシリーズ。
 精神科医伊良部とその患者たちの話です。
伊良部は、伊良部総合病院の息子で、精神科を担当している。
しかし、彼は普通の医者ではない。なんだか変なのだ。
太っていて、ものすごくたくさん食べる。
そして、注射を打つところを見るのが大好きで、患者が来たらとりあえずビタミン剤をうとうとする。
精神科の治療らしい治療をやってくれない。
精神科は病院の暗い地下一階にあり、看護士はマユミという若い女だけだ。
マユミはボディコンに近いミニスカートで胸のはだけたようなナース服を着ており、いつもタバコをふかしながらねそべって雑誌を読んでいる。
 
 伊良部に振り回されながらも、患者がなんだかんだ立ち直っていくから不思議で可笑しい。
絶対かかりたくはないけど、なんだか憎めないのがこの伊良部さんなのだ。
「空中ブランコ」 飛べなくなったサーカス団員の話。
「ハリネズミ」  先端恐怖症のヤクザの話。
「義父のヅラ」  悪戯の衝動に駆られる精神科医の話。
「ホットコーナー」イップスで投げられないプロ野球選手の話。
「女流作家」   今まで書いた内容を何度も確認したい不安に駆られる女流作家の話。

 「義父のヅラ」がお気に入り。はらはらしつつもばかばかしくていい。
インザプールも読みたいけど図書館にあるかどうか。

 映画・ドラマにもなってた?みたことないけど。
松尾スズキと阿部寛がやったらしいけど、伊良部は松尾スズキのほうがイメージかなぁ。
あと、マユミは釈由美子でぴったりかもしれない。
読書苦手な人にもお勧め作品です。 
2005.09
04
(Sun)

「見上げれば 星は天に満ちて」 


浅田 次郎 / 文芸春秋(2005/05)
Amazonランキング:20,969位
Amazonおすすめ度:


浅田次郎氏が、今までに読んで、多くの人に読んでほしいと思った作品が載っています。
どれも、文学史で名前だけ知っていたり、国語の問題にあったような、昔の文章。
この本のようなすばらしい 機会がなければ、よむことはなかったでしょう。
収録されているのは、森鴎外、谷崎潤一郎、芥川龍之介、川端康成、中島敦、山本周五郎、永井龍男、井上靖、松本清張、梅崎春生、立原正秋、小泉八雲の作品。
メジャーな作品ではなくて、短編。感動する話とかではないけれど、話のテーマにするところが今の小説にはあまりない着眼点のような気がしました。
 何がすごいとかよくわかりませんが(^^;)
私の中では、井上靖の「補陀落渡海記」が印象に残っています
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4040です*
最近のお気に入りは、梨木香歩さん、森博嗣さん、伊坂幸太朗さんです。
私も読んだぞという方は、これもいいぞという方は是非教えてください♪

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