☆4040の本棚☆ 文庫とミステリに偏っている私的な読んだ本のおぼえ書きです。
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2006.01
31
(Tue)

「蛇を踏む」 


川上 弘美 / 文藝春秋(1999/08)
Amazonランキング:40,302位
Amazonおすすめ度:


 川上さんがいうところの「うそばなし」を集めた作品集。
繰り広げられる世界は、どこか現実のようで非現実的だ。
川上さんの空想の世界がこの本の中には広がっている。

**蛇を踏む』
 表題作「蛇を踏む」は96年の芥川賞受賞作品。
 サナダヒワ子は、仕事に行く途中、蛇を踏んでしまった。
蛇は「踏まれたので仕方ありません」と語り、溶けて女性の姿になり、ヒワ子の家に住み着くようになった。
勤め先のカナカナ堂の女主人もずっと蛇と暮らしているという。 
主人は、妻のそんな姿に危機感を抱き、ヒワ子に蛇を追い出すように進める。
しかし、ヒワ子は、事態をそのままにしておく。
すると、蛇は「蛇の世界に来ないか」と執拗に誘うようになる。

 解釈が難しい作品でした。蛇という気持ちの悪い存在。蛇が人間に化けるという面妖さ。蛇に絡めて考える自分の体験。なんでも知らない振りを通してきたヒワ子に襲い掛かる蛇との戦い。
 不思議な雰囲気で、緊迫したまま、幕は閉じる。そこから、先のことはわからない。

**『消える』
 巨大なヒカリ団地。そこは、家族ごとに家族の慣わしが色濃い場所。
 父母と、二人の兄、私の5人家族。
結婚を控えた長兄は、ある日突然消えた。いるのであるが、姿は見えない。曾祖母も消えたことがあるという。日々の暮らしは何事もなかったように過ぎる。誰も兄が消えたことを気にしていない。
 長兄の変わりに次兄のもとに嫁いできたヒロコは、新しい家族の風習や空気になじめず、次第に縮んでいく。
 家宝のゴシキという壷は、姿を消した後も鳴き続ける。
「私」ももうじき嫁ぐことになった。体が膨張していく。長兄はそれをなでてくれる。

 おかしな家族ごとにあるきまりごとや、風習、秘密。そういう家族ごとの世界が何の疑問もなく淡々と語られる。消えること、ゴシキ、結婚の風習、祭り、管狐、縮む・・・。
 何かが消え、変化しても、家族はそれを気にすることなく、毎日を過ごしていく。なんだかさびしい話でもあった。

**『惜夜記(あたらよき)』
 19の小さな作品からなる話。夜の世界。夜というか、まるで不思議な夢を見るような話だった。
 偶数番号の話は、一応続いている。私と少女の話だ。夜の世界で流されながら、少女を追い、突き放し、争い、求める。
 奇数番号はばらばらであるが、夜の世界の不思議な話ばかりである。悪夢のようなものもあれば、結局さっきのはなんだったのだろうというものもある。
 じつに不可解な夢を見ている気分になる話だった。

 不思議な世界感を持った作品だから、そこに意味を求めようとしたり、意味の分からない文章が並ぶのを見るのが苦手だったりするならば、この話はちょっとおもしろくないと感じてしまうかもしれない。
 夢の中であるとか、空想した世界を文で形にして見ることができるというのがうらやましいと感じる。
 雰囲気を楽しんだ話だった。
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2006.01
30
(Mon)

「沙高楼綺譚」 


浅田 次郎 / 徳間書店(2002/05)
Amazonランキング:154,940位
Amazonおすすめ度:



「沙高楼にようこそ。今宵もみなさまがご自分の名誉のために、またひとつしかないお命のために、あるいは世界の平和と秩序のためにけっして口になさることのできなかった貴重なご経験を、心行くまでお話くださいまし。いつもどおり、前もってお断りしておきます――お話になられる方は、誇張や飾りを申されますな。お聞きになった方は、夢にも他言なさいますな。あるべきようを語り、巌のように胸にしまうことが、この会合の掟なのです――・・・・」 
 
各界の名士たちが集う「沙高楼」。
青山の高級マンションの最上階。洋館のような一部屋でその会は行われる。
 ミステリアスな女装をした主人に誘われ、様々な方面の人間が、いJ分の秘密を暴露しあう。
 金持ちのただの道楽か。深い意味があるのか。
  人生の中で出会った面妖な体験、普通なら口が裂けても明かすことはないだろう秘密。聞くものも、話すものも、一様にずしりと重いものを抱える。そんな会である。 
 そういう高貴な(?)設定で、話が続けられるというのはなかなか興味深いです。江戸川乱歩に、赤い部屋だったか、そういうミステリアスな話をしていく会みたいな短編があったのを思い出しました。
 浅田さんの作品は、どちらかといえば人情系の話ばかり読んでいたので、ちょっと違う感触がありました。
 女(風)主人が誰なのか、なぜこの会が開かれているのかは謎のまま。続編もあるようで、読んでみたいなと思います。
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2006.01
29
(Sun)

「初ものがたり」 


宮部 みゆき / 新潮社(1999/08)
Amazonランキング:28,657位
Amazonおすすめ度:


再読です。
 このブログ上で宮部みゆきの本を紹介するのは初めてです。
でも、中高校生のときは宮部作品が好きでよく読んでいました。でも大学に入ってから減ってしまいました。
 私が読んだ宮部作品はなぜか時代小説のほうばかり。
「模倣犯」など、現代が舞台の作品は「レベルセブン」「魔術はささやく」くらいで読んでいないんですねぇ。宮部さんの描く、江戸の町が、人がとても生き生きしていて大好きなんです。すごくソフトで読みやすい。

 題名通り、蕪、白魚、鰹、柿、鮭、桜といった「初もの」が絡む謎の事件が並んでいます。
 本所深川一体をあずかる岡っ引きの茂七、通称「回向院の旦那」が中心となり、江戸で起こる謎の事件を追っていくという短編集です。江戸の町人の生活が生き生きとしていて、事件も江戸時代ならではの事情を含ませた奥深いものです。

 ところが、この話を読んで、誰もが持つ感想は、おそらく「美味しそう!」でしょう。
 江戸の町には珍しく、夜中まで屋台を開いている稲荷寿司屋。
茂七が通うこの屋台で出される料理。稲荷寿司だけではなく、椀物、酒、菓子まで出してしまう屋台で、しかもものすごくうまい。稲荷寿司、味噌汁、すいとん、白魚蒲鉾、桜餅、熱燗・・・。読んでいるだけで、すごく食べてみたくなります。
 新しくできたこの屋台であるが、近くの悪党どもがそこだけは近寄らず、一目置いている。そして、店の親父も正体不明である。茂七は武士だったのではないかと踏んでいるが、どうにもわからない。この稲荷寿司屋の親父の謎も、短編全てを通してからんでいておもしろい。

 この初ものがたりは、この作品の中で話が完結していない。宮部さんは続き物として書いていたようだけれど、掲載誌の廃刊でそれがストップしてしまったそうです。いつか続編が書かれることを切望するばかりですね。
 
<収録作>
  お勢殺し    
  白魚の目    
  鰹千両     
  太郎柿次郎柿  
  凍る月
  遺恨の桜
2006.01
28
(Sat)

「地球儀のスライス」 


森 博嗣 / 講談社(1999/01)
Amazonランキング:171,620位
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 森博嗣さんの短編集その2。
 「まどろみ消去」よりも、詩的な雰囲気が抜けて、読みやすかったと思います。それでも、「世にも奇妙な物語」にでもできそうな、不思議で怪しい話もあって、深くて理解できてないんだろうなぁと感じること多々。
 そして、また、最後まで読まないとわからない、騙されているという、手法にまんまとひっかかってしまいます(^^;)
 S&M番外編も2編収録。前作より、テーマになっているミステリィが深くておもしろかったです。そして諏訪野さんが大好きになりそうな作品です。ところで、彼は何歳なのでしょう??かなり昔から西之園家に要るみたいですが・・・。

 一編一編の扉絵は、ささきすばる氏によるもの。短編集の雰囲気にぴったりの神秘的でシャープな絵で素敵です。そのあたりもチェックです(なんのために?)

小鳥の恩返し(The Girl Who was Little Bird)
 病院で殺された父親。犯人の残した小鳥。「恩返し」と現れた女性。真相は思いがけないところに・・・。
片方のピアス(A Pair of Hearts)
 陰と陽。双子の兄弟。どうして先に出会わなかったのか。残された彼は誰?
素敵な日記(Our Lovely Diary)
 日記は人の手に渡る。繰り返される殺人。見ているのは日記だけ。
僕に似た人(Someone Like Me)
 不思議な話。詩的な雰囲気。なぜ人の顔は全部違うの?
石塔の屋根飾り(Roof-top Ornament of Sone Ratha)
 西之園萌絵主催「黒窓の会」。犀川の出した一枚の写真に関するミステリィ問題。それは西之園博士が考察したインドの石塔に関する謎。そしてすべては諏訪野老人がさらっていった。
 出演:萌絵・犀川・喜多・国枝・佐々木睦子・西之園捷輔・諏訪野
マン島の蒸気鉄道(Isle of Man Classic Steam)
 舞台はイギリスの西之園別荘。マン鉄道のエンブレムの謎。犀川の推理と、諏訪野のユーモア。
 出演:萌絵・犀川・喜多・大御坊・睦子・諏訪野
有限要素魔術(Finite Element Magic)
 妖艶な話。「生から死への一瞬の夢を今ご覧に入れよう」
河童(Kappa)
 過去の記憶。不思議な友人。消えた湖。
気さくなお人形、19歳(Friendly Doll,19)
 怪しいアルバイト。金持ち老人の趣味か、狂っているのか。
僕は秋子に借りがある(I'm in Debt to Akiko)
 突然現れた秋子。信じられなかった、僕が悪い。不純なのは僕だった。



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2006.01
27
(Fri)

「これからはあるくのだ」 


角田 光代 / 理論社(2000/09)
Amazonランキング:251,652位
Amazonおすすめ度:


 角田光代さんのエッセイ集。
「これからはあるくのだ」は、ある災難による恐怖感から、歩くことにしたという話。
それだけではなくて、エッセイ集全体が、なんとなく前に前に引っ張られていくかんじがしました。よくわからないけれど。

 角田さんがどんな人なのかわかります。
 ちょっと変わっていた子どものころ。
 そのせいで抜け落ちているイロイロな知識。
 のほほんとしているところ、ちょっとドジなところ。
 日常の中で感じる怒り、恐怖、幸福。
 とても自然な角田さんの姿が見え隠れします。
2006.01
25
(Wed)

「手紙」 


東野 圭吾 / 毎日新聞社(2003/03)
Amazonランキング:5,547位
Amazonおすすめ度:


 
 困窮した生活の末、弟の大学進学を実現させるために、強盗に入った兄・剛志。しかし思いがけず、老女を殺害してしまった。
 弟・武島直貴の元には、それ以来、月に一度刑務所から兄からの手紙が届くようになった。直貴の生活は一変。「強盗殺人犯の弟」ということで、進学も、夢も、就職も、恋愛も、ことごとくうまくいかなくなってしまった。前向きに生きているように見えても、周りの「差別」が付きまとう。兄への言いようのない憎しみ。次第に呑気な兄の手紙を、直貴は読まずに捨てて行くようになる・・・。

 
 お勧めを受けたので、早速読んでみました。
ミステリーではなく、犯罪者の家族の視点から描かれた物語です。
しかも、よくある報道のされ方や偏見のつらさという内容ではありません。加害者家族が負う困難や、加害者自身が負わなければならない罪、そして彼らが受ける差別の意味を問いかける内容でした。
 毎月送られてくる兄の手紙を通し、事件を、そして兄をどう捉えていくのかがとても気がかりで、目が離せず、一気に読みました。ラストの終わらせ方も、すばらしかったと思います。涙モノです。
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2006.01
23
(Mon)

「まどろみ消去」 


森 博嗣 / 講談社(1997/07)
Amazonランキング:325,703位
Amazonおすすめ度:



 短編集の一作目です。
 普段の作品が長いので、短いと「うーん」となってしまいます。
 結構解釈が難しい作品もありました。
 
 読んでいるものの先入観をうまくひっくり返す手法は、流石です。
何回も騙されてしまいました。


虚空の黙祷者(Silent Prayer in Enpty)
 夫の失踪と、風化しそうな殺人事件。誰が何を許すのか。
純白の女(The Lilies of her Cheeks)
 夢を見ているのは誰?(理解するのに時間がかかった。)
彼女の迷宮(She is Lost in Mysteries)
 小説家の話。最後まで何がその人の「役割」か分からない。
真夜中の悲鳴(Acoustic Emission)
 大学の実験室。闖入者現る。
優しい恋人へ僕から(To My Lovely)
 "スバル氏”への愛。だからって騙されてはいけません。
ミステリィ対戦の前夜(Just Before the Battle for Mysteries)
 西之園萌絵 VS ミステリィ研究会部長。
誰もいなくなった(Thirty Little Indians)
 ミステリィ研究会主催のミステリィツアー。
 「あれが・・・・、犀川先生か」
 出演:萌絵、浜中、牧野洋子、犀川ら。
何をするためにきたのか(The Identify Crisis)
 不思議ワールド。
悩める刑事(A Detective in Distress)
 悩む夫と悩む妻。殺人事件に仕事。悩める刑事は誰か。
心の法則(Constitutive Law of Distress)
 不思議ワールド。薄気味の悪い雰囲気。
キシマ先生の静かな生活(The Silent World of Dr.Kishima)
 大学教授のキシマ先生。風邪の噂はさびしい終わり。
2006.01
18
(Wed)

「有限と微小のパン」 


森 博嗣 / 講談社(2001/11)
Amazonランキング:27,949位
Amazonおすすめ度:


 S&Mシリーズ、最終巻。ようやく10巻目です。「密室・仮想(バーチャル)」という感じでしょうか。
10巻目記念ということで、今回は図書館ではなくちゃんと買いました(笑)ノベルスじゃなくて文庫だったので、京極さん級の分厚さに驚きつつ・・・。

 あらすじは・・・・・
 ゼミ旅行の地、長崎に一足早く旅に出た西之園萌絵と牧野洋子、反町愛の3人(ラブちゃんはついでに参加)。そのヨーロッパ風のテーマパーク「ユーロパーク」は、日本最大のソフトメーカ「ナノクラフト」が経営している。その社長塙氏は、萌絵の元・婚約者だ。ユーロパークは、塙が、萌絵のために作ったテーマパークだという。
 そのユーロパークには「シードラゴンの事件」と呼ばれる謎の死体失踪事件があったと聞き、萌絵は興味を示す。
 しかし、3人の目の前で殺人事件が起こる。血まみれの死体は、一同が目を話した隙に、腕だけを残して忽然と姿を消してしまった。その後、死体消失の場にいた女性も完全な密室の中で殺害されてしまった。
 一方、犀川は、妹の儀同の家を訪れた際、ナノクラフト社製のゲームを知る。そのゲームのラストに現れる謎のシーンが話題を呼んでいるという。
ちりばめられたメッセージから、事件の背後に真賀田四季が関わっていることに二人は気がつく。そして博士のほうから、二人に接触し始めた。博士の狙いは犀川だと考えられる。博士の単なる「遊び」なのか、何か狙いがあるのか。事件は博士が起こしたものなのか。
 ユーロパーク地下の研究所のどこかに博士はいるはずなのに、なかなか姿がつかめない。そんな状況の中で事件を考えていくことに・・。


 最終巻に、1巻「すべてがFになる」で姿を消していた、天才・真賀田四季博士が再登場します。身を隠して活動していた彼女が、再び萌絵と犀川にコンタクトを取ってきます。
 なんとなく、犀川と博士の最終対決じゃないけれど、なんらかの「結末」があるのかと思いましたが、そうではありませんでした。10巻通して読んできて、二人にとって真賀田四季がどのような存在だったのか考えさせられる話でした。たしかに、安易に博士が警察に捕まるなんてことになってもおもしろくない。
 事件自体は、「実際にあったらそりゃすごいわ」と思えるトリックでしたが、「F」ほどの衝撃はありませんでした。
その分、私は、博士の存在と、萌絵や犀川の心という部分がとても気になりました。
 
 最近になって、ようやくまとまって本を読み出したので、よく分からないのですが、ミステリーで人物に引き込まれたり、成長が伺えたり、事件とはあまり関係のない部分が書き込まれているものは、はじめて読みました。ミステリーに関係ないとか、会話がうまく書かれていないとかいう意見もあったりしますが、私はとてもおもしろく読むことができました。何気ない社会の法則などが、論理的に描かれているところなど、たまに分かりませんでしたが、なるほどーと思って読んでいました。
 多分、色々なところにつながっていく作品好きなんです。漫画とかでも、最終回を迎えたキャラクターが、次の作品に微妙に関わっていたりするとなんだかうれしくなりませんか?
 S&Mシリーズは終わりですが、次のVシリーズにも、Gシリーズにもつながっていますし、S&MとVを通して「四季」もつながっています。芋づる四季であれも読みたい、これも読みたい・・となっていくっていうすごい作品たちです。
 
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2006.01
17
(Tue)

「秘密」 


東野 圭吾 / 文藝春秋(2001/05)
Amazonランキング:4,889位
Amazonおすすめ度:


東野圭吾さんの作品、初めて読みました。
おもしろそうだし、合併先の大学のOBだしで興味はあったのですが、その前に森博嗣にはまってるので、読む気がありませんでした。
今回、お友達に貸してもらったので、卒論提出3日にも関わらず読みました。
 なかなかおもしろかったです。全てはラストですね。みなまで語るとおもしろくないです。ラストはとても素敵でした。

 どんな話だろうと思ったら、数年前(かなり?)に広末涼子が主演で映画化された「秘密」だったんですね。見たことはないけれど知っていました。

 杉田平介の妻・直子と、小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスががけから転落。妻は死亡、娘は意識不明で目を覚まさない。そんな絶望的な妻の葬儀の後、奇跡的に娘が目を覚ました。
 しかし、目を覚ました娘は娘ではなかった。藻奈美の体に宿っていたのは、死んでしまった妻の直子だったのだ。
 その日から、旗から見ると父親と娘、しかし、本当は夫と妻という奇妙な生活が始まった。

 大体こんな感じのお話です。
藻奈美として生きる直子とその生活。互いに愛し合っているが形は娘であるがゆえの葛藤。そんな二人の「秘密」の生活。
 それだけではなく、ちょっとミステリーの部分も見え隠れしている。「過労」で事故を起こした運転手。彼は何のために身を削って働いていたのか?という「秘密」。
 そんな秘密の生活の行く末は・・・・?
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2006.01
15
(Sun)

yonda? 

yonda>



 新潮文庫のYonda?グッズが届きました。
20枚集めたらもらえる、マグカップとフリップブックです。
4種類のうちの、緑のカップです。テーマは「雨」のようです。

 パンダが好きで、100%orangeの絵も好きなので、今のグッズはとても素敵。5枚とかで応募しないで、今までとっておいてよかったです。

 本は買うのですが、それが新潮文庫であることはそんなに多くありません。残念ながら。好きな作家さんの本が新潮文庫だったらちょっとうれしくなります。
 そういえば中学生のとき、初めて手にした文庫は新潮文庫でした。だれも読んでいない雰囲気が漂っていたので、ちょっと大人になった気分でした。背伸びして三島由紀夫を読んでみたりして。(今読んだらあのころよりはわかるのかなぁ。いつか読んでみなくては。)

 また読書を続けて、いつかたまる日を楽しみにしておこうと思います。 
2006.01
14
(Sat)

「パレード」 


川上 弘美 / 平凡社(2002/04/25)
Amazonランキング:53,096位
Amazonおすすめ度:


 「センセイの鞄」の番外編。

 初夏の昼下がり。センセイとツキコさんはそうめんの準備をして食べます。(これもまた、薬味がぱりっとしていておいしそうだ)。
それからお昼寝をして、目を覚ました二人。

「昔の話をしてください」とセンセイが言った。

 ツキコさんは、小学生のころ、自分に憑いていた小さな天狗の思い出を話します。

 
 作者の川上さんは、自分の物語が終わってしまった後、登場人物たちがその後どうなったのかに思いをはせるそうです。そして、作者も知らない、登場人物たちの日常のことを思うそうです。
 ツキコさんとセンセイはどんな時間を過ごしたんだろう。
作者も知らなかった、物語の背後にある世界。
それを考えて書かれたのがこの本です。

 私は、長く続いた漫画の「番外編」が好きです。終わったものの続きとか、裏の話が見れると、また彼らに会えたことにうれしくなります。
小説の番外編にあまり出会ったことがなかったので、大好きな「センセイの鞄」の番外編に出会えたことはとてもうれしかったです。

 ツキコさんとセンセイがおつきあいをしてからの話は、本編にはありませんでした。たぶん、このパレードの一日は、その中の一日なのだと思います。
とても短い話でしたが、あの物語の暖かい雰囲気は十分味わうことができました。ツキコさんの天狗の話も、ちょっぴり寂しくて不思議な話でよかったです。
途中の挿絵もかわいらしくて、物語の世界にぴったりです。
ゆったりしたいときに読むと素敵な本です。
2006.01
12
(Thu)

「海辺のカフカ(下)」 


村上 春樹 / 新潮社(2005/02/28)
Amazonランキング:7,663位
Amazonおすすめ度:


海辺のカフカ後編です。前読んだ時とブランクがあいてしまいました。

 幼いころの謎の事故により、記憶をなくし、読み書きもできない知的障害者として中野区で暮らしてきたナカタさん。猫殺しのジョニーウォーカーさんを殺害してしまい、何らかの直感に導かれて四国にやってきた。道筋、出会った星野青年とともに、「入り口の石」を探し、高松までやってきます。

 一方、家出をし、高松の図書館で暮らしているカフカ少年。
東京では、自分の父親が殺害され、行方不明の息子は捜索中と報じられている。しかし、後戻りはできない。
 悲しい過去を持ち、神秘的な存在である佐伯さんに興味を抱き、恋をする。佐伯さんは彼にとって、彼は佐伯さんにとってどのような存在なのか・・・。

 不思議な世界を交えつつ、ナカタさんとカフカ少年のいる位置は近づいていきます。「入り口の石」とは一体なにか。ナカタさんは何をしようとしているのか。それがカフカ少年や佐伯さんにはどのように関わってくるのか。

 
 不思議なままで、難しいこと、物語が伝えている真意などは私にはわかりませんでした。でも、なんだかおもしろいと感じました。

 特にナカタさんが好きです。謎の事件に見舞われ、「ふつうの」人間と同じように生きることができなかったナカタさん。でも彼の中には、そのことに対する悲しみはなく、いつもおおらかでした。彼は今の生活で十分幸せでした。彼の独特な話し方に落ち着きました。
 ナカタさんと一緒に旅をした星野青年もよかったです。威勢のいい運転手の兄ちゃんが、素直にナカタさんの話を聞き、徐々に自分の中で何かが変わったと自覚しているところがとても好感が持てました。
 カフカ少年サイドが、なかなか哲学的で難解だったため、この二人のちぐはぐ道中が楽しかったです。
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2006.01
04
(Wed)

「数奇にして模型」 


森 博嗣 / 講談社(1998/07)
Amazonランキング:139,329位
Amazonおすすめ度:


 S&Mシリーズ9作目。
今回は「密室・型・オタクの世界」というかんじの作品でした(ちょっと違う)。

 那古の市内でほぼ同じ時刻に起こった2つの殺人事件。この2つの事件の共通点は、寺林という大学院生だった。
ひとつは、M大学のある実験室で上倉という女性が絞殺されたという事件。発見された当時、部屋は密室。部屋の鍵を持っていたのは、上倉とと会う約束をしていた寺林と、研究室の助教授だけだった。
 もうひとつは、模型交換会(模型マニアの集い)会場の一室で、首のない女性の遺体が発見された事件。しかも、密室の部屋で、女性の遺体とともに発見されたのは寺林だった。寺林は何者かに頭を殴られ、意識を失い、そこに倒れていたのだ。
 状況は寺林が犯人のように思えるが、彼自身が殴られている上、時間的に二つの殺害を行うのは難しい。一体誰が、どうやって、何の目的で二人の女性を殺したのか。二つの殺人は同一犯なのか。首はなぜ取り払われてしまったのか。

 この模型交換会の主催者は大御坊安朋という模型マニアの作家。彼(彼女・・じゃないよね)は、萌絵の従兄弟だった。萌絵は彼のある頼みごとを断れずに会場にやってくる。一方、模型が好きな喜多は、友人の犀川を連れて模型交換会に参加。実は二人は大御坊と同級生である。萌絵と犀川の二人は、事件に関わることになってしまう。

 事件を探る中で萌絵は、被害女性の兄で、彫刻家の筒見紀世都と知り合う。奇抜な「芸術」、独特の世界観の持ち主の彼に萌絵は違和感を持つ。

 
 この作品は、模することや型についての話がよく出てきました。本物と模型の違いの論であるとか、あと何回か読まないと私には理解できそうにもありません・・・(´`)
 様々な型に当てはめてこの事件を考えてはいけない。こうであることが当たり前という前提を持って考えると、絶対に解けない。

 だからちょっと犯人が今までになく気持ち悪かったです。
萌絵が危険に陥ったからかもしれませんが。ちょっとスリリングです。

 今回の作品にはユニークな登場人物が登場します。
 一人は、大御坊安朋。
ちょっと髪の毛がさびしいが、30代の平均的な顔立ちや体格で、普通の日本人である。しかし、格好はぴったりした黒ずくめの艶かしい服に派手なヒールの高いブーツ。しかもなぜかおねえ言葉で話す。
犀川が彼を見て思い描いた6つの可能性がおもしろかったです。最初はなんだか気に入らなかったけれど、いい人でした。
 もう一人は反町愛。通称ラヴちゃん。
萌絵の友人で、N大の医学部4年生だ。萌絵と同じ高校の同級生で、ラヴちゃんは浪人したので、大学でも萌絵とは同級生だ。見た目は女性だけど、大柄でがに股で歩き、男っぽい言葉使いで話す。たぶんこんな友達いたらかっこいいなぁ。次の「有限と微小のパン」にも登場します。

 今年の年越し読書はこの「数奇にして模型」でした。どんな年越しよ・・・。でも、とてもおもしろかったです。
さて、後残りは一巻。
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4040

Author:4040
4040です*
最近のお気に入りは、梨木香歩さん、森博嗣さん、伊坂幸太朗さんです。
私も読んだぞという方は、これもいいぞという方は是非教えてください♪

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