☆4040の本棚☆ 文庫とミステリに偏っている私的な読んだ本のおぼえ書きです。
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2006.08
30
(Wed)

「ラッシュライフ」 


伊坂 幸太郎 / 新潮社(2005/04)
Amazonランキング:4,534位
Amazonおすすめ度:



 賢い泥棒黒澤は今日もうまく盗みに入ったつもりだった。
 リストラされて再就職先を探す豊田は拳銃を手に入れた。
 京子は不倫相手の妻を殺しに行く途中に動くバラバラ死体に出会った。
 父親の自殺を引きずる河原崎は自分の信じる「神」の解体に立ち会う。

 一見関係のない4者の物語。
 

 推理小説といえば、犯人や、その犯行の方法がどうだったのか、警察や探偵といった探偵役が暴いていくのが普通だ、と思います。
けれど伊坂さんのはちょっと違う。まぁ、まだ3作しか読んでいないのですが。だから、この作品は違うという言い方にしておきます。
 この作品は、主だった登場人物がいて、大きなひとつの事件を解いて行くという形ではありませんでした。
もちろん、話の中心を掠める主だった謎や事件があって、それが最後に分かるようなカタチですが、それを隠しているのは、物語全体の構造なのです。
この作品にはたくさんの、一見互いに関係のない人々が出てきます。彼らの中には、大きな犯罪に関わるものもいれば、軽犯罪を犯すものも入る。犯罪には関わっていないものもいる。
それらがどこかで少し接点を持ってきます。その少しの接点が話をおもしろくさせるのですが、最後の最後で、こうだと決めてかかっていたことが覆されてしまうのです。
この作品の場合はそれが「時系列」でした。事件の謎の真実と、話し全体の構造の真実。それがパズルみたいにパタパタと分かるすっきり感がたまらない作品です。

 それにしても、伊坂さんの作品に出てくるワルモノはなんてかっこよいのだろう。
この作品だったら、泥棒の黒澤。泥臭い泥棒ではなくて、クールで淡々としていて頭が良い。
「グラスホッパー」にも誰だかいたような気がするし、「陽気なギャング」は全員そうだった。
泥棒に入られるのは嫌だけれど、伊坂さんが書く泥棒にはどきっとしてしまう。

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2006.08
24
(Thu)

「朽ちる落ちる散る」 


森 博嗣 / 講談社(2002/05)
Amazonランキング:86,835位
Amazonおすすめ度:

 
 Vシリーズ第9作目。シリーズもいよいよ佳境です。

 「土井超音波研究所」で起こった、二人の博士の死亡事件。その後の調査で開かずの間と化していた地下室に警察の調査が入った。
不自然な地下室の奥底で、奇妙な状態の死体が発見される。部屋は天井にしか出入り口がなく、ハッチのようなふたも、閉められていた。
それ以前に、その部屋がある空間へ入るには、土井博士の部屋をとおらなければならないが、その入り口は中から鍵がかけられていた。
つまり、中に入った人間でなければ、その部屋を閉ざすことはできない、密室状態である。
では、中にいる人間は自殺ではないのか?しかし、死体は、自殺では到底できないような威力で壁に叩きつけられたような状態だった。
ほかに出入り口はなく、もう一人別の人間がいたとも考えられない。
紅子たちは、いかにして密室が作られ、なぜそこで人が死んでいたのか、どうやって死にいたったのかを推理する。

 一方、紅子は、小田原長治老人から、N大の周防という教授の元へいくように指示される。そこで、突拍子もない情報を紅子は聞かされることとなる。
それは、1年前打ち上げられて帰還したアメリカの人工衛星の話だった。帰還した人工衛星の中で、宇宙飛行士の4人全員が、3人は矢のようなもので刺され、1人は首を絞められて殺害されていたという信じられない話であった。
極秘情報であるこの情報を、なぜ紅子は伝えられたのか困惑する。
 紅子は、この恐ろしい謎と、土井科学研究所における事件が、どこに接点があるのかわからないが、つながっているのではないかと思い始める。

 そして事件は、ただの殺人事件と、アメリカの関係のない話ではすまなくなってくる。
そこには、件の纐纈氏の亡くなったとされる娘・苑子が関わっていること、そして彼女が関わっていると考えられるテロリスト集団が関係していることが見えてくる。
纐纈苑子は小鳥遊にそっくりである。纐纈苑子は実は生きているのか?そして、一連の事件の何かを知っている小田原教授の隠している真実とは?
 地下室の死体と、宇宙船の殺人事件、そしてテロリスト達のこと。
紅子には解かねばならない謎が押し寄せてくる。
 そんな中、事件に足をつっこんだためか、紅子が男達に襲われてしまう事件が起こったこともあり、いつになくスリリングな雰囲気がただよう作品である。



この作品を読むには、まず、「恋恋蓮歩の演習」を読んでおく必要があります。このときの「土井超音波研究所」での事件のその後の話だからです。
そしてもうひとつが短編集「地球儀のスライス」。「気さくなお人形、19歳(Friendly Doll,19) 」という作品に、小鳥遊君がでてきますが、纐纈氏のもとでアルバイトをした日々がつづられています。
短編を先によんでいて、あとになってここででてきたのか・・・・と。
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2006.08
22
(Tue)

「毒笑小説」 


東野 圭吾 / 集英社(1999/02)
Amazonランキング:4,890位
Amazonおすすめ度:


収録作品
誘拐天国
エンジェル
手作りマダム
ホームアローンじいさん
花婿人形
女流作家
殺意取扱説明書
つぐない
栄光の証言
本格推理関連グッズ
誘拐電話網
巻末特別対談 京極夏彦VS東野圭吾 守れ、笑いの牙城。めざせ、「お笑い」ルネッサンス!


 ミステリー作家として名高い東野圭吾さんの本です。
ですが、ミステリーではありません。
「ギャグ」小説なのです。

 ひとつひとつの短編が、どこか毒をたっぷり含んだ笑える小説。
「世にも奇妙な物語」に出てきそうな話といえばちょっとわかりやすいか。
人間や社会の駄目な部分をついていそうで、思いっきりふざけて終わっていたり、
ありそうで誰も書いていなかったんだろうなと思える話があったりします。
「誘拐天国」などは、法外にお金持ちの爺さんや、いかにも金持ちというような名前など、
ふざけて書いたとしか思えないような設定。
それをあろうことか、ミステリー作家と呼ばれる、シリアスっぽい人が書いているのだからなおさらのこと、
ふざけて手を抜いたかのように思えなくもない。
けれど、最後の対談でも書かれているとおり、人を笑わせられるものを書くのは意外に難しい(らしい)のです。
ふざけている感がむしろ突き抜けていて、かえっておもしろい。
おもしろかったので、ちょっとくわしくレビューしてみました。
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2006.08
15
(Tue)

「捩れ屋敷の利鈍」 


森 博嗣 / 講談社(2002/01)
Amazonランキング:108,725位
Amazonおすすめ度:


 Vシリーズ第8作目は、「講談社ノベルズ20周年書き下ろしのスペシャル版」ということで、今までとは異なった風合いでした。
主に出てくるのは、保呂草潤平と、なんとS&Mシリーズの西之園萌絵だからです。
 S&Mシリーズから、20作品近く延々と読み続けてきた読者であり、かつ、推理云々だけでなくてキャラクターに思い入れがある人にとっては楽しい1冊なのではないでしょうか?
しばらく萌絵の出てくる作品に触れていなかったので、懐かしさが・・・。犀川先生のやる気のなさもひさしぶりです。
 こういう前シリーズの人物がひょっこり現れたり(漫画でも良くありますね)、つながりがある作品がつぼにはまるタイプです。

 保呂草潤平は、美術品鑑定士・秋野秀和として熊野御堂家のパーティに招かれる。(←秋野さんについては1巻参照。)これもまた、Vシリーズ5作目「魔剣天翔」と、6作目「恋恋蓮歩の演習」に出てきた関根朔太氏の「エンジェル・マヌーバ」と呼ばれる秘宝。
パーティで念願の秘宝を目にできるということで、保呂草は来訪した。
そこに、熊野御堂氏のネット友達である(えーと;;)西之園萌絵も、これまただまして連れてきた国枝桃子とともに参加していたのである。
萌絵はエンジェル・マヌーバではなく、もうひとつの披露される予定のもの、熊野御堂氏が趣味で作らせた建築物を目的として来ていた。
 その建物は、巨大な「メビウスの輪」。コンクリートで作られているが、紙のメビウスの輪と同じく、ねじれているのだ。中に入ってすすむこともできる壮大な建築物である。
中は幾重にも部屋で区切られ、部屋に二つしかないドアの片方のドアをロックしない限り、もう一方は開かないという特殊なつくりをしていた。
つまり、一度入ったら、輪を一周しなければ出られないのである。
 この「捩れ屋敷」に、秘宝「エンジェル・マヌーバ」が安置されている。
 事件はこの捩れ屋敷にて起こる。パーティの翌朝、捩れ屋敷の中で男性が殺害されているのが発見される。同時に、近くの作業小屋のなかで熊野御堂氏も殺害されて発見された。
捩れ屋敷は、鍵の性質上、犯人が中にいなければならないはずなのに、中を探った萌絵たちは発見できなかった。小屋のほうは、ドアは開かない構造。どちらも「密室」状態だった。
そのうえ、柱からとりはずせないとされた「エンジェル・マヌーバ」も忽然と姿を消していたのである。
 萌絵は、どうやって密室が作られたのか推理することになる。

 
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2006.08
15
(Tue)

「六人の超音波科学者」 


森 博嗣 / 講談社(2001/09/05)
Amazonランキング:169,743位
Amazonおすすめ度:


数ヶ月ぶりに図書館を訪れることに成功(ただしかなり古くて小さいのが難点)。
早速止まっていた「Ⅴシリーズ」を読んでみました。でも、六作目がなかったので、飛ばして、第七作目を先に読みました。

 6人の科学者が集う「土井超音波研究所」において、パーティが催される。偶然、瀬在丸紅子と小鳥遊練無が招かれる。
重病を患う土井博士は、モールス信号でしか意思疎通ができず、仮面で顔を隠し、車椅子で異動する。彼は夜、重大発表をすることになっていた。
 
 研究所のふもとの橋には、祖父江七夏をはじめとした警察が集まっていた。橋の爆破予告が送られてきているからである。
七夏一人が橋を渡った矢先、橋は予告どおり爆破されてしまう。取り残された七夏は研究所に事情を話しに向かう。
七夏がたどりついたその頃、研究室の一室で、科学者の一人ファラディ氏が絞殺されているのが発見される。
七夏と紅子の采配で、現場は保存され、保呂草と紫子がふもとの警察まで知らせに行くことに。
 
 橋の復旧と警察を待つ間、研究者達はめいめいの研究を続けるというマイペースさ。紅子と練無、七夏の3人は所内のパトロールに出かける。
しかし、何者かによって無響室に閉じ込められ、催眠ガスにより、眠らされてしまう・・。
 助けられた紅子と七夏が見たものは、首のない土井博士と見られる遺体と、呼吸を止めた練無だった・・・・。

 

 
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2006.08
14
(Mon)

「恋恋蓮歩の演習」 


森 博嗣 / 講談社(2001/05)
Amazonランキング:271,993位
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 紅子さんのVシリーズ6作目です。(私が読んだ順番では7・8の後でした。)
今回は事件が起こるまでに180ページもかかり、何事かと思いましたが、前置きは、やっぱり恋愛・・じゃなくて事件に関係のある前置きでした。
今回の主役はいうなれば保呂草。保呂草さんはやっぱり悪党だ!ねぇ紫子さん・・・。

 保呂草は、香具山紫子に詳細を話さず鈴鹿家という金持ちの家の張り込みを手伝わせていた。
それは、エンジェル・マヌーヴァに関わりのある、芸術家・関根朔太の若い頃の自画像を奪おうという計画のためだった。ジャーナリストの各務亜樹良(魔剣天翔に出没)と組んだ仕事である。
自画像は、那古野を出航し、宮崎、香港、そしてフランスへと向かう豪華客船・ヒミコ号に持ち込まれるらしい。宮崎までの1日半の間に奪わなければならない、リスクの高い仕事である。
 一方、同じく前半では、大笛という大学院生の女性と、彼女が偶然であった羽村怜人との恋愛模様が描かれる。(その間、大笛さんは紅子と友達になったりもする)。
 この人たち事件に巻き込まれるんだろうなという予測は正解である。

 鈴鹿氏を追って、船に乗船した保呂草と紫子。保呂草に翻弄される紫子さんを心配してか、紅子は小鳥遊練無と共に「うっかり」無賃乗船する。大笛も、羽村との始めての旅行としてヒミコ号に乗り込んだ。
ところが船中で銃声が鳴り、男性が海に落下するところが目撃される。それは羽村である可能性が高かった。
大船が寝ている間に事件は起こったらしく、バルコニーにはピストルは落ちているが羽村も、血痕もなにも残されていなかった。
保呂草や紅子をはじめ、船にやってきた警察の祖父江七夏らが事件を推理する。
羽村という男性は本当にいたのか。自殺なのか?それならばなぜ銃が必要だったのか?本当に羽村という男性は落下したのか・・・・?

 また、問題の絵画は鈴鹿のトランクからいつのまにか姿を消してしまった。そちらのほうの捜索も行われた。実は、保呂草はその一足先に忍び入り、トランクを開けたのであるが、すでに絵はなかった。
 絵を守りたい鈴木。絵を引き取る取引をしようとしている外国人資産家と、側近の各務。そして保呂草。誰も絵のありかは知らないように見えた。絵はこのうちの誰かが盗んだのか?誰が嘘をついているのか?もしくは最初から持ち込まれていなかったのか?
3者の思惑が絡み合って、誰が本当のことを言っているのか最後のエピローグになるまで分かりません。

 最後の真実がわかってくるあたりが、やはりおもしろかったです。
関係のなさそうな男性失踪と、美術品盗難事件が、関係のなさそうな人物のつながりでつながっていて、二つの思惑を満たしていたとは・・・。
めずらしく死人のでない作品でした(ネタばれですね)。
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4040です*
最近のお気に入りは、梨木香歩さん、森博嗣さん、伊坂幸太朗さんです。
私も読んだぞという方は、これもいいぞという方は是非教えてください♪

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