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☆4040の本棚☆ 文庫とミステリに偏っている私的な読んだ本のおぼえ書きです。
2007.07
25
(Wed)

「日曜日たち」 


吉田 修一 / 講談社(2006/03/15)
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5人の、ちょっと寂しい感じの人たちを描いた連作小説です。個々に関連のない話のようですが、彼らには共通したある記憶がありました。なんてことのない1日(おそらく日曜日)に出会った二人の兄弟の記憶。この二人の家出していると思われる謎めいた兄弟に出会ったことだけが、この短編をつないでいました。

「日曜日のエレベーター」
 30代で無職の男・渡辺。昔付き合っていた圭子という医者を目指す女性を思い出している。

「日曜日の被害者」
 夏生は友人の千影が強盗に入られた連絡をもらい、とても不安に陥る。千影と疎遠になった友人との最悪の旅を思い出す。

「日曜日の新郎たち」
 東京で一人暮らしをする健吾。九州から親戚の結婚式に、妻を亡くし、一人で暮らしている父親がやってきた。前回父親が来たときのことを思い出す。

「日曜日の運勢」
 銀座のクラブでアルバイトをしている男・田端。彼は女性に振り回されて堅実な生活というものから遠ざかってしまった。そして今度も恋人からサンパウロに行こうと言われる。何もやり通したことがないなと思索しているときに大学時代のある出来事を思い出す。

「日曜日たち」
 地元の名古屋へ引っ越そうとしている乃里子。彼女は昔付き合っていた男に暴力を振るわれ、相談に行った先で救われ、そこの仕事を手伝うようになった。引越しの途中昔であった人物に再会する。


 表紙もそうですが、どことなく武骨で、昭和というか90年代初頭というような空気を感じました。(わけわかんないですね)
 少しさびしい、華のある生活の人々ではないですが、その分とてもリアルな感じがしました。吉田修一さんの話は、時代やその人々の書き方がリアルでおもしろいなと思います。
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