☆4040の本棚☆ 文庫とミステリに偏っている私的な読んだ本のおぼえ書きです。
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2008.02
28
(Thu)

「ビッグ4 」 


アガサ・クリスティー
Amazonランキング:174178位
Amazonおすすめ度:



 早川書房のクリスティー文庫4の「ビッグ4」。
今作のエルキュール・ポワロの敵は世界をまたにかける犯罪組織「ビッグ4」。犯罪組織の壊滅に向けてポワロが挑む、スリリングでダイナミックな作品だ。

 ポワロの元をアルゼンチンから一時帰国してきたヘイスティングズが訪れる。ポワロは事件の解決のためにちょうどアルゼンチンへ向かおうとしているところだった。その二人のもとに、突然英国情報部員が命絶え絶えに駆け込んでくる。彼は「4」を書きなぐるだけで死んでしまう。
 ポワロは、「4」はビッグ4という犯罪組織のことを示すだと察知する。
 ビッグ4とは、ナンバー1の中国人のリー・チャン・イェンを筆頭にした世界的な犯罪集団。ナンバー2は財力、ナンバー3の女性は科学に長けており、そしてナンバー4の殺人者であるという。
 ポワロたちは、この世界支配を目論み、動き始めたナンバー4を追い始める。組織に命を狙われ、大掛かりな罠を何度もしかけられ、絶体絶命という状況に何度も陥る。しかし、常に先を読み巧妙に振り切るポワロ。最後にはポワロから大掛かりな罠をしかけ、とてもスリリングな闘いを挑む騙しあいがおもしろい作品だ。

 この作品でもいい味を出しているのはヘイスティングズ。ポワロに負けじと頭を働かせて動くが、まんまとビッグ4に騙されるのはおろか、ポワロが仕掛ける罠にも騙されている。ポワロはヘイスティングズの行動も加味したうえで罠を仕掛けているのだ。とてもいたたまれない可愛そうなヘイスティングズ氏だけれども、正義感とポワロに対する友情が素晴らしい。
 初めて読んだ3冊に、彼がたまたま出ていたので、ヘイスティングズがいない作品は少し寂しい。あまり探偵ものを読まないので例が変だけれど、ホームズのワトソン君であり、陰陽師の博雅みたいな存在であると想う。うまく使われてしまう彼が私は大好きだ。


 設定がダイナミックな割には、そんなに長くないので読みやすい作品だとおもう。
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2008.02
23
(Sat)

「猫舌男爵」 

 幻惑の短編5編。

皆川 博子
Amazonランキング:311102位
Amazonおすすめ度:



 ちょっと怪しげなる本を借りてみた。新聞の新刊広告で皆川さんの何かの本が気になってメモしていたのですが、結局何の本だったのか分からなかった。棚を見ていると幻想小説を書かれているようだった。
 この本は5編の短編集。表題作意外は、幻惑的な世界で少しグロテスク。独白系の精緻な文章は、ゆっくり読んでいると、わけが分からなくなりそうだったので、ざっと流しながら読むことにした。小川洋子さんの小説をより濃く、そして不気味にしたかんじだった。

『水葬楽』
 不気味な世界の死を待つ人々の話だろうか。
 おそらくは未来の世界その一族は、「容器」に入り、培養液のようなものに浸りながら、苦痛のない死を迎える実験を行っている。そこには、隔離されて暮らしてきたとみえる兄と妹がいる。彼女達は、両親やその他の人間から「無視」されているようだ。彼らは結合双生児だということが分かる。君の悪い死を迎えた両親と、外の世界と、彼女のこれから。

『猫舌男爵』
 これは、笑えるおもしろさ。ジェロムスキという欧州の学生が、日本人女性の短編集を翻訳する。その翻訳の「あとがき」をめぐる人々の書簡である。
 最初はジェロムスキの「あとがき」が書かれている。あとがきは「猫舌男爵」についてはそこそこに、非常に支離滅裂なことを書いている。彼は山田風太郎の甲賀忍法帖に感銘を受けており、また、非常に翻訳に苦労している。かなりの熟語を訳し間違えていることもあり、とても面白い。
 このあとがきを中心に色々な人の模様が手紙やメールで描かれる。あとがきの中で、知識を貶められ、若い頃に芸者を買ったことを妻に知られることになった大学教授の怒りの書簡や、山田風太郎ファンの日本人からの手紙(ジェロムスキは、堅い日本語で書かれたこれを読めない)、大学の同級生カップルの勘違いや、猫舌男爵の著者を知る人物のメール…。「猫舌男爵」の内容と、姿を消しているその著者については置いてけぼりである。
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2008.02
20
(Wed)


深夜特急シリーズで有名な沢木耕太郎さんの本。
『世界は「使われなかった人生」であふれてる』という題名に惹かれて買った。
使われなかった、選ばなかった、選べなかった人生というものに思いをはせたり、そういう人生に関する短編集かと思ったら、なんと、映画評だった。

 映画をほとんど見ない私にとっておもしろく読めるのか不安だったけれど、すんなり読むことができた。
「暮らしの手帖」に連載していた映画評の抜粋で、沢木さんが映画を見て感じたことが書かれている。批評めいたものや、薀蓄を語るものはなく、こういうところがよかった、この人の演技がよかったというようなことが書かれている。批判は、こうだったらなとちょっと思った…程度で控えめだ。
 映画は、邦画はないが、ハリウッドからブラジルやインドなどの世界各地の多様な映画が紹介されている。

 評なので、あらすじや、簡単な結末も書いてある。でも、私にはそれくらいがちょうどよかった。映画は、先が見えずハラハラさせられるところが苦手なのだと思う。突然の衝撃的な事実や、悲劇や苦痛、怒りが一気に来るのは恐ろしい。(効果音や映像ではなく)処理が追いつかないのかなんなのか。本は違う。ハラハラはしても、都度自分のペースで消化しながら進めるから。テレビドラマはもっと最悪だ。1週間も待たなくてはいけない。それは耐えられない。とはいえ、内容的にあまりおもしろくないので、高校のときくらいからあまり見ていないけれど…。

 映画を楽しめている人は羨ましい。1800円出して見に行くのは億劫で、ビデオレンタルに行けば、どれが面白い、いい映画かわからない。それを見つけられる人はすごいと思う。
 映画は見ればきっとおもしろいものだと思う。2~3時間に濃縮する、テンポと配分はすごいだろうし、演技も、映像も本にはないおもしろさがあると思う。
 最近の邦画で、読んだ小説の映画版や、面白い脚本家のものは借りてみることがある。この本を読んで、見てみたいなと思う映画も見つかったことなので、早速何か見てみようと思う。
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2008.02
15
(Fri)

「あやしうらめしあなかなし」 


浅田 次郎
Amazonランキング:21811位
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 小さいころ「怖い話」が好きだった。「花子さん」や「本当に会った学校の怖い話」「妖怪の話」・・・。怪談や心霊写真や都市伝説がクラスのなかで流行するなどということも多々あったように思う。ただ、今、そういう「怖い話」にも色々ジャンルがあり、自分がそれら全部が好きというわけではないことが分かる。積極的に恐怖を感じさせるもの―たとえば「呪怨」のような―や、脅かすもの、スプラッタ、痛そうなもの(バキバキと体がねじれる!とか)、実際にあった怪談などはべつに好きではないし、現に見ていない。「ホラー」が好きなわけではないのだ。

 惹かれるのはまさにこの本のような怪談だ。
まず舞台は日本がいい。現在でも、明治大正、戦中でも、江戸でも平安でもよい。
そこに幽霊が出たり怪異がある。「怖い!」ではなく「ぞくっと」くらいでいい。その出てくる霊たちは、人間を脅かそうとして出てきているのではない。現世を生きる人々になんらかの訴えを持っている、もしくは、喚起させる。もしかしたら、幽霊や怪異などではなく、人間がそう思い込んでいるということかもしれないけれど、それでもいい。
 話も、とても悲哀に満ちているストーリーが隠されていたり、幸せを願うものだったりする。
妖のものが出てくるにもかかわらず、人間の儚いストーリーがこめられた、怪談がいい。

 浅田次郎さんの小説は長編も短編も好きでよく読むけれど、この本も絶妙だった。悩みを抱えて生きている人々のもとに、幽霊があらわれたり、不思議な出来事が起こる。単に怖い話では終わらせられない内容で、どれもおもしろかった。 
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2008.02
10
(Sun)

「ダウン・ツ・ヘヴン」 


森 博嗣 / 中央公論新社(2006/11)
Amazonランキング:3285位
Amazonおすすめ度:



「スカイ・クロラ」シリーズ第3巻「ダウン・ツ・ヘヴン」です。

「Down to Heaven」―天に墜ちる?

 この間は、「ナ・バテア」の続きで草薙の視点です。
戦闘中に怪我をして入院させられた草薙。一刻も早く、再び空を飛びたいと願う彼女だったが、彼女を取り巻く状況がそうさせてくれない。レベルの高い戦闘機乗りである彼女は、上官になることを望まれ、また、「会社」の広告塔として動くことを余儀なくされる。初級パイロットへの研修や、記者会見、パフォーマンスとしての戦闘―。

 キルドレとして生まれ、永遠に続く生を、空を飛び、死と日々向き合って暮らす草薙。その一番愛する空を飛ぶという自由な世界を、大人や社会というものから奪われようとする危機が訪れる。 いつも観念的な世界だったこの本に、少し周囲の世界が入り込んでくる。
この世界の「地上」では、戦闘は一般人に向けての、なんらかのパフォーマンスらしい。会社と会社や、政府が絡んで大人たちが利害で争っているようだ。印象としては、平和の大切さを知らしめるための戦争なのかもしれない。大人たちは戦闘で人が死ぬことを非難する傍らで、戦争を推し進めている。その真っ只中で、ただ空を愛し、死んでいくのがキルドレなのかもしれない。

 この間でもちょこちょこつながりがみれます。前号に出てきた人との再会や、おそらく重要になってくる「彼」がココで登場します。あと2巻が気になります。

ダウン・ツ・ヘヴン―Down to Heaven

ハードカバー(鈴木成一デザイン室)
2008.02
05
(Tue)
映画版「アヒルと鴨のコインロッカー」


/ アミューズソフトエンタテインメント(2008/01/25)
Amazonランキング:123位
Amazonおすすめ度:



 伊坂幸太郎の「アヒルと鴨のコインロッカー」の映画DVDを見ました。
原作が最高におもしろくて、悲しい、すばらしい作品だったのですが、原作を裏切らない、いい映画でした。

 ボブディランの風に吹かれてを、これで初めて聞きました。

 この映画はキャスティングがよかったと思います。
特に重要人物である河崎を演じる瑛太。
ただ単に自分が瑛太が好きっていうのもなきにしもあらずですが。瑛太が気になるなと思ったのは、この映画にでると分かったころから。河崎に当てはめるとぴったりな演技してくれそう・・・と勝手に思っていたのですが、間違いはありませんでした。
河崎の変な行動も、含みのある笑みもぴったりだし、ドルジの温和さも悲しみもうまくて、本当によかったなと思います。

 動物虐待の場面や、犯人達の場面は小説同様腹が立ちましたし、琴美が死に、河崎が死んでしまい、大切なものを失うドルジの場面は本当に悲しかったです。ラストは、少し変わっていたけれど、ドルジが自首したかどうかは原作同様分からない終わり方でした。
本当に「神様見なかったことにして欲しい」と思う作品でした。
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2008.02
01
(Fri)
SFやファンタジーその他盛りだくさんのアメリカ短編小説


レイ ブラッドベリ, Ray Bradbury, 伊藤 典夫 / 新潮社(1999/12)
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 ヴィレバンや恵文社などでよく見かけた「レイ・ブラッドベリ」さんの本。「ブラッドベリ」という語呂がなんとなく気に入っていたので、今回1冊買ってみた。
 レイ・ブラッドベリはSFやファンタジー短編小説を書くアメリカの小説家だそう。この本は短編集で、ファンタジーやSF、怪奇小説やロマンスなどの様々な短編が収められている。
 私はアメリカ文学(といってもあまり読んだことはないけれど)がちょっと苦手のようだ。読んでいて、内容を理解できない・・・あらすじすら分からないときがある。それはこの本の中でも数作あったし、"サリンジャー”の短編(「ナイン・ストーリーズ」)の中にもあった。会話や思考がぽんぽんテンポよく進むにつれてついていけなくなってしまう。この展開のテンポのようなものは日本の空気じゃないなと思うのだけどどうでしょうか。ただそういう作品を選んでいないだけかもしれないけれど。理解できない自分の頭が非常に残念だ。

 タイムトリップを扱った「トインビー・コンベクター」や、中には火星人がでてくるようなSFものや、「ローレル・アンド・ハーディ恋愛騒動」などのロマンス的なもの、「トラップドア」「階段をのぼって」など怪奇的なものもある。本当にいろいろな風合いの作品がつまっていて驚いた。行ったこともなければ、触れたこともあまりないけれど、アメリカを感じた気になった。理解できていないものもいくつかあるけれど、面白い本だった。



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4040です*
最近のお気に入りは、梨木香歩さん、森博嗣さん、伊坂幸太朗さんです。
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