「車掌さんの恋」
地下鉄や電車を舞台にした、短編。
昔の彼女に思いを馳せる車掌、初めて女性=アイドルに夢中になり中吊りを泥棒に走ってしまった思春期の男子、不倫旅行に向かう男女、きせるを辞められなくなった優等生の女子高生、仕事一筋で家族とギクシャクしている初老の男。
電車は生活の中では手段であり、通過点であり、目的であることは少ない。この5人も、それぞれの人生の一場面の通過点が、たまたま電車にまつわっていたということだ。
ものすごくうまい文というわけではないんだけれど、ほっとした気分になれる本だ。
電車にまつわる小説と聞くとすこしおもしろそうだと思うのはなぜだろうか。(マニアックなものではなく)。 同じ電車を舞台にした本では有川浩の「阪急電車」が気になっている。まだハードカバーが出たばかりで読んでいないけれど、たまに乗る電車だけに気になる。
前に東野圭吾の短編で読んだ、満員電車にうずまく憎悪の話も滑稽でよかった。
身近なものが舞台だからきになるのだろうか?
読んだ直後に電車に乗ると色々と考えてしまうのも楽しい。
そういえば初めて読んだミステリのひとつは「西村京太郎」の電車を舞台にしたものだったかもしれない。「つばめ殺人事件」みたいなやつ。(時刻表を駆使してアリバイを崩すのは、考えは凄いけれど、今は話としては惹かれないかも)
この本は、新幹線に乗る前に買った。結局新幹線では読まず、新快速の中で読んだけれど、新幹線より、在来線や地下鉄が舞台なので、そっちのほうが合っていたと思う。
それにしても、手段である新快速は人が多いし、疲れる。
それよりも、地元の特急列車のほうがやっぱり好きだ。
郷愁たっぷりのひとときをすごすことができる。



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