☆4040の本棚☆ 文庫とミステリに偏っている私的な読んだ本のおぼえ書きです。
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2009.05
24
(Sun)

「吉原手引草」 


松井 今朝子
Amazonランキング:2135位
Amazonおすすめ度:



第137回直木賞を受賞した作品が文庫化されました。

 江戸時代、栄華を誇った遊郭が並ぶ「吉原」。そこで店のトップクラス「呼び出しの花魁」として有名だった葛城という花魁が、何らかの事が起こり、姿を消したらしい。葛城はなぜ姿を消したのか?多くの周辺の人物たちの言葉で、葛城の人物像と、姿を消した血腥い出来事の真相が明かされていく。

 話は、とある若い男が、廓遊びがはじめての人物を装い、引き手茶屋や遊郭の使用人たちを次々と訪ね、葛城のことを何とか聞き出していく形で進んでいきます。吉原の中ではタブーとされている葛城の話題を、男はたくみに聞きだします。殿方相手に一歩も引かず、翻弄した頭のいい女性であった葛城の人物像や、身請けをかけた周囲の男たち、彼女の過去に関する謎がじわじわと浮かんできます。
吉原・花魁・遊郭・・・とはいえ、読者にはほとんど知識がないといっていいと思います。たまたま「さくらん」を見たので、なんとなく分かる程度でした。それを、話を通してこの「若い男」だけではなく読者にも吉原という世界の仕組みが、説明的ではなく分かるようになっているところが凄いと思いました。


-卵の四角と女郎の誠はないものだ-

という言葉がでてきます。「ありえないこと」の例えとして辞書にも載っているほどの言葉でした。
四角い卵がないように、女郎が本当の心で客と接することはない。廓の中で起こったことはすべてかりそめの出来事。その嘘で塗り固められた廓の中で、男たちが本性をむき出しにする。誰よりも嘘が巧妙で大胆だった葛城が突き通したひとつの真実。廓には人間のどろどろとした世界が広がっているけれど、なぜかドロドロとしたものより悲哀を感じさせられた作品でした。

 非常に面白い作品でした。ぜひ読んでみてください。
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2009.05
17
(Sun)

Story Seller  


Amazonランキング:4327位
Amazonおすすめ度:


 
 7人の人気作家の短編が収められたアンソロジー。
伊坂幸太郎さんの作品が入っていることと、米澤さんや本多さんなどミステリを読んだことがある作家さんの作品が入っていたのでなんだか面白そうと思い、買いました。

■首折り男の周辺(伊坂幸太郎) 
 ☆☆☆ お得意の叙述で惑わされます。ドラマチックじゃないけど好きです。
■プロトンの中の孤独(近藤史恵)
 ☆☆  自転車のレース選手たちのチームプレーを描いた作品。真っ直ぐまじめなお話でした。
■ストーリー・セラー(有川浩)
 ☆    小説家の妻が「思考」すると寿命が縮まる病に侵される話。奇病と死はちょっと苦手。
■玉野五十鈴の誉れ(米澤穂信)
 ☆☆  戦後のとある令嬢とメイドの話で、主人公の無抵抗とおばあさまの傍若無人にはイラっときますが、嫌いじゃない話でした。
■333のテッペン(佐藤友哉)
 ☆☆☆ 過激そうなのでなかなか手にしていなかった佐藤さんの作品。シリーズモノなのでしょうか?登場人物の背景が気になりました。
■光の箱(道尾秀介)
 ☆☆☆  「ラットマン」道尾さんの1編。こちらも叙述に惑わされます。
■ここじゃない場所(本多孝好)
 ☆☆  女子高生が主人公なのがちょっと意外でした。これもシリーズものでは?と思うような人が出てきます。分からないですが。

いろいろな人の感想を見ていると、好き嫌いがそれぞれ違っていて面白いですね。
「2」もあるようです。伊坂幸太郎、近藤史恵、有川浩、佐藤友哉、米澤穂信、本多孝好、沢木耕太郎の7人で道尾さんがいないラインナップ。文庫になったらよんでみたいです。
2009.05
10
(Sun)

「鉄鼠の檻」 


京極 夏彦
Amazonランキング:16650位
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 京極堂シリーズ第4弾「鉄鼠の檻」です。

  今回も相変わらず京極さんは冷たく、関口氏はウジウジしており、エノさんは言い間違いを多発していました。木場修さんは出てきませんでした。
 
 箱根の山奥にある禅寺で起こる殺人事件と、寺と人々に巣食った憑き物を京極堂が落とします。

 中尊寺敦子と鳥口は取材先の寺に行くために仙石楼という旅館に立ち寄ります。その雪の降り積もった庭先に、突如として僧の遺体が現れる。座禅を組んだ姿のままで・・・。
 敦子と、足を突っ込むことになった関口らは、亡くなった僧がいた取材先でもある明慧寺を訪れます。
 そこは俗世と隔別された修行の地。座禅に禅問答を行い、大悟を目指して僧たちが厳しい修行をしている。文明社会をまったく受け付けない雰囲気を持っています。そこで第2の殺人が起こっていきます。
 どこかシンボリックに捨て置かれた遺体の謎に、僧侶たちに動機となる確執はありそうだが、調べども真相は見えず、警察は次から次へと容疑者を増やしていくばかりです。

 この禅寺・明慧寺の存在も不気味な謎を秘めています。京極堂ですら知らない、存在するはずのない寺なのです。いつからそこにあるのか、何のために作られた寺なのか、資金源はどこなのかがまるでわからない。檀家を持たず、葬式をあげたりもしない。純粋に修行のみをしている寺など、この世の中で存在するのか、事件と並んで大きな謎で、事件の真相より気になるところです。
 そこにこの世のものか、違うものなのか。「年をとらない」、恐ろしげな歌を唄う振袖少女がそこかしこに姿を現し、人々をぞっとさせる。「姑獲鳥の夏」で出てきた人物も現れ、殺人に寺の謎、幽霊のような少女・・・The京極堂シリーズといった舞台装置があらわれます。

 この本で深く語られているのが「禅」についてです。禅は言葉を排除していくため、言葉を巧みにに操って人の認識を崩していく京極堂はまともに戦うことはできないと、事件への関与を固く拒否します。
日本の禅宗といえば栄西の臨済宗と、道元の曹洞宗、というのは誰でも知っている知識。中国で発生したこの禅がどのような派閥の分かれ方をして日本に伝わったか、この2つの違いは何なのか。そして禅とは何なのかについて、僧侶や京極堂の口を通してみっちり説明されているのが大きな特徴です。(自分は曹洞宗なのですがほとんど知らないことばかりなのでかなり勉強になりました。)
 
 
 これまでの作品と比べるとえぐさは少ないけれど薄気味悪い作品でした。

 どうやって?<何故?<誰が?<この寺は一体・・・?

 という感じで、寺の存在が一番気になったし、おそらく一番手の込んでいたところだと思います。


 今回は文庫版を買いました。厚さが53mmもあるという非常に読みにくい読みごたえのある製本になっています。気に入った1行を探したいと思いながら読むのですが、いまだかなわずです。

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