☆4040の本棚☆ 文庫とミステリに偏っている私的な読んだ本のおぼえ書きです。
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2006.05
17
(Wed)

遠藤 周作 / 新潮社(1985/03)
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 友人に借りて読みました。本が手元にないためレビューが書きにくいですが。
 
 遠藤周作の作品は読んだことがありませんでした。国語の教科書や歴史に出てくる作家の作品はなかなか読むことがありません。
「マリー・アントワネット」は題材としては知っている人物なので入りやすい作品だと思います。
実際に、淡々と語りかけるような文章は、難しいところがなくてとても読みやすかったです。

「マリー・アントワネット」と聞くと、浪費の末、民衆の反感を買い、フランス革命で夫・ルイ16世とともに処刑された「悪女」のイメージがあります。
それは事実であり、間違っていないのですが、遠藤周作のこの作品では、ただの悪女としては書かれていません。

 最初は、世の中のことを知らない無邪気な少女。難しいことは分からないが、うるさい母や教育者の元から解放され、異国フランスにやってきた。フランスでは皇太子妃という地位や周囲や民衆にちやほやされることに有頂天になる。
 しかし、その彼女の境遇も満たされたものとは限らない。
彼女の夫ルイ16世(皇太子)は、太った愚鈍な男として描かれている。政治はおろか、マリーにまで興味を抱かない夫を持ったことにマリーは失望する。心にあいた穴をふさぐように、次々に贅沢な生活を続けていった。彼女の「浪費」は、ここでは、そういう民衆に対する知識のなさと、心の空虚さが原因とされている。

 この作品では、別の女性の視点もある。それは貧しい少女マルグリットの存在である。彼女は貧しく、厳しい仕事の生活の中、華やかに生活するアントワネットの存在を憎み、憎しみを原動力にして生きている。体を売りながら、次第にカリオストロ博士など裏の悪党の仲間になっていく。
 
 フランスの財政危機は、浪費だけが原因ではなく、今までの付けがたまりにたまった状態だった。ネッケル、テルュゴーなどの財務総監の政策も歯が立たない。民衆の怒りは、(ここでは様々な人の"工夫”がなされる)マリー・アントワネットの浪費癖へと向けられ、憎しみへと変わる。そして、そんな中進められてきた「革命」が火蓋を切るのである。

 下巻からは、主に、革命により、王家が議会に囚われの身となる場面に変わる。議会は、ジャコバン派やジロンド派などの派閥の争いをしながら、民衆に運動や一揆、そして無意味な殺戮を広げながら拡大していく。
 マリーは子どもを守り、女王の威厳「優雅さ」を保ったままでいることを心に決め、現状からの脱却を試みようとするが失敗。
 その間、フィンランド大使との適わぬ恋もする。しかし、っさぞかし愛人と遊んでいたのだろうという予想ははずれ、夫への貞操を貫き、後半では、王をすばらしい夫だと尊敬するようにもなる。

 結末は誰もが知っているように、ルイ16世も、マリー・アントワネットも、王自らが発案に関わった「ギロチン」で処刑されることになる。処刑を推し進めようとするもの、やめさせようとするものの思惑がいき違う緊迫した状況が描かれる。
 マルグリットは、憎しみの対象が目の前で処刑されたのを見て、全てが終わったと涙を流す。

 不公平な身分の差。アントワネットの立場を読むと、彼女の我侭さをイヤに思うと同時に、彼女の悩みも、殺さなくてもよかったのではという思いも起こる。逆に、マルグリットの立場から読むと、身体を売ることでしか生きていけない、身分の差を越えられない彼女に同情するとともに、憎しみだけで突っ走る彼女を痛々しくも感じる。

 この作品のマリー・アントワネットの捉え方が、ただの我侭で傲慢な女性ではないというところがおもしろいと感じました。貴族と、貧民の同じ世代の女性を対比させているのも、革命という、立場をひっくりかえそうとする動きを題材としているのも非常に興味深かったです。
 フランス革命について知らなくても楽しめる作品だと思います。
ぜひ読んでみてください。
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コメント

 

>35式さま
塩野七生や司馬遼太郎的な切り口
がどんなかんじか読んだことがないので分かりませんが、いろんな切り口がありそうですねー。
他にも誰か書かれているかもしれませんね。
塩野七生、司馬遼太郎両氏の作品も未読なので、近いうちによんでみたいです。でも作品が多くてどれから読めばいいのやら!

 

私も読んだことがあります。
個人的に塩野七生や司馬遼太郎的な切り口だったらイイのにな~と思ったのを覚えています。

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