☆4040の本棚☆ 文庫とミステリに偏っている私的な読んだ本のおぼえ書きです。
  • 09 «
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • » 11
--.--
--
(--)

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2006.10
17
(Tue)

「天使と悪魔」 

強調文

ダン・ブラウン, 越前 敏弥 / 角川書店
Amazonランキング:位
Amazonおすすめ度:





 会社の事務のおねぇさまにお借りしました。
私が読んだ順番は逆になってしまうのですが、大ベストセラー「ダヴィンチ・コード」の一つ前の作品です。ロバート・ラングドン氏が活躍するのはこの「天使と悪魔」からです。

 ダヴィンチコードはルーブルですが、こちらの舞台はイタリア・ヴァチカンの地。最新科学と宗教という相反する存在の溝から生まれた、あまりにも過酷な1日を描いた作品です。

 今年の3月に大学の卒業旅行でイタリアに行き、ローマには2日間滞在しました。もちろんヴァチカンにも、美術館・システィナ礼拝堂も訪れました。このときは、ダヴィンチ~も天使と悪魔も、他のイタリア舞台の作品も読んでおらず、大好きな世界史の記憶だけで感動を辿りました。
 この、ダン・ブラウン氏の2作品を読んで、痛烈に「読んでからいけば・・・」という公開の嵐。作中の舞台になった場所に行くという面白さもありますが、キリスト教の世界により思い入れがある状態で行くと、イタリアの街も美術も違ったものに見えたに違いないと・・・。
 この作品を読んでいなかったから「ベルニーニ」も知らなかったし、「ナヴォーナ広場」もローマっぽい広場でしかなかった。残念で仕方がない。

 ということで、ヴァチカンで購入した「ヴァチカン市国」なる分厚いパンフレット(もちろん日本語)を眺めなおす秋の夜をすごしています。


◆ざっとあらすじ、いや、めずらしく、がっつり結末まで。

 アメリカの象徴学者であるロバート・ラングドンさんは、ある日恐ろしいFAXを手にします。それは男性が惨殺されている写真。そこで最も目を惹いたのが、被害者の胸に押された「焼印」でした。それは消滅したと考えられていた秘密組織「イルミナティ」の印でした。ラングドンさんは自書でもイルミナティ関係の本を書いており、衝撃を受け、半信半疑で送り主の元へ向かいます。
 FAXの送り主はセルン(欧州原子核研究機構)の所長、物理学者のマクシミリアン・コーラー。ラングドンは、マッハ15のアメリカ・スイス間を1時間で飛ぶ飛行機に乗せられ、スイスまでやってきます。
 セルンで殺されていたのは、物理学者のレオナルド・ヴェトラでした。「イルミナティ」の焼印を押され、目はナイフで抉り取られている凄まじい遺体でした。娘のヴィットリア・ヴェトラが帰国し、親子の秘密の研究と、研究に関する重大なものが盗まれていることが発覚します。
 それは「反物質」と呼ばれる、核に匹敵するパワーを持つ物質であり、未だだれも生成したことのない物質でした。その試作品が盗まれていたことが発覚します。
 そのうえ、物質がある場所は、なんとヴァチカン市国であるということが発覚しました。反物質は充電をしないと爆発し、ヴァチカン市国はもろとも吹き飛んでしまいます。残された時間は24時間。
 「イルミナティ」という存在に知識のあるラングドンは戸惑いながらも、真実を知り、ヴァチカンの素晴らしい財産を守るべく、ヴィットリアとともにヴァチカンへ向かいます。

 ラングドンらがヴァチカンへ急ぐ中、怪しい影が動いています。それが「ハサシン」(assassin:暗殺者)。彼が「ヤヌス」という謎の男に導かれて、計画を実行していく様が途中途中に不気味に入ります。さて、彼は「イルミナティ」で何を狙っているのでしょうか?ダヴィンチ~の「シラス」にあたるような人物です。教皇候補をさらい、ヴァチカンを破滅に導きます。
◆イルミナティ~啓示を受けた者達~
 イルミナティとは、教会から迫害されてきた太古の科学者たちが、教会に対抗して真理を探究しようと設立した友愛団体です。科学は教会の信義を覆すのではなく、神を証明するために存在するというスタンツの元設立されましたが、最期まで教会側は歩み寄ることはありませんでした。逆に「悪魔(シャイタン・サタン)」として忌み嫌われるようになってしまい、今日では消滅したと考えられています。
 イルミナティは17世紀に、ガリレオ・ガリレイが設立したとされています。作中に出てくる「ベルニーニ」らも会員だったとされます。
 どこまでが事実か判断しがたいですが、実在するフリーメイソンというキリスト教宗教団体の内部に潜伏しているのではと作中では考えられていました。
 彼らの紋章はアンビグラム(双方向から読める)によって作られています。作中では、「誰も考え出せなかった」とラングドンさんが話していますが、思いっきり印字されていますね。たしかに、どの焼印の紋章もさかさまにしても、文字なのに同じく読むことができます。
このアンビグラムの焼印が次々と押された被害者が登場します。

◆コンクラーベ(イル・コンクラーヴォ)

 キリスト教の教皇を選ぶ選挙です。全世界のカトリック教の聖職者や枢機卿がシスティーナ礼拝堂に隔絶された状態で集まり、教皇を選出する儀式です。
 奇しくも、反物質が仕掛けられたのは、このコンクラーベの日でした。爆発すると、教皇候補も聖職者も、そしてヴァチカンの美しい美術も歴史も、信仰心も吹き飛んでしまうのです。

 犯人は、ひとつのマスコミに犯行を伝え、独占的に全世界に参上を垂れ流しするよう仕向けました。

◆さて

 ここからはネタばればれです。
 時間が刻々と過ぎて、失踪した枢機卿達はすんでのところで、一人一人惨殺されていく。しかもヴィットリアはさらわれるわ、ラングドンは殺されかけるわでハラハラの連続です。
 最初の山場がカメルレンゴが、歴史上ありえないコンクラーベを中止するという行為に出たときです。反物質の爆発により聖職者たちの命が失われることがないように止めることにしました。それは教会が「科学」に屈したことを証明することになってしまいます。
 カメルレンゴは叫びました。科学は恩恵こそ生み出したが、その弊害に責任を持っていない。その弊害を省みるよう声をかけ続けられるものこそ、宗教であり、教会である。善悪の判断、自己抑制、人と人との対話・・・。そういうものを科学はないがしろにしてきたが、いつもそれを語りかける役目は教会にあった、と。
 うーむ、なるほど。そういう抑制の心を持ち出せるのは科学の理論ではなく、宗教というラインから得られる倫理感や道徳なのかもしれない。中には過激なものがあるけれども、そういうハタと立ち止まる機会を与えてくれる存在であると宗教はいえるかもしれない。とちょっと感心してみたりもした。
 
◆更なる悲劇
 世界中に感動と祈りを与えたカメルレンゴでしたが、4人の枢機卿の次に狙われたのが彼でした。科学の源「土 earth」「空気 air」「火 fire」「水 water」のアンビグラムの焼印をそれぞれ押され、殺された枢機卿達。「イルミナティ」の焼印にはもうひとつの紋章がありました。ラングドンとヴィットリアは、ハサシンを倒し(・・・って、正当防衛だけど、明らかに殺人したな、この二人)もうひとつの危機がカメルレンゴに迫っていることを察知します。しかも、その危機が、ヴァチカンを訪れる「よきソマリア人」=セルンのマクシミリアン・コーラーであることを知ります。コーラーは科学の先端に位置し、実はイルミナティであり、教会を滅ぼそうとしていて、レオナルドらを次々と殺したのだ!!ラングドンらはそう考えました。

 しかし、時は既に遅し。ラングドンらが部屋に押し入り、黒幕のコーラーと、兵隊の一人を殺害した頃には、カメルレンゴは胸に焼印を押されてしまいました。それは4つのの元素の印を兼ね備えた象徴である「イルミナティダイヤモンド」でした。
 
 カメルレンゴは病院へ運ばれる途中、気が狂ったように叫びます。そして爆発のときが迫るヴァチカンに駆け戻りました。一緒に死ぬ気かと思われましたが、実はカメルレンゴは神の啓示を受け、反物質がサンピエトロ大聖堂の礎「ペテロの墓」にあることを発見。ラングドンらが止める中、反物質を持ち、ヘリで上空にあがります。カメルレンゴは機転を利かせて、「誰も死者がでないような方法」でヴァチカンを守ろうとしているのです。ラングドンは必死でそのヘリに乗り込んでしまいます。

 すごい人物だ、カメルレンゴ。
ものすごくひきつけられてしまいました。

◆しかし、まさかの大逆転。

 カメルレンゴは「死者を出さない」予定でしたが、ひとつの誤算がありました。ヘリにラングドンが乗ってきてしまったのです。カメルレンゴは「こんなはずじゃなかった」と、ひとつしかないパラシュートを身につけ、ヘリから降りてしまいます。

・・・・あれ!??

ラングドン見捨てちゃったよ!!??

あ”~~~~!!

そうです。どうやら黒幕はカメルレンゴだったようです。

 反物質は空中で爆発を起こしました。美しくも悲しくも恐ろしい爆発でした。人々はカメルレンゴの勇気ある死に呆然としますが、奇跡が起こりました。カメルレンゴが無事に大聖堂の屋根に降り立っているではありませんか!当たり前です。パラシュートを使ったのですから。しかし人々は知る由もなく、感動し、祈りました。次の教皇は、カメルレンゴだと。
 どうやら、カメルレンゴはハサシンを雇い、自作自演で反物質を仕掛け、取り除き、人々を感動させるという大芝居を打って出たようです。。
 
 しかし、奇跡的に無事に地上に降り立ったラングドンと、コーラーが最期に隠しカメラで撮っていたビデオのせいで、全ての嘘が崩れていきます。コーラーはレオナルドの日記から、科学に友愛を持っていた全教皇にレオナルドが会い、反物質について話していたこと、それをカメルレンゴは知っていて、レオナルドと面会していたことを知りました。犯人がカメルレンゴであることを知ったコーラーは問いただしに、死を覚悟でやってきたのです。しかし、兵隊の副長が実はカメルレンゴの片腕であったため、真実を悟ったコーラーと、シャトルラン少尉が皆に黒幕と誤解され、殺されてしまったのです。

 カメルレンゴは母親しかおらず、幼いころ、教会を襲ったテロで母親を失いました。そこに救いで現れたのが前教皇でした。彼は育ての父を、教皇を愛し、尊敬していました。しかし、ある夜、彼に聖職者ではあってはならない「こども」がいることを知ります。科学を肯定する教皇に失望し、投与中の薬の量を増やし、教皇を殺害してしました。恐慌は「検死」は行ってはならないため、真実はわかりませんでした。
 カメルレンゴは、偶然知った「反物質」を使い、科学を否定し、世界の目を教会に向けさせようと考えました。
 「イルミナティ」は、ヴァチカンの奥にしまわれていた焼印と名前を利用しただけでした。人々に新たに「科学による恐怖」を与えることで、「教会が」恐怖を取り除き、信仰を促そうとカメルレンゴはしたのです。それは、悲しい自作自演。教皇や、レオナルド、枢機卿ら6人が殺害され、何人かの人々が途中で死にました。その方法、明らかに間違いでした。
 「だれもがわかってくれる」。そう思い込んでいるカメルレンゴ。
そんな彼が知らなかった真実が知らされます。彼が尊敬し、最期には失望し、殺害した教皇は「罪」を犯さず、純潔を貫いていたこと。教皇は、「人工授精」で愛する女性との間に子供をもうけていたのです。科学に尊敬を示していたのはそのためでした。しかも、その子供こそ、まさにカメルレンゴだったのです。
 彼は大きな過ちを犯したことに気がつきますが、とき既に遅し。
人々が見守る中、ヴァチカンに灯る聖歌の香しい油を身に浴びせかけ焼身自殺を図ります。
神に祈りをささげながら・・・・。

 人々は、カメルレンゴに、神に、平和に祈りをささげて、歌っている。
 そんな人々に、この真実は語られませんでした。
 父親を惨殺され、許せないヴィットリアでしたが、そこだけはとどまりました。



 おぅ、長かった。
「下巻」は濃密でした。感動させられたと思いきや、カメルレンゴが黒幕だというどんでん返しをくらわされ・・・・。
  

 キリスト教徒ではないため、宗教的批判はよく分かりませんでしたが、とても、心を奪われ、驚かされ、美しいとも、悲しいとも感じた素晴らしい作品だったとおもいます。



 

スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://chaserainbows.blog29.fc2.com/tb.php/145-0e145465

 | ホーム | 
ブグログ
プロフィール

4040

Author:4040
4040です*
最近のお気に入りは、梨木香歩さん、森博嗣さん、伊坂幸太朗さんです。
私も読んだぞという方は、これもいいぞという方は是非教えてください♪

最近の記事
カテゴリー
オススメ☆

Wishリスト
最近のコメント
最近のトラックバック
おすすめ

ブログリスト

RSSフィード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブロとも一覧
フリーエリア
ブログ内検索
リンク
新しい本を探しにでかけよう♪

ほんぶろへ
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村 ポータルブログへ
ブログ王へ
amazonさんより

フリーエリア

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。