「凍りついた香り」
小川洋子さんの世界観たっぷりの作品です。
現実と幻想の世界が入り混じった不思議な世界が、当たり前のように現れ、主人公達の心を表している。
これもまた、そういう作品です。
涼子の恋人の篠塚弘之は、ある日突然自殺してしまいました。
弘之は香水を作る調香師の見習いでした。涼子のために「記憶の泉水」という香水を作ってくれた弘之。優しくて生真面目で、とても計算が速い。
そんな彼を失って失意にいた涼子は、弘之の弟や母親と出会い、知らなかった弘之の姿を知ることになります。
そこには知らない弘之がたくさんいました。
自分以外の誰もが彼を「ルーキー」と呼んでいたこと、日本一数学の得意な少年だったこと、スケートがとてもうまく、最近もスケート場で技を披露していたこと・・・・。
涼子は、恋人だったにもかかわらず、弘之について何も知らなかったことに愕然とし、かき集めるように彼の過去を、恐れながらも知っていきます。その過程で、弘之が残した詩の様な謎の遺言の場所をプラハに見つけ、彼の死の真相にも近づいていきます。
恋人の過去をかき集めてばかりの涼子に、どうしても後ろ向きな印象をいだいてしまいます。
しかし、プラハで入り込んだ謎の洞窟で、彼の過去を抱いて覚えておくことが彼の存在した証明になると、なんとか折り合いをつけられたのではないかと思います。弘之が失踪した時点の過去にずっととどまっている彼の母親と、そう考えると対照的です。
結局、弘之がなぜ自殺してしまったのかは分からないままで、寂しい雰囲気で終わりますが、悲観的ではなく、すこしマエムキな終わり方だったと思います。
コメント
はじめまして♪
「ブログ村」でお見かけしてうかがいました。
小川さんは最近の作品も悪くないけど、やっぱり昔の作品の方が引力があると思います。 読み終わってから現実に戻るまでちょっと時間がかかりますよね。
『ピンクバス』私もジャケ買いしまいたが・・・・(汗)
またおじゃまします。
「ブログ村」でお見かけしてうかがいました。
小川さんは最近の作品も悪くないけど、やっぱり昔の作品の方が引力があると思います。 読み終わってから現実に戻るまでちょっと時間がかかりますよね。
『ピンクバス』私もジャケ買いしまいたが・・・・(汗)
またおじゃまします。
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はじめまして!
コメントありがとうございます♪
基本図書館で借りてくるので、私が読んでいるのは昔のほうでしょうか?
たしかに「博士の〜数式」とは違う世界観がありますよね。
頭の中がセピア系の茶色が強いイメージで満たされる?ような、
不思議な気分になります(^^)
「ピンクバス」は内容と裏腹に、表紙かわいらしすぎますよね!
ジャケ買い・借りはよくやってしまいます♪