☆4040の本棚☆ 文庫とミステリに偏っている私的な読んだ本のおぼえ書きです。
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2006.11
21
(Tue)

「霧笛荘夜話」 


浅田 次郎 / 角川書店
Amazonランキング:173070位
Amazonおすすめ度:



 「霧笛荘」という古めかしいアパートの住人の人生を追う7つの短編集です。

 「霧笛荘」は船の出入りする運河のほとりにある古いアパート。
謎めいた纏足の老婆が管理人を務め、中華と西洋が合わさったような建物は半分地下に埋まり、湿気がひどい。家賃は法外に安い。
アパートには何らかの不幸や訳ありの者たちがたどり着き、住み着いている。現代なのに、どこか遠い別の国の下町のようで・・・。
なかなか乙な設定でございます。

 老婆が、行き着いた「誰か」に一つ一つの部屋と、前の住人の話をしていくというスタイルです。前の住人達は、娼婦ややくざもの、労働者、歌手を夢見る若者、復員した男など影や苦労を背負った人たちばかり。
 彼らの人生は決して幸せな様子でもなく、全てが過去語りなので、余計に哀愁があります。
すべての人々が内にこもって、バラバラなのかといえば、そうではなく、傍目には分からなくても、住人達は精神的に支えあっているということが徐々に見えてきました。ラストの話では、現代社会の「魔の手」が霧笛荘に忍び寄ってきますが、そこで彼らが霧笛荘を愛していたことが垣間見られます。
 一人一人の人生を老婆は語りますが、みなまで語られないため、その後彼らがどうなったか分かりません。話の設定上、もう霧笛荘には誰も住んでいないことになります。そのへん、ちょっぴり悲しいですが、誰もがその時間と場所にとどまり続けているというのはありえないのです。小説だからってハッピーエンド!じゃおかしいですしね。人生ってそういうものらしい。

 浅田さんの短編小説は飽きないので好きです。
人間くさいのも、おっさんくさいのも、今作のように少し幻想的なものも。これから冬にかけて浅田さん作品を色々読もうかなと思います。

1■港の見える部屋□千秋
 死のうとして死ねず、霧笛荘にたどりついた千秋。隣室のホステス・眉子にかいがいしく面倒をみてもらうが、人生に絶望し、自殺する機会を伺いながら生活している。自殺の機会が回ってきたが・・・。

2■鏡のある部屋□眉子
 姉さん肌で、千秋を出し抜いて自殺した眉子の過去。実は、お嬢様で見合いで結婚をし、子供もいる裕福な生活をしていた過去があった。型にはまった、つまらない自分。初めて着飾った日に眉子は全てを捨て去る決心をした。

3■朝日の当たる部屋□鉄夫
 威勢はいいが、やくざとしては物足りなかった鉄夫。罪をかぶって入った刑務所から出てきて、船の掃除をして食いつなぎながら、ヤクザとして誰かに認められようと頑張る。上の部屋の若者を気にかけたりと優しさがある。正直な鉄夫は最終的にまた罪をかぶってしまう。
 
4■瑠璃色の部屋□四郎
 テレビに出て活躍しているミュージシャン・四郎の霧笛荘時代と過去の話。北海道から上京した四郎だが、東京で仲間とバラバラに。バイトをしつつ、夢の実現も遠のくばかりの日々だ。彼の心残りは、故郷に残し、知らぬ間に死んでしまった不具の姉の存在。隣室のオナベ・カオルと姉の像をだぶらせる。

5■花の咲く部屋□カオル
 威勢のいい男性を演じているオナベであるカオル。しかしその過去はみじめで寂しい少女だった。おとなしい性格で、出稼ぎで造花を作り続けた日々。工場の社長との関係や乱暴な兄を捨て去り、町でであった一人のオナベとして働くひとのもとに行き、自分の足で生きることを決めた。ただ、老婆の語りでは、カオルは事故か何かで死んでしまったようですね。
6■マドロスの部屋□園部幸吉
運河の町に来て以来マドロスの格好をして生きた男。太平洋戦争で特攻の指令が下る日を死の覚悟をおえ、心待ちにしてきたが、終戦を迎えてしまった。遺言を送った思い人は「後追い」自殺を遂げていた。
⇒一番しんみりする話でした。

7■ぬくもりの部屋□老婆
遠い、影の世界が一変。霧笛荘の土地を買い上げようとする不動産企業が、住人達を調べ上げ、地上げに着手する。
6人が去る前、尋ねてきた「誰か」が来る前の話。
中国家屋特徴の「オンドル」が暖める部屋で、老婆の居場所を住人達が守る。



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コメント

 

こちらこそ、ご訪問ありがとうございますi-228
ヘミングウェイはべたに「老人と海」しか読んだことがありませんが、
なかなか深そうで難しそうですね。
またレビュー拝見させていただきますi-179

 

ご訪問ありがとうございます。

浅田次郎、僕も好きです。

いまは、ヘミングウェイに凝ってます。
彼の作品の「死」と「生」を追ってみたくなりました。

また、遊びにきてくださいね。

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