「後巷説百物語」
「巷説百物語」「続巷説百物語」に続くシリーズ第3弾です。
本屋さんで見つけて即購入してしまいました・・・。また怪しい小説ブーム再来のようです。
赤えいの魚
天火
手負蛇
山男
五位の光
風の神
「後巷説百物語」。「のちのこうせつひゃくものがたり」と読みます。続巷説の最後「老人火」で、又市とおぎんと別れ、旅をやめてしまった百介。読者にとっても寂しい結末でしたが、この後巷説百物語は、時代は明治、一白翁と称し隠匿生活を送る老人になった百介が若い人に自らの体験と見聞を語るという後日談的なものです。百介と又市のまだかかれていなかった事件や後日談、そして次の「京極堂シリーズ」につながる話というなんだかすごい本です。
ここでの百介は、小夜という若い娘と二人で九十九庵というところに住んでいます。小夜はおぎんの孫にあたる娘で、なぜ百介が小夜と暮らしているのかもこの本を読むうちに分かってきます。与次郎をはじめとする若者達が明治の世に起こった怪事についての知恵を借りにやってくるのを、百介おじいさんは楽しみにしています。
「後巷説」は少し寂しさを感じます。
又市のような影で暮らすものがいて、妖怪がたとえいないとはいえ、「機能」していた江戸時代。それが維新後急速に文化が変化し、妖怪という存在が必要ではない時代になってしまった。80を超えてしまった百介は、大好きな怪異譚が必要でなくなってきていることを実感し、若いころの又市との体験を何度も思い出しては寂しく思います。何十年たっても百介の耳には ーりんー という鈴の音が時折聞こえてくるのです。なんともその寂しさにホロリと来そうになります。
すこし怖くて、とても切なくて面白い一冊。
最後の「前巷説百物語(さきの)」が文庫化されるのを心待ちにしておきます。(又市と百介がであう前の話だそうです)
この本にはさまっていた「巷説百物語シリーズ解説書」。これは役に立つ?というか、作ってくれてありがとう!っていう感じですね(笑)
シリーズ4作の主要人物の相関図と、作品の年表がついていました。
作品の年表が前後関係が分かってとてもよかった!
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この話を読んでいて、江戸時代から明治時代への変化の中で生きていた人たちは、どんな思いだったのだろうかと思いました。現代も急速に文化や暮らしが変わってきているとはいえ、江戸から明治という時代の変化とは全く違うのではないでしょうか。新しいものを600年もの間ストップさせていたところへ、いきなり新しいものがどっと流入してきて、国の仕組み、首長、身分も、暦も、服装も、生活も・・・なにもかも変えなければならなくなったというのはどういう気持ちだろうか。生活レベルは一緒でも、きっとすごく戸惑うのだろうなぁ。この辺を知るには、明治の文学を読むしかないのでしょうか。
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