「パレード」
吉田修一さんの作品が図書館に結構あったので借りてきました。ちなみに山本周五郎賞受賞作とのことです。ちなみに、またまた装丁が鈴木成一デザイン室さんのものでした!
2LDKに共同生活をしている若者5人のそれぞれの胸のうちを綴った作品です。
<目次>
杉本良介 21歳・H大学経済学部3年
現在、下北沢のメキシコ料理店でバイト中
大垣内琴美 23歳・無職
現在、若手人気俳優「丸山友彦」と熱愛中
相馬未来 24歳・イラストレーター兼雑貨屋店長
現在、人生を見つめて深酒中
小窪サトル 18歳・自称「夜のお仕事」に勤務
現在、無駄な若さを切り売り中。
伊原直樹 28歳・インディペンデントの映画配給会社勤務
現在、第54回カンヌ映画祭パルムドールの行方を予想中。
血のつながりもなければ、親友といったわけでもなく、年齢職業もばらばらな5人。最初の杉本君は、大好きな先輩の彼女に一目ぼれし、あろうことかその彼女とこっそりつきあうことに。その顛末や杉本君の言動がなかなか面白い。
面白い出だしで、楽しい共同生活か・・?と思ったのは最初のうちで、結構誰もがドライな感覚で生活していることが分かってきます。
馬鹿なことで一緒に騒ぎつつも、一番弱いところは見せられなかったり、上辺だけの関係でいいから楽と思っていたり。
実は心では馬鹿にしていたり、親身なふりだけだったり…。
現代の若者らしい心境(と簡単に表現しちゃうのもなんですけど)がとても面白く読めました。
結構ドライだったか・・と少し最初は驚いたけれど、実際そんなものだと思います。一緒に住んでいなくても、学校とか会社でもうまくつきあう上では当たり前のこと。その場に合わせた自分でいればいい訳で、すべて本心さらけだしてぶつかりあっていたらたまらない。つぶれてしまいます。適度な関係の仲間に対してもそんな感じでしょう。
ただ、私は一緒に暮らすのはきついです。出ても帰ってもどこか演じておかなきゃいけないとはきつい。適当な感じでいれるのがなによりも一番楽という感覚が私にはないみたいです。自分と向き合う時間が…といってしまうと大袈裟ですが…ないような気がします。
琴美がこの生活を「ネットのチャットのようだ」といっているところがあります。誰でもいい誰かに言いたいことだけ言えて、かといって干渉されるわけでも、干渉されても気にしなくていいネットみたいな関係が、この人たちの家の中に入り込んでいる感じなのかなと思います。
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