「ZOO 1」
乙一の短編集「ZOO」の1・2のうちの1。
双子なのに、自分だけ母親から虐げられる姉の話、次々と人が殺されていくらしい部屋に閉じ込められた兄弟の話、どちらかが死んでいるらしい両親の間をつなぐ少年の話、死後埋葬してもらうために作られたアンドロイドの話、そして、殺害された彼女の腐敗していく写真が送られてきて<捜査>に乗り出す男の話。
どれもブラックな雰囲気であふれ、とても胸をざわつかせる力を持った短編集です。
乙一の話はまだ少ししか読んでいませんが、考えるトリックというかストーリーや設定がすごいなと思います。会話の表現とかはなぜか慣れれなさそうですが、読んだ後に「この終わり方はなんということだ」と、意味もなく考えさせられてしまいます。
「SEVEN ROOMS」だと、これは救いがあるようで、ハッピーエンドではない。起こってほしくなかったけれどそうするしか仕方のない設定でとても残酷…。これはホラーな作品だったと思います。一番の衝撃作でした。
「ZOO」「ヨーコとカザリ」も薄気味の悪い雰囲気でした。
「陽だまりの詩」と「SO・far」は不幸ではないけれど、どこか悲しい話。純粋な心を持った人々の話になっています。
この「1」に収録されているのはオムニバスの映画になっているそうです。「SEVEN ROOMS」だけグロそうですが、少し見てみたいです。 「ヨーコとカザリ」
ヨーコは母親から昔から折檻をうけ、ご飯を食べさせてもらうのもままならない扱いを受けている。最近では殺されるのではないかと感じている。一方双子の妹のカザリはたっぷりかわいがられている。同じ顔であるのに境遇が違いすぎる二人。そんな中、ヨーコは初めて自分に優しく接してくれる老婦人と出会いますが・・。
「SEVEN ROOMS」
ある日突然、小さな部屋に閉じ込められてしまった高校生の姉と小学生の弟。部屋を通る汚水の溝から抜け出した弟が見たものは、7つの部屋と、同じように閉じ込められた女性たち5人がいることだった。目前に迫る死から二人はどうやって逃れるのか!?
「SO-far そ・ふぁー」
ある日突然、両親が互いの姿が見えていないということが分かった。どうやら列車事故でどちらかが死んでしまったらしい。両親ともが見える僕はけんかがちな「二人の世界」を行き来しながら互いの意思疎通のパイプになるという不思議な生活が始まった。
これはすごい設定と思いました。親の言葉は思う以上に子どもを深刻にさせるものなのかもしれないですね。
「陽だまりの詩」
近未来?病原菌であと2ヶ月しか命がないという男性により生み出された「私」。死んだ後、男性を埋葬するために作られたロボットである。最初は無機質だった私も、だんだん人間の心に近いものを抱くようになり、そして「死」の意味を知ります。
「ZOO」
男のもとには毎朝殺された彼女の腐敗していく写真が送られてくる。彼はそれを見て憤慨し、独自で犯人をつかまえようと立ち上がる。しかし、それは「演技」だった。彼女を殺したのは男自身だったのだ。殺した事実から逃げたり戻ったり、男の狂気が始まる。
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