「チルドレン」
伊坂 幸太郎 / 講談社(2007/05/15)
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自分独自のルールでずんずん突き進む陣内。ゆっていることはめちゃくちゃだけれど、最終的には彼の言ったとおり。そして不思議とうまくいく…。厄介だけど憎めない、陣内をめぐる5つの小事件。
やっぱり伊坂さんの描く話はカッコいい。子どもがちょっと素行が悪くて強い子に惹かれるような感じ。そして、シャープな文章も好きです。
本作の中心人物、陣内は、最初から破天荒な人物。「パンク」では、銀行強盗で人質となった彼。そもそも時間外に無理やり入ったことが悪かったのだが、人質にされているにも関わらず、しゃべったり、犯人を挑発したり、挙句の果てに歌いだす始末。その歌ったビートルズの歌はとんでもなくうまい。そんな陣内の人柄と、突飛な行動が、一緒に人質になった友人の鴨居、事件を発端に仲間になった、盲目の永瀬や、その彼女優子、家裁調査官の後輩・武藤と、彼らの視点から描かれます。
最初は自分勝手さにいらっときてしまう陣内ですが、話を読んでいくうちに、陣内がなにを言ってくれるのか、どうやって解決してくれるのか楽しみになってくるから不思議です。
陣内は、大学を卒業した後は家裁調査官になり、これもまた独自なやり方で少年たちの更生をかけて「奇跡」を起こします。彼の言葉は失礼で粗暴ですが、それは悪意がなく、本心からいった言葉。不思議な魅力が彼にはあります。
また、少年非行と、その更生というテーマがですが、説教じみていたり、分かったふりをしていない印象があって、よかったです。色々調べてかかれたんだろうなぁと思います。
少年の心をほぐしていく過程や、ちょっとしたハプニングに、ミステリー作家ならではのトリックが効いていておもしろいです。そしてなかなか温かい結末を迎えるので素敵な話になっています。
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