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☆4040の本棚☆ 文庫とミステリに偏っている私的な読んだ本のおぼえ書きです。

「沖で待つ」

亡くなった同期と交わしていた約束を果たすために彼の部屋に侵入する・・・。会社の同期との友情を描く一作。


絲山 秋子 / 文藝春秋(2006/02/23)
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Amazonおすすめ度:



 2006年の芥川賞受賞作「沖で待つ」です。
角田光代さんのような感じかなと思って借りてみました。なんでそう思ったんでしょう。お二人の年齢が近いせいかも知れないし、芥川・直木賞を受賞されているからかもしれません。近からず遠からずで似た雰囲気があるんじゃないかなぁと思うのですがどうでしょうか。

 表題作「沖で待つ」は住宅機器メーカーに勤める主人公の及川という女性と、牧原太という同期入社の二人の話。二人は恋愛関係にあるわけではないが、入社直後から二人で福岡配属になり、苦楽をともにしてきた仲である。太は上司と結婚をするが、及川に互いが死んだ場合、恥ずかしい痕跡を消すために、残ったほうが部屋に忍び込み、パソコンのデータを消そうという約束をする。
 冒頭で分かることであるが、太は何らかの理由で(後に分かる)なくなっており、久しぶりに彼のアパートが会った付近に立ち寄った及川が、彼との思い出を述懐するという内容。
 業務内容の書き方が、働いた人じゃないと分からないような描き方だと思ったら、糸山さんは住宅機器メーカーIに勤められていたそう。おそらく、実体験もこめられているんでしょう。
 
 もう一作「勤労感謝の日」は、勤労感謝の日嫌々見合いをさせられる36歳・失業中の女性の話。女性は36歳という年がネックでなかなか再就職にありつけていない。それまではバリバリ働いていた女性のようである。上司と喧嘩し、また交通事故に会い、人生ストップしてしまった状態だ。そんな彼女が見合いしたのは、不細工で自称会社大好き・できる男という興ざめな男だった。見合いを投げ出し、昔の後輩や行きつけの古い居酒屋の親父に愚痴る、そんなとある「勤労感謝の日」を描いた一作。なんだかうまくいかないし、ついてないけど、ここまできたんだし、まぁなんとかなるでしょうというなんとなく前向きな話でした。
 どちらも働くことがテーマにあって、働く泥臭さが出ていました。
沖で待つは本当に一所懸命働いてきた充実の日々を同期の存在を通してかみ締めている。私はまだ働き出して2年目で、本当にがむしゃらには働いてはいないと思うし、同期はいるけどともに戦うという感じではない。「一緒にがんばろ〜ね〜」くらいだし、みんな遅かれ早かれ転職してしまい、自分が一番やめずに残ってしまいそうな感じまでする。ずっと続けるのはしんどいとか、働かないでいる人生もむなしいとか色々うだうだ考えてしまう日曜日の晩ですが、こういう話を読むと、それこそ色々考えてしまいますね。まだまだスタートなんですよね。

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