☆4040の本棚☆ 文庫とミステリに偏っている私的な読んだ本のおぼえ書きです。
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2007.12
31
(Mon)

「スカイ・クロラ」 

僕は永遠に大人にならない「キルドレ」。戦闘機に乗り、たまに人を殺す。それをただただ繰り返す毎日―


森 博嗣 / 中央公論新社(2004/10)
Amazonランキング:3858位
Amazonおすすめ度:



「僕はまだ子供で、ときどき、右手が人を殺す。

 その代わり、誰かの右手が、僕を殺してくれるだろう。」


 この話は感想を書くのが難しいので、まずどんな本かだけ紹介します。
森博嗣さんの「スカイクロラ」シリーズの第一巻であり、完結編です。
後の4巻のほうが話の順番では先に来るらしいです。
 どこかそう遠くない未来の戦争で、淡々と空を飛び、人を殺している僕。僕はずっと大人になることがない「キルドレ」という特別な存在だという。なぜ生きるのか、キルドレとは何か、そしてもう一人のキルドレ・草薙水素との関係を描いた作品です。
 ミステリで有名な森博嗣さんですが、SFというより、哲学的な雰囲気を持つこの本。表紙のデザインのように研ぎ澄まされています。飛行機の知識もさることながら、森さんの思考が他作品より色濃く出ていてその辺も面白い本です。

 どこか、そう遠くない未来の日本のような国。そこでは戦争が行われている。
 「僕」カンナミ・ユーヒチは戦闘機のパイロット。もちろん人を殺すこともある。同じパイロットがトキノを含めあと3人、整備士の笹倉、そして上官の草薙水素が同じ職場だ。出撃し、ソロを飛び、偵察し、時には人を殺す。ただただ淡々とそれが繰り返される日常。
 
私はてっきりSFかと思っていたけれど、そうではなかった。苦しい訓練、危機の訪れ、仲間との熱い友情や別離の悲しみがあるわけではない。戦争は軍ではなく会社が請け負って戦っているようであること以外、誰と誰が何のために戦っているのかは分からない。ただ空を飛び、戦い、人を殺す。そこに大義名分や理由なんてない。ただの日常なのだ。読んでいても、戦闘機に乗る彼らですら、戦争が起こっていることはテレビの中の遠い国の出来事くらいでしかないんじゃないかというくらいの感触だ。同じパイロットが打ち落とされてしまっても、多少の悔しさ、戸惑いはあるものの、結局は「いなくなった」というだけというシンプルさだ。本当の戦場もこんなかんじなのだろうか?
 誰もと同じようにハンバーガを食べたり、ボウリングをしたりしているけれど、その手は人を殺めている。だからといえ、それがどうしたというのか?お金や産業、技術…「意識しなくても、誰もが、どこかで、他人を殺している」のだ。でもそれも仕方のないこと。カンナミはそう考えている。作者の戦争観のひとつなのかもしれない。
 このような全容の見えない戦争の日常が描かれる中、この世界にはある存在がいることが分かってくる。それが「キルドレ」だ。この話の中では、大人になることがなく、寿命がない―つまり殺されるまで生き続ける―存在のようであることだけが分かる。僕(カンナミ)、そして草薙水素がその「キルドレ」である。誰かが自分を殺してくれるまで、僕は戦闘機に乗り人を殺し続ける。退屈しないように、なんとか生き続ける。僕はいつまで続いていくのか分からない日々をただ淡々と生きているのだ。一方草薙のほうも謎が多い。何度も死のうとしていたらしいし、殺してくれと頼むこともある。カンナミの過去、草薙の過去とカンナミの前に働き、草薙に殺されたというクリタ・ジンロウのこと。謎は多い。キルドレという存在であるが故に持ちつづける苦悩が最後に迎える衝撃のラストへと繋がっていく。
 でもそのラストがどういうことなのか分からなかった。
ラストの真相に少しでも行き着くまでにはきっと、様々な背景がまだ分かっていないのだ。なぜならば、「スカイクロラ」は一番先に出ているけれど完結編だから(!)。後の4巻が、スカイ・クロラまでにいたる過去が書かれているのだろう。またもや続きを読みたいシリーズができてしまった。(どうも一気に読まずに美味しいものは後でというかんじで小出しに読んでしまう)

 自分が日常であがいていることが馬鹿馬鹿しくなるくらい、静かでシャープな話。なんでいきているんだろう?と別に死にたいわけでも死んだほうがいいとか描かれているわけでもないけれど、静かに考えるというめったにないきっかけを与えてくれる本ではあると思う。私は、とりあえず落ち着きました。

 今回文庫版を買いましたが、本当はハードカバーのほうが欲しかったです。鈴木成一デザイン室のデザインのもので、5巻とも美しい空の写真がカバーで、光沢のある紙のうえから、さらに、透明のフィルムカバーがついていてとても綺麗なんです。↓


 
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