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☆4040の本棚☆ 文庫とミステリに偏っている私的な読んだ本のおぼえ書きです。
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2008.01
28
(Mon)

「とるにたらないものもの」 

とるにたらないものを江國香織が輝かせるエッセイ


江國 香織 / 集英社(2006/05)
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 ほんとうに取るに足らないものなのだ。信号に始まり、輪ゴム、食器棚、フレンチ・トースト、洋画劇場、ピンクなど生活の中で使ったり見たりしているものたち。それらがたとえば不便である、便利である、もしくは、好きだ、嫌いだという印象を述べるだけでも、江國さんが書くとやわらかく素敵なものに思えてくる。たとえば、嫌いなものだとしても、それに対する恨みごとではなく、好きだと感じられる人間になりたいとか、嫌いだけどどうしても気になるとか、そういう否定ではない表現になる。
 それでなくとも、彼女がそれらに持っている印象は、普通に暮らしている人では持ちえない印象であると想う。ユーモアがあって、ちょっと世間からずれているというか、ゆったりしているところが微笑ましい感じがする。
 自分がたまに断片的に思い出す、昔見ていたもの、感じたものを、こんなふうにあらわせたら素敵なことだと想う。でも、自分が書いても、きっと「だからなんなのだ」とおもしろくもなく、輝きもしないような気がする。
 江國さんが感じ、書くものだから読んでみたいと想うのだ。
(江國さんに思い入れがなかったら、やっぱりツマラナイのかもしれないけれど)

 この本を読んでいると、ゆったりした気分になり、生活のいろいろなものがいいものに思えてくる。心が豊かになるような気分だ。でも、この本を読んでいたのは移動途中の電車の中だった。それも、大阪で最も煩雑な環状線。「京橋」というアナウンスを聞いたあたりから現実に戻り始める。雑居ビルの立ち並ぶ風景に、騒がしいおばさんやうつろなおじさん。失礼な話がっかりする。「玉造」で電車を降りるころには、仕事のことを思い出し、キリキリ歩きはじめなくてはいけない。非常に残念だ。
 やっぱり、江國さんの短編やエッセイは、家で、それも寝る前に読むのがベストに違いないと思う。
 
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