☆4040の本棚☆ 文庫とミステリに偏っている私的な読んだ本のおぼえ書きです。
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2008.02
23
(Sat)

「猫舌男爵」 

 幻惑の短編5編。

皆川 博子
Amazonランキング:311102位
Amazonおすすめ度:



 ちょっと怪しげなる本を借りてみた。新聞の新刊広告で皆川さんの何かの本が気になってメモしていたのですが、結局何の本だったのか分からなかった。棚を見ていると幻想小説を書かれているようだった。
 この本は5編の短編集。表題作意外は、幻惑的な世界で少しグロテスク。独白系の精緻な文章は、ゆっくり読んでいると、わけが分からなくなりそうだったので、ざっと流しながら読むことにした。小川洋子さんの小説をより濃く、そして不気味にしたかんじだった。

『水葬楽』
 不気味な世界の死を待つ人々の話だろうか。
 おそらくは未来の世界その一族は、「容器」に入り、培養液のようなものに浸りながら、苦痛のない死を迎える実験を行っている。そこには、隔離されて暮らしてきたとみえる兄と妹がいる。彼女達は、両親やその他の人間から「無視」されているようだ。彼らは結合双生児だということが分かる。君の悪い死を迎えた両親と、外の世界と、彼女のこれから。

『猫舌男爵』
 これは、笑えるおもしろさ。ジェロムスキという欧州の学生が、日本人女性の短編集を翻訳する。その翻訳の「あとがき」をめぐる人々の書簡である。
 最初はジェロムスキの「あとがき」が書かれている。あとがきは「猫舌男爵」についてはそこそこに、非常に支離滅裂なことを書いている。彼は山田風太郎の甲賀忍法帖に感銘を受けており、また、非常に翻訳に苦労している。かなりの熟語を訳し間違えていることもあり、とても面白い。
 このあとがきを中心に色々な人の模様が手紙やメールで描かれる。あとがきの中で、知識を貶められ、若い頃に芸者を買ったことを妻に知られることになった大学教授の怒りの書簡や、山田風太郎ファンの日本人からの手紙(ジェロムスキは、堅い日本語で書かれたこれを読めない)、大学の同級生カップルの勘違いや、猫舌男爵の著者を知る人物のメール…。「猫舌男爵」の内容と、姿を消しているその著者については置いてけぼりである。
『オムレツ少年の儀式』
 ドイツあたりの貧しい少年のミステリアスな話。彼はレストランでオムレツを作る職についている。靴職人の癒えに母親と居候している。読み進めていくうちに、母親と靴職人にただならぬ淫靡な関係があることが分かるが、少年は、まだその意味を理解することができない。ぞくりとするラストを迎える。

『睡蓮』
 ぼろぼろになって死んだ老女の、その人生を追う、風変わりな作品。
 若いころに才能あふれる画家だったエーディトという女性。彼女や周りの家族、彼女に影響を与えた画家などとの間の手紙が、彼女の死から、ずっと若い頃までさかのぼっていく。
 晩年のエーディトは精神病院に入院しており、母親からは見捨てられ、双子の兄は必死で病院にいるように援助をしているようだ。彼女は、才能があったが、師であり、愛人であるグリューンフォーゲルの陰に隠れ、なかなかいい評判を残せなかったようである。また、彼女は彼のせいで人生を狂わされたと考えていたようだ。
 
『太陽馬』
 ロシアの革命が起こり、帝政が終わり、そしてソヴィエトの時代が始まる動乱が舞台のようだ。コサックだった主人公を含み、4人の兵士が図書館だった建物に潜んでいる。戦局は追い詰められ、投降して捕虜になるか、死ぬかのどちらかである。主人公は、舌ではなく、指で音を奏でる不思議な人間たちの創作をしたためている。という話である。ロシアの運命と共に語られる、コサックの人々の残酷な運命が少々グロテスクな話。
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