「ビッグ4 」
アガサ・クリスティー
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早川書房のクリスティー文庫4の「ビッグ4」。
今作のエルキュール・ポワロの敵は世界をまたにかける犯罪組織「ビッグ4」。犯罪組織の壊滅に向けてポワロが挑む、スリリングでダイナミックな作品だ。
ポワロの元をアルゼンチンから一時帰国してきたヘイスティングズが訪れる。ポワロは事件の解決のためにちょうどアルゼンチンへ向かおうとしているところだった。その二人のもとに、突然英国情報部員が命絶え絶えに駆け込んでくる。彼は「4」を書きなぐるだけで死んでしまう。
ポワロは、「4」はビッグ4という犯罪組織のことを示すだと察知する。
ビッグ4とは、ナンバー1の中国人のリー・チャン・イェンを筆頭にした世界的な犯罪集団。ナンバー2は財力、ナンバー3の女性は科学に長けており、そしてナンバー4の殺人者であるという。
ポワロたちは、この世界支配を目論み、動き始めたナンバー4を追い始める。組織に命を狙われ、大掛かりな罠を何度もしかけられ、絶体絶命という状況に何度も陥る。しかし、常に先を読み巧妙に振り切るポワロ。最後にはポワロから大掛かりな罠をしかけ、とてもスリリングな闘いを挑む騙しあいがおもしろい作品だ。
この作品でもいい味を出しているのはヘイスティングズ。ポワロに負けじと頭を働かせて動くが、まんまとビッグ4に騙されるのはおろか、ポワロが仕掛ける罠にも騙されている。ポワロはヘイスティングズの行動も加味したうえで罠を仕掛けているのだ。とてもいたたまれない可愛そうなヘイスティングズ氏だけれども、正義感とポワロに対する友情が素晴らしい。
初めて読んだ3冊に、彼がたまたま出ていたので、ヘイスティングズがいない作品は少し寂しい。あまり探偵ものを読まないので例が変だけれど、ホームズのワトソン君であり、陰陽師の博雅みたいな存在であると想う。うまく使われてしまう彼が私は大好きだ。
設定がダイナミックな割には、そんなに長くないので読みやすい作品だとおもう。
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