* bookmarker's bookshelf *

☆4040の本棚☆ 文庫とミステリに偏っている私的な読んだ本のおぼえ書きです。

「黒笑小説」

 エゴ丸出しの人間の滑稽さが満載!


東野 圭吾
Amazonランキング:817位
Amazonおすすめ度:



「もうひとつの助走」★
「線香花火」★
「過去の人」★
「選考会」★
「巨乳妄想症候群」
「インポグラ」
「みえすぎ」
「モテモテ・スプレー」
「シンデレラ白夜行」
「ストーカー入門」
「臨界家族」
「笑わない男」
「奇跡の一枚」
 ★は「文壇」にまつわる作品


「毒笑小説」「怪笑小説」に続く第三弾「黒笑小説」。
 ミステリで有名な東野さんのまったく違った風合いの作品。それはギャグであったり、シニカルなものであったりする。直木賞までとって、クールな作品を出し続けているような、第一線の作家が書きそうにないような内容ばかり。「世界のいろんなものが巨乳に見える」とか、ものが見えすぎてホコリや花粉まで見えてしまうとか、考えても誰も文章化する人はいなかったんじゃなかろうか。
 帯には「ヤケクソで描いた」と書かれているけれど、ギャグは楽しそうに、シニカルなものにはストレートな怒りや憤懣が溢れているような気がする。 

 この本は、文壇事情を描いた4作から始まる。クールで華やかそうな文壇の世界。でもそこは、作家のエゴと、出版社の思惑が錯綜し、どろどろした、ヤナところ、と東野氏は見ているのだろう。
 4作を通して2人のキーパーソンが現れる。売れなくなったが「大物」と思い込んでいる古株の寒川氏。新人賞を受賞し、冴えなかった仕事をやめて、大物作家になったと勘違いしている熱海氏。この二人のそれぞれのエゴ。裏で痛快に出版社の面々がこき下ろしてくれる。

 ほかの短編は、日常生活にありえないシチュエーションを描いたギャグ。どれもアホ臭くて面白い。

 ミステリより、まっさきにこっちを買ってしまうのもなんですが、おもしろいですよ。

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