「蒼穹の昴」
浅田次郎の「蒼穹の昴」。文庫本にして4巻分の大作。とても面白かった。
お正月の間にゆっくり読もうと決めていたのに、結局28日から読み始めて1日には読了してしまった。
話の舞台は中国清朝末期。西太后が権力を握っていた時代で、ラストは「百日維新」「戊戌の政変」が舞台になっていた。世界史の教科書なしには読めません(笑)この後の、溥儀のあたりの話はよくあるみたいだけど、ここにスポット当てたのはすごいなと思う。
李鴻章、袁世凱、康有為といった世界史で見たことある名前から、何故か、乾隆帝(の霊?)やカスティリオーネ、後の毛沢東まで現れる。かなり勉強にもなる感じだ。
話は、2人の人物を中心にまわっていた。1人は李春雲という極貧の子。もう1人は梁文秀という地主の次男。放蕩息子だけど、科挙に挑戦する。私は、この文秀さんがお気に入りです。破天荒な人物だけど、すごい意思を持ったかっこいい人だと・・・(^^;)
李春雲は、占い師に将来国の財宝を手にすると予言され、科挙を受ける文秀についていき、彼とは別れてしまう。後に自ら宦官となり、西太后に仕える身になる。文秀のほうは、科挙に見事トップで通り、皇帝の下につかえるようになる。(宦官についても勉強(?)になる。纏足にしろ、宦官にしろ中国って近代まですごいことやってたんだなぁ・・。)
この二人の運命や、清の国の行方、西太后をめぐる人々などなどがからまって話は進んでゆきます。
人と人のつながりが巧妙。中国語で読みにくい名前の上に、多くの政治家がでてくるので、人物把握が大変だったけど、思わぬところにつながりがあるし、一人一人の設定もおもしろかった。
「西太后」の書き方もおもしろかった。彼女は、実の夫や子どもを殺してまで権力を握り、贅沢をつくした怪女というイメージがあった。確かにそういう部分も描かれていたけど、ここでは、甥である皇帝を愛し、弱いところもたくさん持つ女性として描かれていた。大国を背負わされた悲しい運命を持つ女性だった。
とても長い話だけど、続きが気になって、一気に読めた。時間がある方、中国の歴史が好きな人にはとくにおすすめです。
それにしても歴史小説ってすごい、って改めて思った。いろいろな史実を調べて、研究した上で、資料を物語に、人物にキャラクターを、作者なりの解釈で作っていく。並大抵のことじゃぁできないです。
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