☆4040の本棚☆ 文庫とミステリに偏っている私的な読んだ本のおぼえ書きです。
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2008.10
20
(Mon)

「お腹召しませ」 

がんばる江戸のサラリーマン=「武士」
 

浅田 次郎
Amazonランキング:597位
Amazonおすすめ度:



 幕末の維新の時代の武士たちを描いた短編集。
長く続く中で形骸化してしまった「武士」という存在。借金に苦しみ、かの関が原のときのような合戦にも出たことはなく、おまけに将軍は政を明けわたしてしまう。色々な武士が自分なりの武士の姿で生きていこうとする様子が描かれている。
 おもしろいのが、短編の前後に作者の語りが入っているところである。作者は昭和26年に生まれ、祖父に育てられ、非常に貧しい幼少期を過ごしたようである。江戸っ子の祖父はそのまた祖父などから聞き及んだ江戸の武士の話を聞かせていたという。私たちの世代になると江戸はおろか、戦争中の話しを又聞きすることすらままならない。江戸が少し手に届く時代だったというのは、とても新鮮に感じる。その、江戸時代話を種に膨らませていく過程と、話の終了後のつぶやきが面白い。
 武士という、今で言う、サラリーマンのお父さん達の、悲しくも面白い短編が揃っています。

「お腹召しませ」
 娘婿が横領をして遁走してしまった高津又兵衛。四方に手をつくすも打つ手はなく、お家が取り潰しになるか、自害するかの道しか残っていなかった。腹を切る覚悟を決めるも、哀しいことに親戚も、妻も、娘も「お腹召しませ」と執拗に又兵衛に自害を勧めてくるではないか。すでに腹を切る武士なんてものは何処にもいなくなったこの頃。本当に又兵衛は武士として腹を切るのか・・・!?

「大手三之御門御与力様失踪事件之顛末」
 話は自由を奪う携帯電話へのぼやきから始まる。メールに電話、お構いなしにかかってきて煩わしく、かといって出なければ余計な詮索を受けてややこしくなるだけである。あるだけ余計なコミュニケーションも増えるものだ。いっそ「神隠し」あうしかない、と思いつかれた話。
御百人組の詰所から横山四郎次郎が忽然と姿を消し、数日後に記憶をなくした状態で戻ってきた。長い仲である長尾小源太はこの失踪が天狗による神隠しではないと見抜き、四郎次郎を問いただすと・・・?江戸のサラリーマンの滑稽話。

「安芸守様御難事」
 いろいろ複雑な縁をかいくぐって「安芸守」として殿様になってしまった浅野。殿様として行う様々なことが説明のないまま進められてストレスを感じている。特に縁から籠に全速力で走る練習させられている「斜籠の儀」が何であるのか、誰もが口をつぐんで教えてくれない。どのようなよくない儀式だというのか不安を募らせる・・・。
 これは実在した殿様で、後に明治になって彼が活躍した史実があるということだ。

「女敵討」
  卒業名簿の物故者一覧から「貞」の字を使用した名前が消えたことを発端にした話。
 貞次郎は江戸に2年余りも「単身赴任」している。こっそり江戸の女との間に子をなしていたが、ある日、故郷に残してきた妻が不貞を働いているとの知らせが入る。不貞の場を押さえれば、両人とも切り捨ててよいという厳しい時代。貞次郎は意を決して屋敷へ戻り、ちょうど逢引していた妻と愛人と対峙する・・・。 今で言う中学生くらいで初対面の女子と結婚し、夫婦ではあるが、その絆はむしろ「兄と妹」といった哀しさが産んだどこか悲しく優しい話。

「江戸残念考」
 260年の徳川幕府が大政奉還をし、新しい時代と勢力がだんだんと入り込んできて、自分達の運命がどうなるのか分からない、以前と変わらないけれどどこか不安な江戸の町。浅田次郎左衛門(笑)は、出陣を今か今かと待っていたが、当の慶喜公は戦を放棄したも同然。町には失望と「残念」「無念」の言葉と溜息ばかりが溢れている。「脱走」が相次ぐ中、次郎左衛門が下した武士としての決断は・・?
 戊辰戦争の「上野戦争」をモチーフにした作品。脱走は旧幕府軍の有志として出陣することのよう。ちょうど「憑神」という作品も同じ舞台ですね。

「御鷹狩」
 武士として生まれたのに維新が起こり、その階級の意味がなくなった若者たち。彼らが出た行動は、新政府についた人間らに体を売る遊女を襲い、切り捨てるという暴挙だった。
 高度経済成長期に、貧しかった学生達が政治や思想に青春のたまった欲望を発散させていたように、武士の若者の姿を描いたというこの作品。なるほど、今は豊かだから、有志で集まり、政治やら暴力で発散させることはないということだったか。
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コメント

ありがとうございます 

こんにちは。
書き込みありがとうございます。
見ていただいてるとは本当に光栄です!
また、是非来てくださいね。

はじめまして 

初めて書き込みます。ちょくちょく見に来てます。また遊びにきますね。

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