☆4040の本棚☆ 文庫とミステリに偏っている私的な読んだ本のおぼえ書きです。
  • 05 «
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • » 07
--.--
--
(--)

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2008.11
08
(Sat)

「前巷説百物語」 

青臭い又市の、御行の又市誕生までの道筋

京極 夏彦
Amazonランキング:71456位
Amazonおすすめ度:



 御行の又市が活躍する「巷説百物語」の最終巻。
「巷説百物語」→「続巷説百物語」→「後巷説百物語」と続いていますが、これは時系列でいくと「巷説」の前。
 若い又市が御行姿で暗躍するまでの話が描かれている本編だけど番外編ともいえる、素敵な1冊。
 若い又市は、まだ「裏」ではなく堅気ではないにしろ「表」の世界にいる。上方を終われ江戸に来た股市は、その「青臭さ」(笑)が買われ、損料屋「ゑんま屋」の仕事を手伝うことになる。
損料屋とは、衣類や布団、食器などをレンタルする職業で、使われることで商品についた傷の「損」に対する料金をもらうという商売。「ゑんま屋」は幅広い商品を貸して損料を頂くだけではなく、「あらゆる損」を引き受ける稼業まで営んでいた。
 ゑんま屋の女主人お甲が持ち込む「損」。靄船の林蔵や、暗殺者の山崎寅之助、からくり道具制作を得意とする長耳の仲蔵らと協力して損を八方丸く収めて行く。その方法は、妖怪物の怪でカモフラージュしていくシリーズでおなじみの方法。本草学者の久瀬棠庵が怪異の裏づけをし、同心の志方がうまくだまされて公に解決とみなされるという流れである。
 又市は損とそれを埋める仕掛けは同じ重さでなければならず、また死人を出さないようにしたいという信念を強く抱いていた。 しかし、「稲荷坂の祗右衛門」にちょっかいを出してしまったばかりに、表だけで活動してきたゑんま屋に闇が襲い掛かる。そのことで仲間を多く失ってしまった又市は、「裏」の世界で生きることに決めるのである。
 口先で人を操り、仕掛けていく又市の駆け出し時代。既刊では完璧ともいえる仕事をしていたが、多くのものを失い、悲しみ、悔やんだ過去があったのである。切ない最後の章は、身分制度にかまけて人を見失った人々に怒り、感情をあらわにする又市が印象的だった。

 前の3巻の話にリンクした部分がたくさんあって、もう一度頭から読み直したくなる1冊。少女のおぎんや、名前は出ないが百介も登場。本当は文庫で買いたかったけれど、我慢できず図書館で借りてしまいました。

■寝肥(ねぶとり)
 女を何度も売りさばく極悪非道の色男。又市が入れ込んでいた女郎がその男の妻を殺害してしまったと自決しようとしていた。あまりにも不憫な女の人生に、又市は長耳や知り合った角助と事件を丸く隠蔽してしまうことに。「寝ぶとり」という東北に伝わるという病に似せて・・・。
 この1件で、又市は「ゑんま屋」の下で損料を補う仕事を手伝うことに。

■周防大蝦(すおうのおおがま)
 兄を殺した仇を敵討ちすることになったが、敵討ちをしたくないという侍。どうやら仇は濡れ衣を着せられているらしい。どちらに転んでも誰かが死ななければならないこの「損」を、大蝦の怪物で丸め込むことに!相手の武器で敵を倒す刺客・山崎寅之助登場。

■二口女
 前妻の子を虐待して死なせたという女。誰からも愛される働き者の女の依頼は、それを公にしてしまうと、家族が悲しみ、家はつぶされ、子供が不幸になるので公にできないが、心のうちにしまっておくことができない・・・。そんな分かりにくい「損」を埋める仕事が舞い込んだ。よくよく調べると女の罪ではないことがわかってきた。又市らは、頭にもうひとつの口ができるという怪異を仕立てて真相を暴く・・・。

■かみなり
 女をさらっては犯していた藩の留守居役をなんとかしてほしいという百姓の依頼で、その老侍を辱めた又市たち。その老人が自決したことで、又市は「やりすぎたのでは?」と感じていた。その不安は的中した。老人は百姓達のために、飢饉にそなえて米をプールしていたのである。老侍の恩恵を受けられず、これから予想される飢饉に絶望した百姓たちが、逆に又市たち一味を殺害する依頼を闇の者に依頼してしまった。仲間を助けるために3日の猶予を得た又市の前に救いの手を差し伸べたのは、江戸の悪党で有名な「御燈の小右衛門」だった。

■山地乳
絵馬に名前を書いてそれが黒く塗りつぶされると、その人物が死ぬ。そんな江戸版デスノート的な絵馬が世間を騒がせ、実際に何人もの人間が死んでいた。本当に神によるものか、誰かが操っているのか、奉行も手を出せない。
ゑんま屋・又市のもとに、上方での仲間文作と玉泉坊が現れ、絵馬の事件は「稲荷坂の祗右衛門」が絡んでおり、上方の一文字からの絵馬の事件だけでも止めてくれとの大きな依頼を持ってきた。山地乳という怪物を使い、表面的には上手く絵馬の噂を丸め込んだ又市たち。しかし・・・

■旧鼠
まかしょう―御行―が札を撒き散らす様を見ながら久世と将棋を指す又市。
表だけということで受けてきた損料の仕事がどこか大きすぎて狂ってきていると感じていた。小さな事件も「祗右衛門」に繋がるのではといぶかしむ。
その矢先、ゑんま屋に異変を感じとる。そして、ゑんま屋に関わる人々が次々に惨殺され、又市たちの身にも何度も危険が襲い掛かる。それは、祗右衛門に操られた無宿人や非人たちといった、階級の外に置かれた者達の犯行だった。あっという間にゑんま屋は廃業。仲間を失った又市は、御燈の小右衛門と組んで、祗右衛門の姿を必死で追い、非人たちの説得にでることに―。

祗右衛門の3回目・4回目の死の謎を描いた 「後巷説『狐異者』」の過去の話。2回目の死の真相と、又市が経験した苦々しい「失敗」を描いている。裏の世界だけで生きることを決意し、御行姿になったきっかけも祗右衛門にあったのだ。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://chaserainbows.blog29.fc2.com/tb.php/337-882faddf

 | ホーム | 
ブグログ
プロフィール

4040

Author:4040
4040です*
最近のお気に入りは、梨木香歩さん、森博嗣さん、伊坂幸太朗さんです。
私も読んだぞという方は、これもいいぞという方は是非教えてください♪

最近の記事
カテゴリー
オススメ☆

Wishリスト
最近のコメント
最近のトラックバック
おすすめ

ブログリスト

RSSフィード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブロとも一覧
フリーエリア
ブログ内検索
リンク
新しい本を探しにでかけよう♪

ほんぶろへ
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村 ポータルブログへ
ブログ王へ
amazonさんより

フリーエリア

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。