☆4040の本棚☆ 文庫とミステリに偏っている私的な読んだ本のおぼえ書きです。
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2009.04
15
(Wed)


 考古学者の女性とFBI捜査官が、美術館襲撃事件を発端に「テンプル騎士団」が残したキリスト教の根本を揺るがす古文書を追うサスペンス。
 
 N.Yのメトロポリタン美術館に、「テンプル騎士団」のマントを身にまとい馬に乗った「騎士」4人が襲撃する。ヴァチカンの秘宝を無残に打ち壊し、ガードマンの首を刎ね、逃げ惑う人々を撃った。観客だった考古学者のテスは、一人の騎士が目立たない展示物である暗号機を大切に持ち去るのを目撃する。
 仕事に恵まれない考古学者であるテスは、暗号機のことを調べるうちに、テンプル騎士団が事件に関係していることを確信する。「テンプル騎士団」は13世紀のヨーロッパで、巡礼者を守るために働いていた騎士団であるが、徐々に力と富を蓄え、いつしか教会を脅かす存在になっていた。そのため、教会と王が手を組み、テンプル騎士団を迫害して滅ぼしてしまう。このテンプル騎士団は、キリスト教を揺るがすような大きな秘密や財宝を持っていたのではないかという説が一部の学者の中で語られていた。

 テスは、犯人はこの秘密を暴こうとしているのではないかと踏んでいる。その予測とおりに、秘密に魅入られ、重要な暗号文を手に入れている一人の男にテスは出会うことになる。
 考古学者としての一大発見を夢見るテスは、その危険な男にさらわれたり、秘密を暴こうとトルコに渡ろうとしたりと、危険を顧みず、事件に深入りしていく。事件について話を聞くうちに、美しいテスに個人的な好意を抱いてしまったFBI捜査官ライリーは、憎き犯人を追い、彼女を止めるべく一緒に歴史の謎を求める旅に出る。
 舞台はアメリカにとどまらず、暗号文の内容を追い、トルコにまで。騎士団の秘密は、キリスト教の存在と2千年にわたって築いてきた歴史を崩すような内容である。テスの学術的探究心と、キリスト教の「幻想」をぶち壊したい犯人と、教会を守ろうと暴走するヴァチカンと、犯人を逮捕したいFBIの思惑がぶつかる。果たして騎士団が残した謎とモノは何なのか?
 途中にテンプル騎士団が、この秘密を隠し、守ろうとする経緯が、騎士のマルタンの目で語られ、過酷な運命をたどった騎士団への理解と思い入れを作り出す。

 キリスト教をモチーフにした推理小説と聞くと、「ダヴィンチ・コード」があげられ、この作品も比較されてしまうことでしょう。かの作品に比べると、この作品は、事件のダイナミックさ、人間の絡み方、歴史の深みは劣ったように感じてしまいます。まず最初の犯罪が派手なわりに、最後は歴史の謎の探求に終始してしまうし、黒幕も案外あっさりしています。FBI捜査官と一般女性という組み合わせもあぁー・・・。
 真似して書かれているわけではないので、あとがきにも書かれているとおり、出る時期が「ダヴィンチ」の後ということで悪かったかもしれません。ただ、周囲で「ダヴィンチ」は難しくて分からなかったという声を多々聞きます。出てくる人物も、暗号もややこしいですし、教義や宗教とは何ぞやまで考えさせられるから重いんですね。
 「テンプル騎士団の古文書」はそういう方々にも楽に読めるような内容になっていると思います。
ドラマになっていそうな感じです。テンプル騎士団は名前は知っているけれど、功績までは知らない存在だったので、そういう歴史の面が軽くわかった点で面白かったです。
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