☆4040の本棚☆ 文庫とミステリに偏っている私的な読んだ本のおぼえ書きです。
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2004.11
11
(Thu)

「アジアロード」 

写真家小林紀晴がアジアの国々、タイ・ベトナム・ラオス・ネパール・中国・台湾・沖縄といった場所を旅しながら出会った人々とその写真がつづられている。彼は、会った人々に声をかけ、写真を撮る。自分の国について、シアワセについて、そして日本について短くたずねる。それ以上、彼の意見や見解はない。ただとおりすぎていくものを見守るだけだ。

小林 紀晴 / 講談社(2004/10)
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アジアは近いのに遠いところだ。多分文化もファッションも日本に多く入ってくるのは欧米のものだ。どこか発展途上で貧しい・・・そんなイメージが拭い去れない。『観光』では、カルチャーショックは受けてもそこに生きる人たちのことはかかわらない限り伝わらない。
この本で見たアジアは、急激な発展をとげ、雑踏に溢れる都市や、発展と隣り合わせにある貧しさ、社会主義や戦争時代の傷跡が残る町、昔の宗教を守り続ける町・・様々な面があった。彼が会った人も、修行僧や学生、若者、女優、難民、老人・・・。将来、豊かになるために頑張る人々、豊かな人の反面、貧しい中で生きる労働する若者、宗教に身をささげた人、子どもをさらわれた親子、昔の日本を知る老人・・本当に様々だ。
日本もアジアの一部だ。しかしこの本に出てくる『日本』がどんな国か考えてみると複雑だ。日本は昔、アジアに戦争で侵略し、それが傷としても「なつかしさ」としても残っている。彼らの多くが正規の手続きで日本に来ることはできない。アジアの都市の急激な発展はそのうち東京を越すだろうと若者は言っていた。本当にそうかと疑ってしまう。でも、日本という国、東京は、成長しきって安定という段階にきてしまい、もっと上へという気迫は見られない。この本の中に出てくる若者の何人かは、とても気迫があった。これを見ると東京なんてすぐに追い越されてしまうに違いないと感じた。
この本に結論というものはないけれど、なにかアジアとか日本について考えさせられる面白い本だったと思う。

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