「センセイの鞄」
すごくじんわりと心にくる大人の恋愛のお話でした。
37歳の月子は、ある日居酒屋で高校のときの国語の先生と再会します。センセイはもう70歳近く。担任ではなかったし、さほど印象があった先生ではありませんでしたが、センセイは月子の名前を知っていました。 それから、約束するわけでもなく、居酒屋の席をセンセイとともにするようになります。居酒屋だけではなく、市場やきのこ狩りに一緒に行くこともあります。
年を重ねた分、深みがあって、マイペースなセンセイ。逃げてしまった妻がいて、今は一人暮らし。国語の先生らしく、歌や言葉の知識があって、約束するときも先生という感じの話し方です。一つ一つの言葉がゆったりとしていて落ち着きます。
月子は普通のOLで、一人で生きていても大丈夫だけど、大人にはなれていないと思っているかんじの、淡々とした人です。ちょっとすねたり、不器用な人だなとおもいました。
微妙なお友達関係が続いていく中、月子に言い寄ってくる男性が現れます。年も年だし、そういう関係になってもかまわないけれど、なぜかはぐらかしてしまう月子。一人が大丈夫だったのに、さびしくて楽しくなくなった。そうして涙を流しているところにセンセイがいてくれるとほっとする。このあたりからだんだんセンセイへの月子の思いが形となって現れてきます。
先生と教え子という関係はよく驚かれます。
また、2、30歳離れた老人との結婚も驚かれます。財産狙い?なんて考えてしまわれたりするし、なかなか理解しがたい現象です。
それが一度に起こっているのがこのお話ですが、ぜんぜんいやらしさは感じられません。30代後半と70代という、父と娘のような関係の中にほっかりと浮かんだ愛にとても、ほっとします。そしてどこか少しさびしくもあります。
居酒屋の描写も素敵です。おじさんがいて、カウンターがある、ごく普通の小さな居酒屋。そこで二人の、各々飲んだり食べたりするものがとてもおいしそうです。日本酒なんて飲めないけれど、お酒を飲みたいなという気分になってしまいます。がやがやうるさいチェーン店や、格好つけた店ではなく、こんなところで飲んでみるのも大人の飲み方だな、と、すこしあこがれてみたりします。
WOWWOWでドラマ化されていたようです。
ツキコさんが小泉今日子で、センセイが柄本明。DVDにもなっているようなので、いつか見てみたいです。
川上弘美さんの文章は(多分)初めて読んだと思います。
なにがそうさせているのかは分からないけれど、とても落ち着く文章でした。また、他の作品も読んでみたいと思います。
コメント
TBありがとうございます。
よいお話ですよね。このお話のドラマもすごくよいドラマですよ。お話の雰囲気を壊すことなく、それでいてドラマならではなところも出ていて。
大好きなドラマのひとつです。
わたしも自分のブログで批判はしないように書いています。批判も大切なものだとは思うのですが、やっぱり見ていてあんまり気持ちのよいものではないですから。これからも好きな本についていろいろ書いていけたらと思っています。
こちらからもTBさせていただきますね。
大好きなドラマのひとつです。
わたしも自分のブログで批判はしないように書いています。批判も大切なものだとは思うのですが、やっぱり見ていてあんまり気持ちのよいものではないですから。これからも好きな本についていろいろ書いていけたらと思っています。
こちらからもTBさせていただきますね。
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『センセイの鞄』 川上弘美
正式には松本春綱先生であるが、センセイ、とわたしは呼ぶ。「先生」でもなく、「せんせい」でもなく、カタカナで「センセイ」だ。高校で国語を教わった。担任ではなかったし、国語の授業を特に熱心に聞いたこともなかったから、センセイのことはさほど印象には残っていなか



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ドラマにしたらもっといいイメージが浮かんできそうですね。今度是非見てみたいと思います。
感じたことを文章に書くのはなかなかむずかしいですね。
また、読書の参考にさせてくださいね(^^)