☆4040の本棚☆ 文庫とミステリに偏っている私的な読んだ本のおぼえ書きです。
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2005.11
22
(Tue)

「幻惑の死と使途」 


森 博嗣 / 講談社(1997/10)
Amazonランキング:290,359位
Amazonおすすめ度:


 S&Mシリーズ6作目。今回は「奇術・密室」。でも密室らしい密室ではない感じです。

 どんな状況からでも脱出を果たすことができる天才奇術師・有里匠幻。大勢の人が見ているステージ。箱からの脱出。しかし、箱から現れたの胸を刺され、殺された匠幻だった。密室である箱、大勢の人の目がある中、どうやって匠幻は殺害されてしまったのか。
しかし、奇跡はそれだけではなかった。葬儀の際、直前まであった匠幻の遺体がマジックのごとく失踪してしまったのだ。
 もちろん、たまたまショーを見に行った萌絵はこの事件に頭をつっこんでいくことに・・・。

 
今回はマジシャンが出てくる事件なので、状況を頭で描くのが少し難しかったです。
でも、トリックは分かりやすかったです。(読む途中でわかったわけではなくて、理解しやすかった)。
サブテーマ?の「名前」のほうが重要かと。なぜこの殺人事件が行われたのか。その核心にあるのが「名前」です。今までの作品にはなかった、意味深な独白がありました。

 萌絵の高校のときの親友、簑沢杜萌が初登場。杜萌は、萌絵には適わないけれど、かなり頭の切れる女の子です。だって口頭でチェスしあってるんですよ。すごすぎです。
 実は、この杜萌さんは、次の話のかなり重要な人物のようです。
この幻惑の死と使途」は、なんと奇数章しかありませんでした(1章読み終わるまで気づかなかった・・・。)この匠幻の事件と平行して、もうひとつの事件が同じ時系列で起こっていて、それが多分別の巻で、偶数章で語られるのだ(ろうな)。

 犀川先生は、今回そんなに活躍はしません。残念。最後のほうにはちゃんと活躍してくれます。今までの車を廃車にし、新しい車を買うところがなんとなくおもしろかった・・。黄色て・・。
 超能力に対する見解もおもしろい。スプーン曲げは、力を入れれば折れるものなので、別に能力を超えていない。空中浮揚は本当なら見てみたいけど役に立たない。立ったほうが早い。テレパシィは携帯電話くらいの価値しかない・・・。
 「金魚すくい」をしらない、萌絵の常識エアポケットぶりも楽しいですねぇ。
 サブキャラもキャラクターがでてきました。
私も諏訪野さんがほしいなぁ。ちょっとこの方お気に入りです。
警察では萌絵のファンクラブが正式に組織化され、週1回西之園亭で会合が・・・。おいおい。
 衝撃的にやられたっ!感はありませんでしたが、おもしろかったです(^^)

以下ネタばれ!
謎1 有里匠幻殺害の謎
 池に一度沈められた箱がステージに上げられ、開けると匠幻の死体が入っていた。
どの時点で殺されたのか?箱に入ったまま池に沈められたのか。それともステージ上(床下の秘密の穴)で殺されたのか。誰かが離れたところからナイフを発射か何かして殺したのか。箱に仕掛けがあったのか?
犯人がいるとしたらどこから逃げたのか。

謎2 有里匠幻遺体消失の謎
 葬儀の途中は棺の中に遺体はあった。出棺の際、弟子が棺の色を変えるマジックを行い、その後霊柩車に乗せられた。発車した直後、車は停車し、棺の中はテープレコーダーがあるだけで、遺体が消えていた。
 どの時点で遺体は消えたのか。マジックは関係があるのか。誰が消したのか。遺体は本当に遺体だったか。人形ではなかったか。人形だったらどうやって隠せるか。

謎3 手品工場の菊池さん殺害
 萌絵が見つけた秘密の工場での菊池の遺体。彼はなぜ殺されたのか。車などから、事件に関係はありそうだが、どの部分で関わっていたのか。

謎4 有里ミカル殺害
 爆破解体のビルからの脱出。大勢の見物人に、テレビ。屋上にいた彼女は、爆破後、隣のビルの屋上で遺体で発見された。
 彼女はどうやって隣のビルに飛び移ることができたのか。なぜ屋上で殺されていたのか。だれが殺したのか。

謎5 なぜ殺人が行われたか。
 衆人環視の中で殺害を行うことは非常に危険なことである。
恨みなどがあるのならば、もっと別のところで、見えないようにして犯行を犯すほうが安全である。それを日本中の人が注目するようなカタチで行ったのはなぜか。
 
 ステージの上の殺人事件と、遺体の消失という、マジックらしいマジシャンの最期。誰もが謎に驚き、騒ぎ、彼の名前を胸に刻み込んだ。
 この「名前」がこの作品でのサブテーマ。
少し難しくはあったけれど、シンボル論みたいなかんじです。
読んでいく中で、匠幻が「名前」を残すために計画した殺人なのでは?と思いましたし、結構明白だったのですが、自殺ではないため、それは考えにくい。それを実現させるトリックというか、裏がおもしろいものでした。
 自分自身ではなく、名前という殻を人々の脳裏に焼き付けたいという欲望。
「人間はシンボルによって思考する」(犀川)
名前は、人間によってつけられるもので、名前がつくことで、人間はその対象を対象として認識することができる。名前は殻であって本質ではないような印象をなんとなくもってしまうけれど、実際の人間は、名前のために生きているようなものなのだ。名前という縛りのために、概念のために、能力を磨いたり、仕事や役職をもったりする。名前と本質は別のものだ。そんな感じのことを犀川先生は言っているのだと思います。(「陰陽師」の清明が名前は一番身近な「呪」だといっているのを思い出しました。)名詞によって様々なものに区別をつけているということは、かなり高度な能力であるということもなかなかおもしろい。
この「名前」という概念を完成させるために起きたのがこの事件だったわけですね。

 大人になると不思議を排除するから素敵がなくなる。
学問に対する森さんの考えと思われるものもでてきますが。たしかにそうであり、寂しい感じがしますね。
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