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☆4040の本棚☆ 文庫とミステリに偏っている私的な読んだ本のおぼえ書きです。

「スイートリトルライズ」


江國 香織 / 幻冬舎(2004/03)
Amazonランキング:79,960位
Amazonおすすめ度:



 くまちゃんの表紙がかわいくてずっと読んでみたいなと思っていた本です。でも内容は「The・不倫」。

「人は守りたいものに嘘をつくの。あるいは守ろうとするものに。」
 テディベア作家の瑠璃子は、夫・聡との結婚生活にそれなりに満足して暮らしている。聡にしても同じで、大きな不満も公開もない。ただ、近すぎず遠すぎずの関係の生活。お互いの世界にはあまり立ち入らない。例えば、瑠璃子は聡のゲームやスキーに、聡は瑠璃子のテディベアに興味を示せない。
 お互い、二人での生活を尊重しているにもかかわらず、二人とも不倫をしてしまう。瑠璃子にとって、それは聡との生活の中になかった「」だった。
 瑠璃子はテディベアを買ってくれた客の春夫と。
 聡は大学時代の後輩のしほと。
パートナーにない部分を恋人に見つける。パートナーといると恋人のことを、恋人といるとパートナーのことを知る。
恋人とずっと一緒にいたい、会いたいという情熱を感じる。
でも、浮気をすることで、なぜか夫婦での生活が潤滑にいくように感じる。

「人は守りたいものに嘘をつくの。あるいは守ろうとするものに。」

 瑠璃子とって守りたいものは夫との生活だった。
瑠璃子は聡に浮気の事実を、聡は瑠璃子に浮気の事実を隠す。小さな嘘がたくさん増えていく。意外と隠せるもの。でも、その嘘は恋人のためではなく、夫婦の生活を守るためにある・・・。

 なんだか矛盾しているような嘘の考え方。でも、夫婦関係が守りたいものではなくなったとき、嘘は入らなくなる。だから、たしかにそういえるような気がする。

 浮気をしたいと思ったことは(多分)ない。
この二人の生活がうらやましいとも思えない。でも、結婚生活のなかに次第に「恋」はなくなっていき、スパイスのような恋を求めるようになる、というのはなんとなく分かるような気がする。恋することに執着がないので自分にそれが訪れるかは分からないけれど。

 江國さんの作品にしてはストレートな恋愛(不倫だけど)に属する作品でした。ただの不倫話じゃないかと言ってしまえばそうなってしまうけれど。修羅場なんかなくても十分危うい心情をやわらかく描写しているところは、やっぱり江國香織さんだと思う。

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