「海辺のカフカ(下)」
村上 春樹 / 新潮社(2005/02/28)
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海辺のカフカ後編です。前読んだ時とブランクがあいてしまいました。
幼いころの謎の事故により、記憶をなくし、読み書きもできない知的障害者として中野区で暮らしてきたナカタさん。猫殺しのジョニーウォーカーさんを殺害してしまい、何らかの直感に導かれて四国にやってきた。道筋、出会った星野青年とともに、「入り口の石」を探し、高松までやってきます。
一方、家出をし、高松の図書館で暮らしているカフカ少年。
東京では、自分の父親が殺害され、行方不明の息子は捜索中と報じられている。しかし、後戻りはできない。
悲しい過去を持ち、神秘的な存在である佐伯さんに興味を抱き、恋をする。佐伯さんは彼にとって、彼は佐伯さんにとってどのような存在なのか・・・。
不思議な世界を交えつつ、ナカタさんとカフカ少年のいる位置は近づいていきます。「入り口の石」とは一体なにか。ナカタさんは何をしようとしているのか。それがカフカ少年や佐伯さんにはどのように関わってくるのか。
不思議なままで、難しいこと、物語が伝えている真意などは私にはわかりませんでした。でも、なんだかおもしろいと感じました。
特にナカタさんが好きです。謎の事件に見舞われ、「ふつうの」人間と同じように生きることができなかったナカタさん。でも彼の中には、そのことに対する悲しみはなく、いつもおおらかでした。彼は今の生活で十分幸せでした。彼の独特な話し方に落ち着きました。
ナカタさんと一緒に旅をした星野青年もよかったです。威勢のいい運転手の兄ちゃんが、素直にナカタさんの話を聞き、徐々に自分の中で何かが変わったと自覚しているところがとても好感が持てました。
カフカ少年サイドが、なかなか哲学的で難解だったため、この二人のちぐはぐ道中が楽しかったです。 ころころと展開していくため、詳しくはここでは書きません。
何がどう関連して、結局どういうことだったのか。殆ど解明されないまま話は終わってしまいます。
カフカ少年の母親と姉は結局誰だったのか。
なぜ彼が血をつけて倒れていたのか。
父親(ジョニーウォーカー?)は一体なんだったのか。
佐伯さんとカフカ少年の関係は?
佐伯さんとナカタさんの関係は?
ナカタさんを導いていたものは結局なんだったのか?
なんとなく関係性は見えてくるけれど、決定的な理屈がわからない。
そんなもの知らなくてもいいのだろうけれど、気になってしまうんですよね。
ナカタさんが、カフカ少年を救い、佐伯さんの不安定な状態を終わらせる役目を買っていたというかんじなのでしょうか。でも、本人たちは、そんな関連があったことも知らない。運命みたいなものは、知らないうちに転がっている。
最後に全ての関連が明かされて驚くという結末の小説はよくあるけれど、登場人物にも、読者にもその関連を明かさないのは珍しいような気がしました。
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