「パレード」
「センセイの鞄」の番外編。
初夏の昼下がり。センセイとツキコさんはそうめんの準備をして食べます。(これもまた、薬味がぱりっとしていておいしそうだ)。
それからお昼寝をして、目を覚ました二人。
「昔の話をしてください」とセンセイが言った。
ツキコさんは、小学生のころ、自分に憑いていた小さな天狗の思い出を話します。
作者の川上さんは、自分の物語が終わってしまった後、登場人物たちがその後どうなったのかに思いをはせるそうです。そして、作者も知らない、登場人物たちの日常のことを思うそうです。
ツキコさんとセンセイはどんな時間を過ごしたんだろう。
作者も知らなかった、物語の背後にある世界。
それを考えて書かれたのがこの本です。
私は、長く続いた漫画の「番外編」が好きです。終わったものの続きとか、裏の話が見れると、また彼らに会えたことにうれしくなります。
小説の番外編にあまり出会ったことがなかったので、大好きな「センセイの鞄」の番外編に出会えたことはとてもうれしかったです。
ツキコさんとセンセイがおつきあいをしてからの話は、本編にはありませんでした。たぶん、このパレードの一日は、その中の一日なのだと思います。
とても短い話でしたが、あの物語の暖かい雰囲気は十分味わうことができました。ツキコさんの天狗の話も、ちょっぴり寂しくて不思議な話でよかったです。
途中の挿絵もかわいらしくて、物語の世界にぴったりです。
ゆったりしたいときに読むと素敵な本です。
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