「沙高楼綺譚」
「沙高楼にようこそ。今宵もみなさまがご自分の名誉のために、またひとつしかないお命のために、あるいは世界の平和と秩序のためにけっして口になさることのできなかった貴重なご経験を、心行くまでお話くださいまし。いつもどおり、前もってお断りしておきます――お話になられる方は、誇張や飾りを申されますな。お聞きになった方は、夢にも他言なさいますな。あるべきようを語り、巌のように胸にしまうことが、この会合の掟なのです――・・・・」
各界の名士たちが集う「沙高楼」。
青山の高級マンションの最上階。洋館のような一部屋でその会は行われる。
ミステリアスな女装をした主人に誘われ、様々な方面の人間が、いJ分の秘密を暴露しあう。
金持ちのただの道楽か。深い意味があるのか。
人生の中で出会った面妖な体験、普通なら口が裂けても明かすことはないだろう秘密。聞くものも、話すものも、一様にずしりと重いものを抱える。そんな会である。
そういう高貴な(?)設定で、話が続けられるというのはなかなか興味深いです。江戸川乱歩に、赤い部屋だったか、そういうミステリアスな話をしていく会みたいな短編があったのを思い出しました。
浅田さんの作品は、どちらかといえば人情系の話ばかり読んでいたので、ちょっと違う感触がありました。
女(風)主人が誰なのか、なぜこの会が開かれているのかは謎のまま。続編もあるようで、読んでみたいなと思います。
<収録作>
『小鍛冶』
刀剣鑑定士の家本たちををも惑わす、偽の刀。それは本物以上にすばらしかった。恨みからそれを作る謎の名工の影。
『糸電話』
育ちのよい精神科医の体験談。幼い時にともに過ごした少女。上流階級から外れた不幸な少女は、次第に醜い姿と成り果てながら、彼の目の前に「偶然」現れる。
『立花新兵衛只今罷越候』
終戦直後の撮影所。「池田屋事件」に意気込む若者たちの前に現れた、武士らしい若い男。それは迷い込んだ本物の勤皇の志士の姿だったのか。
『百年の庭』
軽井沢の名庭園。人気女性庭師の助手の老女。彼女は3代にわたり庭を見守り、育ててきた。1代目との約束。庭を守るための重い秘密。
『雨の夜の刺客』
やくざの大親分。若いころに起こったある事件。彼が高みに上り詰めるまで口にしなかった本当の出来事。そして、全てを見抜いていたに違いない兄貴分。真人間は彼のようなものではないか。
コメント
はじめまして。TBさせていただきました。
私も女装主人が非常に気になってましたが、やはり続きがあるんですね!
私も女装主人が非常に気になってましたが、やはり続きがあるんですね!
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浅田次郎『沙高樓綺譚』
浅田次郎さんのミステリアスな短編集。(一応ミステリ?)さすがにコンスタントに面白かったが、女装の主人がもうちょっと活躍してほしかったかも。ちょっとあっさりすぎる印象。続



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はじめまして。TB&コメントありがとうございます。
続編は「沙高楼綺譚 草原からの使者」という、ちょっとテイストの違うもののようです。発見しだい読んでみたいですね!