☆4040の本棚☆ 文庫とミステリに偏っている私的な読んだ本のおぼえ書きです。
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2006.02
14
(Tue)

「模倣犯 」 


宮部 みゆき / 小学館(2001/03)
Amazonランキング:23,954位
Amazonおすすめ度:


模倣犯、下巻は、第2部後半と、第3部が収録されています。
 主犯である栗橋浩美と、罪を擦り付けられようとしていた高井和明の
死の真相。なぜ浩美まで死んでしまったのか、浩美を死に至らしめた彼
の心の落とし穴が描かれます。
 そして、第3部。ピースの新たな「舞台」が始まります。
ピースの本名は、網川浩一。彼は、高井和明の無実を訴える、妹・由美
子の応援者として積極的にメディアに露出するようになる。犯人である
彼は、自ら、高井ではない共犯者がいるという自論を持ち上げて世の中
を騒がしていた。
 一方で、被害者の遺族である有馬や、彼と接点を持った第一発見者の
少年・塚田真一ともコンタクトを取りはじめる。他にも、栗橋と高井犯
人説を念頭にルポを書いている前畑滋子とも対立する。
 自分が作り上げた殺人舞台を、自ら解明するような立場に立ち、世の
中が騙され、自分をもてはやしている状況に有頂天になるピース。
彼の本性と事件の真実は誰の手によって、どのようにして明かされてい
くのかが見どころとなります。

-----------------------------------------------------------------
「ピース」は、当初のイメージではもっと頭のいいキャラクターでした。
 でも本当は、虚栄心、誇大自己の塊。栗橋浩美よりは頭もいいし、何かに左右されたり、すがったりはしていないけれど、同じように誇大自己の塊でしかなかった。
 周りの「馬鹿でおろかな」人間が、全て自分の思いどうりに動く「駒」であり、ピースはそこに舞台を用意して、シナリオを思い描く。そこに駒が思い通りに動くのを楽しむ。それが彼の犯行の全てだった。

 推理小説では、たまに犯罪者だろうが、それはそれで応援したくなってしまうような、知能的で、すごい人物が出てきたりしますが、このピースはそういう類ではない。もっとも現実的な犯罪者の姿だと思いました。根拠のない「全能感」がもたらす犯罪って、最近は後を絶ちませんよね。彼らの最もタチ悪い性質を兼ね備えたのがピースだったんじゃないかと思います。
 犯罪の中身は、卑怯で、愚劣。やり口も簡単。
ここまで劇場型なものはありえないけれど、実際の犯罪は汚い。推理小説で犯罪を「解く」ことを楽しみながらよんでいるけど、犯罪の怖さを改めて考えてしまう作品でした。
 やっぱり、ひとりひとりへの書き込み方が半端じゃないところがすごかったです。流石宮部!
☆☆くわしめのあらすじ☆☆
【第二部】
 連続女性殺人事件の犯人、栗橋浩美とピースは、罪を幼馴染の高井和明になすりつけることに決めた。ピースの計画に沿って、まずは、何の
関係もない男性を拉致し、テレビで公言した「男性の被害者も出す」を実行に移すことにした。そして、カズをアジトの別荘に呼び出し、彼も拉致し、一緒に殺害する計画を立てる。しかし、事件を疑っていたカズは、別荘につき、ピースのいないところで浩美に自首するように勧める。カズは、ピースの言う作戦は穴だらけであり、すぐにばれることを見抜いていた。そして、浩美がピースに利用されて苦しめられていることを止めようとしていた。 
カズを鈍重で馬鹿な人間だと思っていた二人にとって、これは想定外の出来事だった。とにかく、浩美がお化けビルに、殺した男とカズを連れて行き、殺害することにした。しかし、道中、ずっと苦しめられ続け、亡き姉の「霊」や、事件がばれることへの恐怖感、カズの言葉から、浩美の精神状態は極限状態に陥る。カズは、浩美をなだめてなんとか街の警察に向かわせようとするが、ここで事故を起こして二人は命を落としてしまう。
 浩美の存在がそろそろ荷物になっていたピースにとっては、思わぬ事
態だった。二人がうまく死に、犯人だとされてしまったのだ。世間から見ると、彼は何の関係もない。自分の「駒」が舞台の中でうまく動いてくれたことにほくそえむピース。

【第3部】
 
連続殺人犯「栗橋と高井」の衝撃の死。
 マスコミが彼らの過去に騒ぎ、それもひと時の波で過ぎ去るはずだった。
 もちろん、まだ未発見の被害者の遺体の発見と解明に警察は忙しく、遺族は、怒りと悲しみの矛先をどこへ向けるべきか悩み、怒る日々である。そして、それは犯人の家族である高井家にも大きな波を立てていた。高井家では、父は高血圧で倒れ、入院。そばやは当然閉め、母は仲居として身を隠して働くことに。妹の由美子は、兄の無実を訴えるため、偶然知り合ったルポライターの前畑をつてに、被害者家族にそれを伝えようとした。その際、由美子はカズの昔の「友人」ピースこと、網川と出合う。網川は由美子の援護に回るようになる。
 被害者家族会の会合の場に、陳情するため姿を現した由美子と網川。それに応じた有馬義男。由美子を止めるため駆けつけた前畑と真一。主要人物が顔をあわせる、ここが3部の幕開けともいうべき場所である。
 有馬義男は、孫の死により、娘は入院、娘婿との軋轢に遭遇し、店もめることになる。それでも事件を自分の中で理解するため、憎き犯人の族・由美子の訴えも一応聞く。また、塚田真一は、ルポライターの前畑、自分が最もやってほしくない種類の仕事をする人物であり、それはそれで受け入れるが、これ以上一緒にいることはできないとして彼女の家を出ることにする。その代わり、同じように被害者家族である有馬義男と交流することになる。加害者の家族に堂々と立ち向かう彼の姿を見て、まずは、自分を追うめぐみから逃げずに対峙しようと心に決める。

 ピースは、由美子を救うという立場からある本を出版する。その内容は、栗橋は犯人に違いないが、高井はもう一人の犯人Xによって、罪を擦り付けられている。まだ真犯人は捕まっていないというものである
 その話が、あたりまえではあるが、人々の共感を得て、かれはテレビに引っ張りだこになる。その影で、「守られていた」はずの由美子は、網川に依存していた。しかし、被害者家族の言葉や、徐々に自分を利用していた網川の本性を知ることとなり、そして・・・・・・・・。

 一方、前畑滋子は、事件について、独自のレポートを書き、人気を得るが、「栗橋と高井」」の人物像に触れる段で、なにを書くべきか迷いが生じる。その時に現れたのが「犯人X説」を唱える網川である。世の中の目は一気に網川の元へ。「想像」でしかない滋子の文。主人や出版社にも見放され、自信をなくしていく。しかし、彼女独自の調査により、事件の核心に近づいていく。


 
【ラスト】
 なぜ、この事件が解明されたのか。
①綻び
 ピースの計画自体の甘さ。もともとの計画が意外にずさんで、栗橋らが死んだのも偶然だった。
 例えば携帯電話。彼らは、エリアが特定されることを忘れていた。エリア内の別荘調査(元警官”建築家”の助言による)で見つけられるのも時間の問題だった。また、使った携帯も、事故でなくなったが、実は、子どもが拾っている。
また、獲物探しで、これは網川だと感じたというネットで探し出した女性なんかもいました。これは決定要因ではなかったけれど、警察に何らかのひらめきを与えたと考えられる。
②声と盲点
 世の中の人、警察は、まさか別犯人説を訴える本人が犯人だと夢にも思わない。その盲点をついたのがピースの作戦だったが、上記のほころびから、警察は声紋判定を実施する。カズは声紋判定ができなかったが(のちに電話相談室のが発見されてるかもしれないが)、テレビに出た網川は判定できた。それが決定要因になっただろう。
③過去
 明かされることのなかった彼自身の過去。前畑滋子がふと調べたことにより、彼の複雑な生育環境、そして、母親が住む「別荘」の存在が明らかに・・・。
④虚栄心
 ピースのおごりの心が、全ての計画を生み出し、破綻にしたといえる。テレビ討論で、真相を知った前畑に「この犯人の計画は真似しただけで、模倣犯だ」と煽られ、自尊心を傷つけられ、全ては自分のオリジナルだと叫んでしまう。
 
 ふぅ。ながい・・・・。

 
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